穴バーレポート ACTIVITY

セロリバーレポ 美味しさの秘密編

あの独特の香りと苦み。「セロリ」といえば「大人の食べ物」ですよね。少々セロリが苦手な私ですが、セロリバーの開催が近づくにつれ、編集部内にセロリの香が充満し、だんだん楽しみになってきました。

生のセロリを思い切って食べてみましたが、瑞々しさと甘みが口一杯に広がり、食べにくいと思っていた第一印象が吹っ飛びました。瀬高のセロリ、美味しい!

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今夜も力作の看板でお出迎え。セロリで始まり、セロリで終わる「セロリバー」開店しました!

セロリ愛を語ってくださったのは、「セロリズッペン」を開発した、株式会社ズッペンの森弘子さんと、「おふくろ本舗」の江崎和代さん。熱い想いをセロリに注ぐお二人が、瀬高のセロリの美味しさの秘密を、商品開発への想いと共に語ってくださいました。

 

どうして瀬高でセロリがとれるの?

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福岡県南に位置する、みやま市瀬高町。北部には、豊かな自然環境に恵まれ、有明海へと注ぐ清流矢部川が存在し、野菜を栽培するのに適した水が流れています。氾濫を繰り返し、土砂が流れ込み、水はけの良い土壌が育ちました。

セロリが栽培されるようになるきっかけは、なんと戦後のアメリカ軍に提供するためのセロリを栽培できる地域を探していたから。瀬高のセロリの生育に向いた土壌が手伝い、セロリ栽培がスタートしました。

当時は、全てのセロリがアメリカ軍に出荷されていたため、地元の人たちの口に入ることはほとんどなかったそう。その後、時代と食生活の変化に伴い、関東・関西に出荷され始め、20年ほど前より地元瀬高でも食べられるようになったそう。セロリが日本に入ってきたのは1800年頃と言われていますが、瀬高のセロリには意外な歴史があったのですね。

 

セロリズッペン誕生のお話

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「実際のセロリは、販売されているものよりもずっと大きいんです」と、セロリズッペンの森さん。持ち上げられない程大きく育つため、箱の規格に合わず、外側の茎を折り、小さくして出荷されています。

「せっかく美味しいセロリの葉がハウスに捨てられたまま。肥料にすることもあるけど、まだ食べられるんだからもったいない。なんとか商品にしたい!」との思いから、商品開発が始まりました。

とは言っても簡単には新しい商品なんて思いつきません。悩み続けていた時に、ドイツ土産でもらった「ズッペンゲミューゼ」(ドイツ語でスープ用野菜)にヒントを得て、ようやく商品開発が前に進み始めます。

「日本人の口に合うように、日本料理で使う野菜を混ぜ合わせるなど、ブレンドの配合率を決め、納得のいく仕上がりになるまで半年かかりました。」そうして試行錯誤して完成した商品は、お客様に「料理にズッペンを使うとプロの味がする」と言って頂けることもあるそうです。

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おみやげで頂いたズッペンゲミーゼの感動を残したくて、瓶詰めも可愛らしく上品に仕上げた。デザインはテツシンデザインオフィス先崎氏によるもの。

味もさることながら、生のセロリの香は、精神を落ち着かせる作用があるそう。森さんは、日曜日にセロリをまとめ買いし、まずは生野菜、次にお肉と一緒に炒め、最後は煮込みにと一週間かけてセロリを楽しむそう。「家中セロリの香が充満して心地がいい」と、生活に欠かせないものになっている様です。お子さんには嫌がられるそうですけどね。

 

私は美味しいものしかつくりよらんよ!

今回のもう一人のゲスト江崎さんが所属する「農産物加工グループ おふくろ本舗」は、「道の駅 みやま」の開店に合わせて発足しました。

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左がおふくろ本舗の代表 江崎さん
自慢の商品をの販売をしました

おふくろ本舗は、みやまの朝どれの旬の野菜を、その日のうちに漬け物につけ込むなど、セロリの加工品を積極的に作られています。捨てられてしまうセロリの「かき葉」の肉厚でシャキシャキした歯ごたえは、漬け物には最適。(かき葉とは、みやまの通称で、野菜の外葉のこと)「丁寧にセロリの茎の筋を取り、甘酢漬け、かす漬け、みそ漬、キムチ漬けなど、様々な漬け物を漬けています。美味しいですよ〜!美味しいものしか作りよらんよ!」と、江崎さん。ユニークなプレゼンに会場は盛り上がります。

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「美味しいですよ〜」と自信をのぞかせた江崎さん。笑いの絶えないプレゼンテーションでセロリ愛もたっぷり届けていただきました。

「立ち上げて最初の年は、葉の部分は捨てていました。でも、『もったいないおばさん』ですからね、二年目からは葉で商品開発を始めたんです」

 

葉酸がブロッコリーの7600倍?!

製法から試行錯誤を重ねて出来上がったのは、セロリの葉で作ったハーブティー。「葉の色を損なわないように、10〜15時間かけて乾燥させてお茶にしているんですよ」という、お茶は、栄養もたっぷりです。

「お茶の効能がすごくて、カルシウムが牛乳の4倍、カリウムがほうれん草の4倍、葉酸がブロッコリーの7600倍入っていて女性に嬉しい飲み物なんです」

7600倍という驚きの倍率ながらも、江崎さんは終始セロリ愛に溢れ、輝いていました。。。

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商品を愛でるように美味しそうに語ってくれる江崎さん。会場内には「あ〜美味しそう」とため息がもれました。

 

他にも、天ぷら塩にすると美味しい「セロリのハーブソルト」や、お孫さんにセロリを食べてほしいという想いから生まれたセロリの葉を練り込んだ「かりんとう」、チャーハンや、かき揚げに混ぜたら絶品の「セロリのふりかけ」と、どんどん商品開発をすすめているそうです。

「今のところ商品開発は以上です、新商品は頭の中には入っているのですが、今後に期待!と言う事で」

今後の期待が膨らみます。おふくろ本舗の商品は、現在のところ「道の駅みやま」でしか販売されていないため是非立ち寄って頂きたいです。

 

瀬高のセロリの美味しさに魅了された二人の愛情のこもったセロリトークは、美味しいセロリ料理と共に楽しむ事で会場と一体になり終了しました。

瑞々しい瀬高のセロリと、セロリズッペン、おふくろ本舗の商品をふんだんに使ったメニューは、「セロリバーレポ 料理編」でご紹介しますね。

▷レポート後編はこちら

編集部:ワタナベ

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