穴バーレポート ACTIVITY

料理上手は塩上手!食材を美味しくする偉大な塩の力をご覧あれ


私たちが毎日口にしている素材「塩」。しょっぱさを加えたり、甘みを引き出したり、漬け物のように塩に漬けることで食材の保存がきくようにしたり、さまざまな場面で塩を使っています。

2月にアナバナが開店した塩炊きバーでは、ゲストの黒江学さんが作る錦江湾生まれの塩を主役に、塩を味わえるさまざまなお料理をお出ししました。料理を考えてくださったのは、「Food Carnival」の屋号で活動するSHIMAさんとノザワエミさん。今回は当日のお料理を振り返りながら、塩の役割についてご紹介します。

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ゲストの黒江さんをはさんで、左がSHIMAさん、右がエミさん。塩炊きバーを盛り上げてくださいました

▽前回の記事はこちら
1塩5役?海から生まれた塩は食卓でも洗面台でもお風呂場でも活躍する暮らしの影の立役者
▽ゲストの黒江さんについてはこちら
一度会うと忘れられない塩男 黒江さんがハデハデなワケと福岡で始まる新しい塩づくり

 

塩の味の決め手はどこにある?

そもそも、塩の味の決め手は何なのでしょう?
味の感じ方に大きく関係しているのは、粒の大きさと形です。粒が大きいものは口の中で少しずつ溶けるためまろやかに感じ、小さなものは素早く溶けるため塩の味を強く感じます。粒の形は製造方法によってさまざまな違いが出るのですが、形が複雑で表面積が大きいものほど強く塩味を感じるのだとか。

にがりやミネラルの量でも味は変わりますが、好みの塩を探すときには、粒の形を見ることで少し理想に近づけるかもしれません。

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塩炊きバーでは黒江さんのお塩そのものの味を感じていただくべく、まずはシンプルにお野菜につけて味わっていただきました

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「黒江さんのお塩ってパンチがあるのにまろやかさもあって、他のお塩ではあまり感じたことのない味わいでした」とSHIMAさん。お料理が出るたびに、厨房から1品ずつお料理の説明をしてくださいました

ガツンと塩っけがあるのにまろやかさを感じる黒江さんの塩は、粒の形が大きく表面積が大きい形をしているからのよう。黒江さんの塩と同じ平釜製法でできた塩は、まろやかで食材にも混ざりやすいため、おにぎりや焼き魚、肉料理などに幅広く合うのですって。

黒江さんのお塩そのものを味わえる料理って、何かしら?と考えた時、Food Carnivalのお二人が提案してくださったのは「扁炉(ピェンロー)鍋」という中国のお料理です。調味料はごま油だけを使い、干し椎茸の出汁で肉と野菜を煮込んだ鍋にに、お好みで塩を足して味を調整します。椎茸や野菜の旨味がしみでたお出汁は、塩を入れるとキュッと味が引き締まったような印象に。ひとつまみでこんなに料理の印象が変わるのだなと、塩の存在を強く感じる一品でした。

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こちらが「扁炉(ピェンロー)鍋」。当日会場で炊いたお塩を使い、一人一人が好みの塩加減でいただきました

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お塩といえば、な「塩むすび」も登場。中には美味しくてついぺろりと食べてしまい、「もう1こ余ってませんか?」とおかわりを希望されるお客さまも。ちょうどいい塩加減で美味しかったなあ〜

 

水分を吸い出す塩の力で
食材が美味しくなる

塩炊きバーには、塩を”ふりかける”だけでなく、お塩で”漬け”た料理も登場しました。メイン料理の「塩豚」は、塩をまぶして一晩寝かせ、ゆっくりと火を通した一品。ドイツ発祥のキャベツの漬け物「ザワークラウト」も添えられています。ザワークラウトはキャベツに塩をかけて漬けた発酵料理です。

塩豚もザワークラウトも、塩が持つ「水分を吸い出す作用」を活かしたもの。水分が抜けることでお肉や野菜の旨味がぎゅっと濃縮し、日持ちするようになります。漬け物の塩って素材に塩味を足すだけでなく、旨味も引き出してくれているのですね。素材を長く楽しみたいときや量がたくさんあるときには、塩を使うことでうまく長持ちさせることができそうです。

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彩り豊かな野菜が添えられた「塩豚」。ザワークラウトは紫キャベツで作ると彩りがさらに綺麗になるのでおすすめだそう

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黒江さんが目の前で焼いてくださった「塩せんべい」を添え、豆のカレーをベースに塩のみで味付けした「塩カレー」も登場しました

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カレーを食べたあとは甘いものが欲しくなる!ということで、バニラアイスの上に塩とオリーブオイル、塩漬けにしたトマトをのせた「塩アイス」もいただきました。塩のしょっぱさで甘みが際立ちます

私たちが口にするお料理は、塩の偉大な力によって美味しくなっていたことをあらためて発見しました。料理に欠かせない塩だからこそ、いつもと違う塩を使ってみれば、その都度違いを感じることができるはずです。

旅行先でご当地の塩を手に取って、いつもの塩と食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。好みの塩を探したり、塩と食材の好きな組合せを探したりして、ぜひお塩を楽しんでみてくださいね。

■黒江さんのお塩を食べてみたいと言う方は、ぜひ黒江さんのFacebookにご連絡を!

(文:編集部 天野加奈、写真:末次優太)

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