穴バーレポート ACTIVITY

種でつながるご縁をいただきます。宮崎より加藤さんと味わう新麦三昧の夜[6月穴バーレポート前編]

麦の旬をご存知でしょうか?
梅雨に入る前の黄金色に実った麦を刈り取り、乾燥させ、今年の新麦が出回るのはちょうど今。
6月の穴バーは、宮崎で麦を育てる「ここく」の加藤潤一さんをゲストに迎え、まさに今が旬の麦をテーマに開店しました。

「在来種」のことや麦栽培の作業のことなど、会場のようすとゲストトークを振り返ります!

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まずは、会場のみなさんお一人お一人との乾杯でスタート!左側がゲストの加藤さんです。

 

種の数だけ物語がある
会場にはここくミュージアムも登場

ゲストの加藤さんは、麦の他にも在来種の大豆や大根などもつくられています。
「在来種」とは、各地の農家や家々で自家採種され、受け継がれた種のこと。その土地の気候や風土に順応した特徴を持ち、一般に流通することはほとんどありません。安定して大量に育てやすく品種改良された種が主流となっている現在の農業のスタイルの中で、在来種を受け継ぐ人は少なくなっています。
今回は、加藤さんが持って来られた数々の在来種の種や麦の穂を会場に展示し、ここくミュージアムをつくりました。なかなか出会えない種だからこそ、椎葉村のおばあちゃんから譲ってもらった「裸麦」や、初対面の人から人へと数珠つなぎに紹介していただいてやっと出会えた「麻尻大豆」、向かいのちーちゃんにもらった「小麦」など、種との出会いには、ひとつひとつに物語がありました。

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加藤さんが持って来てくださった宮崎に受け継がれる種。どの種にも出会いの物語が詰まっています。

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在来種の種にみなさん興味津々です。

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ごはん麦や麦茶となる六条大麦も会場に展示。思わず一緒にパチリ。

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会場では、ひとつひとつ丁寧につくられている「ここく」商品の販売も。なんと、麦みそに使う塩は、加藤さん自ら沖で汲んだ海水を平釜でじっくり炊いているんですって。

 

「ここく」に込められた思いと
「麦踏み」に「輪作」、加藤さんが行う農業のこと

もともと、横浜でWEBを中心としたデザインの仕事をしていた加藤さん。
農業とはかけ離れた生活をしていた加藤さんが、農業を始めた理由は何でしょう?

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ある本との出会いから食や農業へ興味を持ち、2011年3月の東日本大震災に遭遇したことをきっかけに「自分の食べるものは自分の畑でつくりたい」と強く思い、宮崎へ移住して農業を始めたのだそう。加藤さんの畑でつくられる麦も、それらを使った加工品も、自分一人でつくっているのではなく、たくさんの人との関わりで成り立っているのだと加藤さん。人と人とのいい関係が、「ここく」の魅力にもつながっているのですね。
(詳しくは、皿の上の九州をご覧ください。)

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「個」と「個」がつながり、つながりが濃くなっていく。そんな意味を込めて「ここく」という屋号で活動されています。意味を知ると、ますますよい名前だなぁ。

穴バー開店前には、編集部みんなで、宮崎市内の麦畑を訪問し、麦踏みと収穫のお手伝いをしてきました。
ところで、麦踏みをご存知ですか?畑に芽吹いた麦を足で踏んでいくという作業のことです。
会場でもほとんどの人は知らなかった麦踏み。
麦踏みについてと農作業のようすはこちらをご覧くださいね。
https://anaba-na.com/19636.html

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せっかく芽吹いた麦を踏んでしまって大丈夫なの!?という心配はご無用。編集部もお手伝いした麦踏みの翌日、しっかりと復活していました。

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加藤さんは同じ畑で麦と大豆を交互に育てています。大豆は土を肥やし麦の肥料となり麦は大豆が育つための土環境をつくり、お互いにいい関係を築いているのだとか。

加藤さんの畑で繰り広げられる麦づくりには、種との出会いの物語にはじまり、踏まれて育つことや大豆と交互に栽培して土を肥やすことなど、知らなかったことばかり。
背景を知ることで、麦のことを身近に感じることができ、料理もよりおいしく感じることができました。
梅雨が明けたら大豆の種まきが待っているそうです。
まだまだ知らないことがたくさんありそうなので、もう少し追いかけてみたいと思いました。

レポート後編では、バリエーションたっぷりに楽しんだ麦料理をご紹介します。

 

(編集部 トゴウ)

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