蚤の市や九州みやげ365でもオリジナルの番茶ブレンドティを紹介させていただいた番茶のふりゅうさん。今回は、番茶の奥深い世界とさまざまな楽しみ方を教えていただくべく、新年最初のテーマにぴったりな「番茶バー」をご主人の池松さんと穴バーを開くことになりました。
1夜限りの「ふりゅうさんと番茶バー」はじまります!
【本日の穴バー】
19:00 「ふりゅうさんと番茶バー」開店
20:00 番茶トーク1
21:00 番茶トーク2
22:00 番茶バー閉店
着々と穴バーの開店準備が始まる会場の一角になんとも素敵なカウンターがあります。そう、実は編集部近くの店じまいをした酒屋さんから譲り受けた角打ちカウンターの一枚板なのです! 使い込まれた板は味があってかっこいい。今年の穴バーはこの一枚板とともに、みなさまをお迎えします。
20時をまわると、穴バーでは毎回おきまりのプレゼンテーションがはじまります。今回は池松さんによる「番茶トーク」です。
池松さんの番茶との出会い、番茶のお店を始めた理由、「そもそも番茶とはなに?」という基礎知識から、紹介したい番茶たちのことまで、さまざまな番茶の話が飛び出しました。
生活に合わせて番茶を取り入れる
例えば、九州みやげ365でもご紹介した「レモングラスほうじ茶」は現代の食卓に合うようにブレンドした商品です。ラーメンやカレーなど脂っこい食事や辛いものによく合うよう佐賀産のレモングラスが番茶にブレンドされています。すっきりした味わいとほのかに香るレモングラスの爽やかさが、なるほど食事中でも飲みやすいのです。モダンな番茶はスウィーツにも合いそうですよ。
気になるお茶の選び方。
普段飲んでいるお茶をみなさんはどんな風に選んでいますか?
池松さん曰く、「うちの店で買っていただけるのが一番いいです! と、言いたいところですが、お茶屋さんで購入するのが一番です」とのこと。スーパーやコンビニにも置いていますが、情報が少なく、好みのお茶を見つけるのは難しいですよね。高級なものでなくても、お茶の専門店であれば、お店の方に相談しながら、好みを見つけてみてはいかがでしょうか。
そもそも番茶とは?
番茶とひとことで言っても、実はさまざまな味わい方や製法があるようです。
池松さんが教えてくださった基本は「二番茶、三番茶のことです。初摘みでなく、夏から秋にかけて成長した少し固くなったお茶の事」だそう。
新芽が終わっても、お茶の木には夏でも冬でも収穫できる葉が育ちます。新芽に比べだんだん固くなっていくそのお茶を、余さず使って作られるお茶を「番茶」と言うのだそうです。
「番」という言葉には、「普段使い、日常使い」という意味があり、番茶は「普段飲むお茶」の事を指します。
さらに池松さんは続けます。
「本来、番茶は嗜好品ではなく、“必需品”でした」。生産者自身がまずは味を見極め、育てるというのが一般的なイメージですが、ある地域では、生産された地域ではなく他地域の村人の暮らしや健康を支えるものとしてつくられる「番茶」もあるそう。碁石茶という番茶は特に保存がきくため、そのまま飲んだり、茶粥にしたりという方法で漁師が船の上で飲んでいたといいます。
池松さんは古くから残る番茶の歴史や新しい味を求めて各地をまわり、出会い、そして広めていこうとされています。
「碁石茶」は番茶界のゼットン!
ここで池松さんがぜひ試していただきたいという、「碁石茶」が登場します。
池松さん曰く、「碁石茶」は番茶界のゼットン… 強そうですね。
古くから特別な製法で作られている碁石茶。
産地は、高知県の大豊町の山深く、国道添いから小道に入り、30〜40分車で走り進むと小さな集落が現れます。このような地域で碁石茶は生産されています。
お茶を摘むのではなく枝ごと刈り取り、時間をかけて蒸し、菌のすむ筵(むしろ)で熟成させ乳酸発酵したお茶です。茶葉を干す様子が碁盤の目に似ていることからその名がついたそう。
「今では生産する農家も少なく、珍しいお茶なんですよ。」
一時期は生産者が一人になった幻のお茶と言われています。今では地域で組合つくり、伝統ある碁石茶を守っているそう。
それにしても、木ごと刈り取るとは思い切った製法ですね。
おいしい、おもしろい、珍しいと感じるお茶を集めて、たくさんの人に知ってもらいたいと番茶を広める活動をされている池松さん。この冬新登場した「お茶漬けのための番茶」や「ミルクティに合う番茶」など、ユニークなオリジナル商品の開発にも力を入れてらっしゃいます。これからどんな新感覚の番茶が登場するのでしょうか。楽しみです。
池松さんが好きなお茶とともにある「のんびりとした時間」が穴バーにも流れていました。
後半は、池松さんが普段お店で使っている茶器のこと、そして今回穴バーで登場した番茶を使ったお料理のことをご紹介します!
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(編集部 ワタナベ)