2月の穴バー「4種のネギとイタリアンの会」は、編集部で昨年4月の種まきから追っかけ取材を行ってきた、糸島市「寺本ダーウィン農園」寺本洋平さんをゲストに迎えました。
猛暑と長雨を乗り越え、ようやく旬を迎えたネギのお披露目です。満員御礼でにぎわった当日の様子を、前編・後編に分けてお届けします!
ヨウショウ、コンパニオン、ピラミッド?
ネギーワードのおさらいと初めてのトロトロ体験
ネギ料理にネギトークにネギ販売にと、とにかくネギづくしだった今回の穴バー。まずはみなさんで乾杯を、とグラスを持つのがいつもの流れですが、今回は乾杯もネギ仕様の「ネギパイ」です。
実は寺本さんが「料理の前にぜひ味わってほしい」というのが、ネギの緑色の部分に入っている「トロトロ」なるもの。新鮮なネギの葉だからこそ味わえるトロトロをまずは体験し、そのネギを手に乾杯です!
あまりに身近な野菜だけに、ネギには意外と知らない豆知識がたくさんありました。
まずはネギを表すキーワード「ネギーワード」を入り口に、寺本さんにネギのあれこれを教えていただきます。準備した9つのネギーワードの中から、まずお客さまに選んでいただいたのは「ヨウショウ」と「コンパニオン」です。
ネギの白い部分は根っこではなく「葉鞘(ようしょう)」と呼ばれる葉の一部であること、ネギはナスやきゅうりなど違う種類の野菜と一緒に植えることで、その野菜の病気や害虫を抑える「コンパニオンプランツ」であることを教えてくださいました。
明日からスーパーでネギを見るたび、「実はネギってね、」と、誰かにうんちくを披露したくなりそうだ〜
「野菜は嫌いで、自分のことを肉食動物だと思っていた」
寺本さんが農家になった道のりとこれから
寺本さんは、8年前に糸島市へ移住されました。会社員を辞め、農家に転身、独立してからは今年で5年目という若手農家です。生き物が大好きで、生き物と常にふれあえる環境を考えた末に農業の道へ辿り着いたそうですが、なんと野菜に関しては大嫌いだったとのこと。その中でも唯一食べられたのがネギだったそうです。
さらに面白いことに、周りの方には農業をすぐやめるだろうと言われていたとか。
「今僕は農業が8年続いてるんすけど、その前は2年以上続いてた職がひとつもなくて、40社ぐらいを転々としてました」
まさになるべくしてなった職業なのだろうなあ。今後の展望をお聞きすると、畑の周りにある耕作放棄地を、生き物が集まるビオトープにしたいと答えてくれました。
生き物好きの寺本さんらしい方法で、糸島の里山がさらに豊かに変化していく様子を、これからも追っていきたいと思います。
レポート後編では、寺本さんのネギが主役になったイタリアンのお料理を余すところなくご紹介します!
(編集部 天野)