穴バーレポート ACTIVITY

情熱と博多愛から生まれたあき津”流明太子。奥深い明太子ワールドに浸る夜[満員御礼8月の穴バーレポート前編]


8月の穴バーは博多辛子明太子専門店「あき津”(づ)」の安田樹生さん・佳代さんをゲストに、明太子バーを開店しました。博多を代表する食材がテーマとあってか、会場は満員。50人の明太子好きさんと一緒に、今日はあき津”さんの明太子を味わいつくします!

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おいしそう、そして美しい!立派な真子を使ったあき津”さんの明太子です

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会場は明太子好きのお客さまでいっぱい。「明太子は苦手だったけどこれなら食べられる!」と苦手を克服された方もいらっしゃいました。そうそう、あき津”さんの明太子は明太子特有の臭みも刺激的な辛さもあまり感じられないのですよ


材料は7つだけ!
驚くほどシンプルにつくられるあき津”さん流明太子

あき津”さんの明太子は、口に入れると真子に染み込んだ出汁の味がじわりと広がります。
そのおいしさは厳選した材料を使って丁寧に出汁をひき、1週間じっくりと真子を漬込んでいるから。この明太子を3年ほどかけて開発した樹生さんのお話でまず驚くのは、材料と作り方のなんとシンプルさです。

出汁は鹿児島枕崎市の鰹節と利尻の昆布。調味液は八女市の喜多屋の酒みりん、大分の醤油、久留米市の酒と国産唐辛子のみ。すべて無添加の材料で作られています。樹生さんいわく、「一般的な明太子はすでに材料の混ぜられた既成の調味液に、たらこを漬けて作られるのがほとんど」なのだそう。日本料理のように丁寧に出汁をとって作るのは、あき津”さんならではの方法なのです。この手間ひまのおかげでこんなにおいしい明太子が食べられるなんてありがたや、ありがたや。

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こちらが樹生さん。娘の佳代さんと一緒に日々明太子をつくられています

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明太子づくりの行程をひとつずつパネルでご紹介した会場は明太子ミュージアムのようになりました


郷土愛が高じて明太子職人へ
競合ひしめく明太子業界のライバルは?

食べるのも作るのも好きという樹生さん。明太子には厳しく、「私に言わせるとおいしい明太がないもんですから、じゃあ作ろうと研究をはじめたのが十数年前です」とのこと。

会社を辞めて、初めて食品業界に入り込み、和食の料理店を開店させた樹生さん。3年ほど明太子の研究を重ねて、ついに明太子屋をはじめます。一体何者なんだ、樹生さん!明太子に対するただならぬ情熱を感じます。

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同じ作り方をしている人がいないため、全部独学で作られたのですって。恐るべし樹生さんの明太子愛

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会場からも「おお〜」「ええーっ」と言葉がもれます

ところで、福岡県の明太子メーカーは、大小合わせて300を越えるそう。ライバルはたくさんいらっしゃるんではないですか? と質問すると、「明太子はライバルではないんです。目指すところは博多の食品の文化をいいものにしていくこと」と樹生さん。明太子に対する情熱はもちろんのこと、博多への郷土愛もひしひしと感じられるご回答でした。

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お客さまが想像された明太子メーカーさんの数は「50ほど」。私もそのくらいかと思っていて、実際の数の多さにびっくり!

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みなさま真剣にお話を聞いていらっしゃいました

今回のトークでは、普段はあまり語られない明太子の添加物の問題についても触れていただきました。「安心して食べられ、博多名物として自信をもって勧められるような無添加明太子をつくっていく」と、樹生さんは熱心に語ってくださいました。「高いものでなくていいから、いいものを選んで食生活をおくってください」という言葉がじんわりと響きます。

あき津”さんの明太子は、福岡であれば天神の『博多大丸』の地下と福岡空港、『福岡三越』の北野エースでも購入することができます。ぜひお試しください。

レポート後編では、高級明太子と日本酒をかけて多いに盛り上がった明太子クイズの様子と、料理人大和田宏さんによる驚きの明太子料理をご紹介します!

▷レポート後編はこちら

(編集部 天野)

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