こんにちは。大刀洗町地域おこし協力隊の川崎です。
今回も1回目、2回目に引き続き大刀洗町で開催中の講演会「食べることは生きること」の第3回目「〜わたしたちが生きていく中で関わる食•農•環境の大事な話」のレポートをさせていただきます。
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1、2回目は、食のお話が中心でしたが、3回目はついに「生ごみリサイクル元気野菜作り」の実践方法についてお話していただきました。講師は「菌ちゃん先生」というニックネームで親しまれているNPO法人大地といのちの会の吉田俊道さんです。吉田先生は「生ごみリサイクル元気野菜作り」の体験を元に、循環型の食や農の考えを広められています。
皆さんは有機野菜についてどんなイメージを持っていますか? 私は、価格が高いとか手に入りづらいとかいろいろありますが、一番に思いつくのは、虫が食べるほど新鮮で安全でおいしいということでした。ところが、吉田先生がおっしゃるには「虫が食べる野菜はおいしくない野菜」のだそう。びっくり。自然界には腐敗と発酵という世界があり、虫は腐敗の世界に生きていて、人間は発酵の世界に生きています。虫が好んで食べる野菜は、腐敗している土で作られた作物。私たちがおいしいと感じるものとは違います。実際に、虫に食べられた野菜と、虫が食べなかった野菜の食べ比べの実験をすると、全員が、虫が食べなかった方の野菜がおいしいと答えたそうです。
「生ごみリサイクル元気野菜作り」では、自然の循環を活かし作物を栽培します。生ごみを土に入れ、それを微生物に分解してもらい、土を作ります。この方法で作ると栄養価が高くおいしい野菜が作れます。虫が出たら農薬をまくという対処療法ではなく、根本である土を見直す。問題が出てその度にその場しのぎで対処していたのでは、根本的に解決しないということは、農業だけでなくて生きていく上でも考えさせられる話だと思いました。
スーパーで買うことが当たり前になっていると、野菜や果物は自然の一部だということを忘れがちです。土があって、微生物がいて、虫がいて、虫を食べる動物がいて、雑草が生えて……と、これらはお互いにバランスを保ちながら循環しています。どこかのバランスが崩れるとどこかが補うようにできているのです。例えば、ミミズは土を耕してくれますが、多すぎるとモグラを呼び寄せます。もぐらに畑を荒らさせるのは困りますが、モグラもミミズを食べることで、自然界のバランスを保っているので、いないと困るのです。「生ごみリサイクル元気野菜作り」では、こうした自然界の循環を活かして野菜を行われています。自然のバランスを崩さず自然と共存する野菜作りは、環境や食や私たちの生活にも関わってきます。農家さんだけでなく、私たち全員が考えないといけないことだと思いました。
土に触れることは、私たちが生きていることも自然の循環であるということを感じさせられます。それを思って生きていくと、ここにいるということにも謙虚にありがたいなあと思えます。「生ごみリサイクル元気野菜作り」はプランターでもできますので、都会にお住まいの畑がない方にもぜひ体験していただきたいです。
◎次回の講演会のお知らせです。最終回となりますので、ぜひお越し下さい!
3月28日(土)10時〜12時
「菌ちゃんは敵じゃない!土作りから見える、本当の循環型共生社会とは〜」
開催場所:大刀洗町 就業改善センター
(福岡県三井郡大刀洗町大字山隈1711-3番地)
※お子様と一緒に講演を聴いていただけるキッズコーナーをご用意しておりますので、是非お子様とご一緒にご参加ください。
(文/川崎優実、写真/山下学)