穴バーレポート ACTIVITY

一度会うと忘れられない塩男 黒江さんがハデハデなワケと福岡で始まる新しい塩づくり


「黒江」と書かれたカラフルTシャツに「塩」ハチマキ、缶バッジじゃらづけの帽子、西郷どんのようなお顔と陽気な鹿児島弁・・・。
一度見ると絶対に忘れられそうにないこちらのお方は、鹿児島県姶良市で塩づくりを営む「スタディーカンパニー押(おさえ)」黒江学さんです。アナバナでは黒江さんをゲストにお招きして、塩トークとお料理が楽しめる「塩炊きバー」を開店しました。

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これが黒江さんの正装である

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満面の笑顔で塩せんべいを焼いてくれる黒江さん。ちなみにTシャツは特注(1万円)するらしい

全身のあらゆるところが会話のタネになりそうな黒江さんですが、これも策略なのか!?黒江さんがハデハデなのは何でなの?どうして塩を作ってるの?などなど、今日は謎多き男 黒江さんについて掘り起こします!

■お塩について知りたい方はこちら

 

塩を通して誰かと食卓を囲む楽しさを伝えたい

黒江さんは鹿児島県姶良市のご出身。地元に塩炊き釜をつくり、汲んできた錦江湾の海水を使って塩づくりをされています。まず気になるのは、なぜ塩を作るようになったのかということです。

「うちのお母さんのおばあちゃんがですね、奄美大島で塩づくりをしてたんですよ。その思い出話をお母さんがしてくれたのがきっかけです」

お母さまと一緒に塩づくりができればと思い立った黒江さんですが、その夢が実現する前にお母さまが他界されます。自分の作った塩をお母さまには食べてもらうことができなかった。その悔しさをバネに、「母ともっと塩の話や昔話をしたかったんです。でもできなかったので、みなさんには私のお塩で家族や大切な人と、ああでもないこうでもないという会話をしてほしいなと思っています」と力強くお話してくださいました。

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塩炊きバーでは、海水からどう塩ができるのかを実演しながら教えてくださいました

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炊いたお塩はその場で試食。感想をみんなで共有します

塩づくりだけでなく、工房見学や子ども向けの塩づくりワークショップなどもされている黒江さん。そうした活動や『大切な人と大切な時間に使う塩』という黒江さんの塩のコンセプトも、お母さまへの思いを大切にしたい、たくさんの方とも共有したいという気持ちがこもっているからこそ。
私が初めて黒江さんにお会いした時にも、「鹿児島にこんな塩づくりをしてる人がいてさ、すごい派手な格好でめちゃくちゃ面白くて、塩も美味しかったんよー!」と、いろいろな人に話したのを思い出しました。

塩炊きバーの会場設営中「これでお客さんがなにかツッコんでくれるでしょ」と、会話のタネになる小道具をところどころにしかける黒江さんのお茶目な工夫も、これをきっかけに会話をたくさんしてほしいという思いからきているのだなと思うとなんだかホッコリします。

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小道具その1、黒江さんが持ってきてくれた桜島の手づくり模型。海に漂流していた発泡スチロールを拾って作ったのだとか

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小道具その2、「お塩は地球の神秘」ということも伝えられる地球儀のビーチボール

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トークも自前のホワイトボードを使って、お客さんと対話をしながら会場を盛り上げてくださいました

 

福岡でも黒江さんの塩づくりがはじまる!


実は黒江さん、現在鹿児島だけでなく、福岡は福津市の恋の浦海岸の海水でもお塩を作られています。
運が変わったり良い事があったりした時には、そのお礼にご縁のある神社へ塩を納めているという黒江さん。同市・宮地獄神社の宮司さんに塩を作らせてほしいとアプローチしたのだそう。すると宮司さんから地元の海水を使った塩を使いたいとの声を受け、神社近くの恋の浦海岸の海水を使って、清めのお塩を作ることになったと言います。

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海水汲みの現場にもお邪魔させていただきました。海水を汲む前、宮地獄神社にてお参りをする黒江さん

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海水を汲む前は、手を合わせて海にお祈りをされていました

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透き通る海水を手作業で汲んでいきます

現在は恋の浦海岸の海水を汲んでは鹿児島の釜で炊き、少しずつ恋の浦海岸の塩を製作中です。3月以降には福津にも工房を設け、本格的な塩づくりがはじまります。福岡の海水を使った黒江さんのお塩が味わえるようになるなんて、ファンとしてはとても嬉しいこと。

ほかにも、柳川の有明海の塩を作って、有明海苔と一緒におむすびを作ろうというイベントも計画中だとか。「海はつながっていますからね、福岡・佐賀・長崎・熊本の4県で有明海を盛り上げたいです!」と黒江さん。

「一緒に何かやりたい」と思わせられる明るくて遊び心溢れる黒江さんのまわりでは、続々と面白い取組みが生まれていきそう。アナバナでも何が一緒にできるだろうかと、妄想ふくらむ夜でした。

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塩炊きバーには満員の50人のお客さまが集まってくださいました。お越しいただいたみなさまありがとうございました!

■黒江さんのお塩を食べてみたいと言う方は、ぜひ黒江さんのFacebookにご連絡を!

次回の記事では、「Food Carnival」のお二人に作っていただいた塩料理についてご紹介します。


(文:編集部 天野加奈、写真:末次優太)

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