穴バーレポート ACTIVITY

うきはの麺の歴史を支える情熱的な麺職人「長尾製麺」の長尾さんが麺づくりを語る夜[11月穴バーレポート前編]


2017年最後の穴バーは、福岡県うきは市から「長尾製麺」の長尾洋一さんとうきは市の堤絵理子さんをお迎えして、「うきはの麺めぐりバー」を開店しました!

実は「九州の三大麺どころ」と呼ばれているうきは市。今回はうきは市で製麺所を営むゲスト・長尾さんの、麺づくりにかける情熱をレポートでお届けします。

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ゲストの長尾さん、堤さん

 

350年前から続く
うきはと麺の深い関係

福岡県の南東部、筑後川と耳納連山に挟まれたうきは市は、豊かな自然と歴史的な魅力のある人気のお出かけスポット。豊富なフルーツや吉井町の白壁通りのイメージが強い方は、今回のテーマを目にして「うきはが麺どころ?」と驚かれるかもしれません。
私も初めはびっくりでしたが、筑後平野と美しい水に恵まれたうきは市では、およそ350年も前から麦・麺づくりがさかんに行われています。

意外に知られていないのですが、福岡県の小麦の生産量は北海道に続く第2位で、うきは市はその生産量を支える一大産地なのですって。

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まずは堤さんに、うきは市のご紹介をしていただきました。市内にある5つの製麺所もくまなく巡られているとのこと、なんと羨ましい!

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会場では各製麺所から集めた麺を展示・販売。見た目もかわいらしいのです

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会場には麺好きさんが集まってくださいました。いよいよ長尾さんの熱いトークがはじまります

「長尾製麺」では、およそ200年以上前から麺を作り続けています。堤さんからマイクを受け取った長尾さん、「うきはの麺の歴史を語るうえで大事なことを!」と、まずは素麺の呼び方の歴史を教えてくださいました。

長尾さんの祖父や曽祖父は、素麺のことを「おそうめん」と呼んでいて、これは素麺が、飢饉のときに命をつないでくれた食材だったからなのだそう。
今でもうきは市では、お盆になると仏壇に素麺をお供えしているほど、ありがたい食材とされているのだそうです。素麺の呼び方ひとつでこんなにも背景が知れるなんて、うきはの麺の歴史はなんと奥深いこと。

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「日本の命がそうめんでつながれてきたんだと、食べるときに思い出してくれれば」と長尾さん。そんな歴史を背に、誇りと責任を持って素麺を作られているのだろうなあ

 

日本一情熱的な麺職人長尾さんが
うきはの麺の長い歴史を支える

長尾さんは、麺づくりへの情熱が非常に熱いお方。アイデア溢れるそのお姿は、頑固で寡黙な職人気質という感じは全くない、ユーモア溢れるクリエイターというにふさわしい感じがします。

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「おもしろくしゃべらないとさ!」と冗談をはさむ長尾さんのおかげで、会場は終始笑いにつつまれます

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長尾さんが開発した袋ラーメン「ラーメン仮面」は、実は登場人物が他にもいるのだとか!その設定やストーリーも絵に描きながら教えてくださいました

長尾さんの溢れる情熱が形になっているものがもうひとつ、週末限定でひらくうどん屋「井戸」です。自身の思う理想の麺を突き詰めようとはじめた井戸は、その名前にも強い思いがありました。

「”井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る”っていう一句が気に入ってつけたんです。たくさん量や種類は作らないけれど、1つのことを突き詰めたいなと。井戸も掘って行けば反対側のブラジルに行けるように、一杯のうどんと一杯の素麺を極めて日本一にすれば、有名になれんじゃないかなって。そういう気持ちではじめた私の挑戦です」

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長尾さんの熱いトークにみなさま箸をとめて聞き入っておりました

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こちらが「井戸」。日曜の12〜15時に開店しています

うきはの麺の長い歴史は、長尾さんのように情熱的な作り手さんの手によって今までがあり、これからも続いていくのだろうなあ。福岡から1時間半車を走らせれば、その情熱と歴史にふれられるなんて嬉しいですね。

レポート後編では、長尾製麺の看板商品「吉井素麺」のゆで方のコツと、簡単なのに本格風にできるめんつゆの作り方もご紹介します。こちらも楽しみにしていてくださいね!

(編集部 天野)

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