川崎町

[出品者情報]

川崎町
福岡県田川郡川崎町

[商品]

  • 九州玄米黒酢(マルボシ酢)
  • 米酢(マルボシ酢)
  • 黒酢と桃(マルボシ酢)
  • 蜂蜜 れんげ・さくら(蜂屋なべとう)
  • ハニーナッツ(蜂屋なべとう)
  • みつろうクリーム(蜂屋なべとう)
  • 梅ジャム(De・愛 加工所)
  • 辛子高菜(De・愛 加工所)
  • 高菜まん(De・愛 加工所)

豊かな自然と清流に育まれた 川崎町のおいしい恵み

福岡県の中央部に位置する田川郡川崎町。山林と水源に恵まれた豊かな土地を生かしてお米や野菜、りんご栽培などの農業が盛んな地域だ。 川崎町といえば、毎年2万人以上の来場者が集まる西日本最大級のパンの祭典「かわさきパン博」にも注目が集まっている。8回目となる今秋は、福岡県内を中心に九州各地の約50店舗ものパンの名店が集い、川崎町特産のりんごを使用したオリジナルのパンを販売して腕を競い合う。そんな「食と農のまち」川崎町のおいしいを支えている3商品の作り手を訪ねた。
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川崎町のほぼ中央を南から北に流れる中本寺川。清流に育まれた肥沃な大地と、寒暖差の大きい気候のお陰で、旨みたっぷりのお米や野菜が育つ

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昭和63年に戸谷ヶ丘の麓、標高400mの地にオーナー制の観光りんご園を開園。現在は、福島県から移住されたりんご農家さんの管理によって、東北の名産地にも引けをとらない品質のりんごが収穫されている

昔ながらの製法でじっくりと醸された まあるいお酢

訪れたのは福岡を代表するお酢メーカー『マルボシ酢』。マルボシ酢といえば、「マルボシ♪スッス〜♪元気でス〜♪」のCMソングと共に育った福岡っ子もきっと多いはずだ。そんな軽快なCMとは裏腹に、昔ながらの製法を守り続ける堅気な一面を併せ持っている。 県内のスーパーなどでも気軽に手に入れることができるマルボシ酢の製品は、ツンとこないまろやかな酸味でファンが多い。口あたりの良さの秘密は、創業以来80年続く、伝統的な「静置発酵法」と呼ばれる製法によるものだ。「自然の力を借りて3〜4ヵ月かけてゆっくりと発酵させた後、さらに数ヶ月間熟成させることで、香りが良く旨みのある“まあるい”お酢ができあがるんです」と教えてくれたのは、マルボシ酢株式会社専務取締役の末次さん。この伝統的な製法に欠かせないのが、マルボシ酢に代々受け継がれている小さな製造者「酢酸菌」だ。「マルボシ酢には、80年以上前から棲みついている酢酸菌がいます。この菌がゆっくりとお酢を醸し、マルボシ酢ならではのコクや旨み、香りを造りだしているんです」。さらに、寒暖の差が大きい川崎町の気候とおいしい水も、お酢づくりに欠かすことの出来ない条件だ。 新しいお酢へと受け継がれる酢酸菌の力を手助けするように、時間と手間をかけ、最後までしっかりと手をかけてあげることで、まろやかで旨みのあるお酢が育つのだ。 マルボシ酢では、栄養分が豊富でコクのある米酢や、独特の香りと芳醇な味わいが特徴の玄米黒酢を中心に、ぽん酢やドレッシング、飲む酢、ソースまで幅広い加工品を製造。さらには、おいしい水とお米を生かした酒造りもおこなっている。「お酢で健康」をモットーに、食卓からわたしたちの健康を支えてくれる頼もしい存在だ。
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「子育てと似ている」といわれる酢造り。夏暑く冬は寒い自然のままの環境の中、職人が温度や香り、色を確かめながらじっくり時間をかけて酢を育てていく。

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歴史を感じさせるレトロ調のパッケージが印象的な「九州玄米黒酢」。5〜6倍に薄めて飲む他、はちみつと1:1で混ぜて炭酸水で割るのもおすすめだ。酢豚などの中華あんや餃子のたれ、お寿司にといろんな料理シーンでも活躍する。

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黒酢をベースに、福岡県産のゆず、大分県産かぼす、宮崎県産日向夏、佐賀県産マイヤーレモン、熊本県産不知火、長崎県産焼きあご、鹿児島県産かつお節、沖縄県産黒糖と、九州各県の原料を使用した「極みぽん酢」は鍋に最適。

何の手も加えない、花の香り漂う天然はちみつ

舌にのせるとすっきりとした甘さが口いっぱいに広がり、とびきりの幸福感に包み込まれる。ふんわりと花の香りが鼻を抜けていく。れんげ畑を飛び交うミツバチが集めたままの、混じりっけのないれんげ花のはちみつだ。「次はこちらを。これは今年採れた貴重なはちみつですよ」と嬉しそうに勧めてくださった桜のはちみつをいただいた。品のある香気と濃厚な甘み、桜餅のような後味が広がり、花によってこんなにも味わいが違うものかと驚かされた。 訪ねたのは、川崎町の自然の中でミツバチと共に生活をしている、「蜂屋なべとう」の鍋藤修治さん。養蜂家のみなさんは、ミツバチにすべて任せてのんびりと過ごしているのかと思いきや、「とんでもない!」と鍋籐さんは笑い飛ばす。 「今はすごく大切な時期。春先から11月ごろまでは、休みなしで働いているんですよ。蜂と一緒に暮らし、蜂が越冬する時季に一緒に休む。働き蜂と同じくらい、私も毎日働きづくめです」。採蜜をするのはレンゲなどが咲いている春だけだが、次の春へ向けて、健康な蜂を絶やさぬよう巣箱を見回り、管理し続けなればならないのだ。特に秋はスズメバチとの戦いのシーズン。巣箱に侵入されれば、あっという間にミツバチを全滅させてしまう厄介な存在だ。「生き物相手だから、一日たりとも気が抜けない」と、スズメバチ退治にも余念がない。冬が近づくと、無事に越冬できるよう巣箱を整えて回り、蜂たちの様子を見守りながら春を待つ。その間にも、ビニールハウスのいちご農家さんなどに蜂を貸し出し、受粉のお手伝いをしているという。
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川崎町の10カ所以上の場所に300もの巣箱を設置。女王蜂はいるか、卵はあるか、寄生虫に蝕まれていないか、ひとつひとつ丁寧に確認していく。

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愛情いっぱいに育てられた鍋藤さんの蜂はおりこうさん。素手で触っているにも関わらず、襲ってくることはないという。日頃から築いてきた蜂との信頼関係の証だ。

春、1年分のはちみつを採蜜する。「れんげは有機肥料になるので、お米農家さんが種を蒔いてくださるんです。昔は日本中でれんげ農法がおこなわれていたのですが、今も残っているのは少数だと思います」。町内の田んぼが一面紫色の絨毯で染まる様子は、川崎町の春の風物詩だ。れんげの咲く時季に採れたものが「れんげはちみつ」、桜の時季に採れたものが「さくらはちみつ」となる。いろいろな春の花の蜜を集めたものが「百花はちみつ」だ。 採蜜したものはタンクに保管され、そのまま何も手を加えずに瓶詰めする。その年によって、蜜の色や味わいが違っているのも自然のままだからこそだ。「今年は久しぶりに納得できる完璧な蜂づくりができた。来年はすごくいいはちみつが採れるはず!」と、鍋籐さんから今年のはちみつ超えの爆弾予言も飛び出した。
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黄金色に輝く美しいはちみつ。春の間になんと2トンもの量を採蜜するという。花の種類や採蜜場所ごとに約100缶のタンクに分けて保管し、1本1本丁寧に瓶詰めする。

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濃厚な花の香りと甘みが楽しめる「さくらはちみつ」(左)と、洋酒やハイボールとの相性抜群の「ハニーナッツ」(右)。そのままはもちろん、チーズと合わせるとさらに絶品だ。手前にあるのはハンドクリームとしても重宝する「蜜蝋クリーム」。

町の特産品をつくる、川崎発の新たな挑戦

「自分たちが開発した特産品で、町を活性化したい」。そう語ってくれたのは、川崎町地域おこし協力隊の永松さんと本村さん。地元の朝採れ野菜や果物などを販売している農産物直売所「De・愛」の敷地内で「De・愛 加工所」を立ち上げ、お弁当などの製造と加工品の開発をおこなっている。 そんな加工品の中でも人気なのが、梅ジャムだ。「梅をシロップ煮にしただけよ」と控えめに話してくれたのは永松さん。川崎町採れの梅を青梅と完熟梅とに分け、砂糖を加えてコトコトと煮込んだだけのシンプルさ。とはいえ、甘酸っぱい梅のおいしさが際立ち、パンにつけるのはもちろん、ちょっとした料理のアクセントにももってこいだ。 さらに『皿の上の九州』での出品に向けて開発中なのが、川崎町の高菜漬けを使った「高菜まん」だ。高菜にとって、寒暖差の大きい川崎町の気候は育ちやすく、栽培にもってこいの好条件。味わいが濃く、ちょっと固めで生き生きとした葉が特徴だ。高菜がおいしければ、必然的に高菜漬けもおいしくなる。あとは、料理人でもある本村さんの腕の見せ所だ。「前職では洋食中心だったのでジャンルは異なりますが、自分次第でどんなものでも作り出せることにやりがいを感じています」と話す本村さん。「料理上手な彼女が来てから、商品開発が一気に加速したんですよ」と永松さんも絶賛する。 高菜まんの次は、りんごを使ったスイーツを開発する予定だという。それぞれの得意分野を生かしつつ、二人三脚で川崎町の‘おいしいものづくり’への挑戦は続いている。
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永松さん(左)と本村さん(右)のお二人を中心に、試行錯誤を繰り返しながら様々な加工品が開発されている。

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豚肉の餡と高菜を包むのは、もっちりとした弾力のある自家製の皮。「肉汁がこぼれないようかなり計算し尽くしました」と本村さん。

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フルーティな香りと、甘酸っぱさが口いっぱいに広がる梅ジャム。ヨーグルトに入れたり、紅茶や炭酸水で割って飲んでも。

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