イベントレポート

「食べることは生きること」吉田俊道氏講演レポ.4

こんにちは。大刀洗町地域おこし協力隊の川崎です。

 大刀洗町で開催した吉田俊道先生による講演会、「食べることは生きること〜わたしたちが生きていく中で関わる食•農•環境の大事な話」ついてレポートさせていただきます。シリーズで全4回開催の講演会も最終回を迎え、今回でレポートも最終回になります。

食の実践、「生ごみリサイクル元気野菜作り」の栽培方法と続き、最終回は、「菌ちゃんは敵じゃない!土作りから見える、本当の循環型共生社会とは〜」についてお話していただきました。食•農•環境がどのように私たちの生活に関わっているのかを知る大事なお話です。地域での取り組みについても、例を挙げながらお話ししていただきました。

講師は、「菌ちゃん先生」というニックネームでおなじみの、 NPO法人大地といのちの会の吉田俊道先生です。吉田先生は、「生ごみリサイクル元気野菜作り」という、生ごみを使い微生物の力を生かした野菜作りの体験を元に、循環型の食や農の考えを広められています。講演4回を通して大刀洗町にも少しずつ「菌ちゃん」が浸透してきました!

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吉田先生のお話は、気づきと学びがたくさんあります。 体験とデータを交えてお話してくださるので、なんとなくではなく「そうだったんだ!」と納得できます。

地域での取り組みとして、熊本県の山鹿市の保育園での活動をご紹介していただきました。山鹿市の保育園では、吉田先生の指導のもと、「生ごみリサイクル元気野菜作り」を実践されています。

園児たちが生ごみから野菜を作り、その野菜が給食で出されます。 この取り組みにより、子ども達は健康に!体温が上がり、風邪やインフルエンザにかかる子どもが減ったそうです。ゴミが減って、健康になって、いのちを大切にする心を育めるなんて、いいこと尽くめですよね。山鹿市では、地域だけでなく行政も関わり、町ぐるみで取り組まれています。

地域の食の安全を守っていくには、 一人一人の声が大切です。一人の声も人数が増えれば、もっと大きな力になります。まずは子ども達の食の安全を守るため、学校に「給食で無農薬の皮付き野菜を出してください」と意見を伝えることから始めてくださいとおっしゃられていました。

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真剣な話をしてもユーモアは忘れない吉田先生。お話を聞いている皆さんの顔を真っすぐ見て、語りかけるようにお話されているのが印象的でした。

今までの講演で、吉田先生が伝えられた大事なお話はたくさんありますが、一番心に残ったのは、自然や人間や私たちが食べるものは皆いのちがあって、私たちはいのちのサイクルに生かされているということ。そして、私たちは地球とつながっているということ。

「風の谷のナウシカ」に出てくる腐海の森は、人間にとっては猛毒で忌み嫌われる存在ですが、実は人間が汚染した世界を浄化する役割を担い、虫はその腐海の森を守っています。生きているものにはそれぞれ役割がありつながっているのです。畑では、虫は弱い野菜を食べてくれます。虫が食べる野菜は、腐敗したおいしくない野菜だそうです。虫が少ない畑にしようとすると、虫が食べない強い野菜を作る必要があります。それは農薬で虫を殺すことではなく、農薬で汚染された土を浄化すること。結局は自分たちがしたことはめぐりめぐって自分たちに戻ってきます。安心•安全な食生活は自分たちで作っていかないといけないですね。

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1回目の講演会の時に生ごみで土作りをして植えた野菜は、こんなに大きくなりました。

吉田先生の「私達は地球の一部で、 いのちのサイクルの中に生かされている」という言葉は、周りに対しての優しさです。「生ごみリサイクル元気野菜作り」から、自分だけではなく周りのことを思いやることが、まわりまわって返ってきて、わたし達一人一人の豊かさにつながるということを学びました。

皆さんもぜひ、私たちが生きる上で大切な食•農•環境について学べる「生ごみリサイクル元気野菜作り」に挑戦してみてください!

(文/川崎優実、写真/山下学)

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