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うきはの山のごちそうバーでは、ひめはるの農家民宿「馬場」の代表・大力さんご夫妻と、囲炉裏カフェ「里楽」の林さんご夫妻によるごちそうが振る舞われました。さらに、うきはで唯一の酒蔵「いそのさわ」さんが、お料理にぴったりのお酒も登場するという、まさにごちそうたっぷりの会になりました。後編では、そのすべてを余すことなくご紹介します!
まずは民宿「馬場」さんより
四方竹ごはん
その名の通り、断面が四角のタケノコ「四方竹」を使った炊き込みごはんです。普通のタケノコの旬は春ですが、四方竹の旬は秋。収穫後はすぐにいたんでしまうので、なかなか外には出回らない貴重な食材です。「冷めても美味しい!」「こんな美味しいごはん初めて!」という感動の声も聞こえてきました。
うきはのお野菜の煮物
在来種の流川蓮根をはじめ、人参、椎茸、里芋、ごぼう、そして手づくりのこんにゃくまで、すべてうきはで穫れたお野菜です。ひとつひとつの素材の味が、からだにしみわたります。
真珠豆のチリコンカン
在来種の真珠豆に、黒大豆、赤大豆、大豆を使用。ちょっとスパイシーな大人の味です。「名前も味も見た目もインパクトがあった!」と、こちらも大好評。
ちなみに、民宿馬場のお料理に使われている竹の器はすべて、今回の穴バーのために大力さんが山の中から切り出して作ってくださったもの! アナバナ編集部も、先日手伝いに行って参りました。
(その時の記事はこちら)
続いて、里楽の林さんが作ってくださった品々をご紹介。
猪汁
臭みのない肉団子は、“猪鹿蝶(いのしかちょう)”ならぬ“猪鹿鳥”の合い挽き。お汁の出汁にはなんと猪の骨を使用!会場からは「イノシシってクセがあると思っていたけど、まったく臭くなくて食べやすい」という声もありました。
田楽
猪肉、ネギ、揚げ豆腐、里芋を、炭火で丁寧に炙っていただきます。素材も上質ですが、添えられたゆず味噌がまた美味しかった…。ちなみに猪肉には、秘伝のタレを染み込ませてあります。「リピートしちゃいました」という方がおられるほどの人気。
そしてデザートには
民宿名物の馬場だんごに、里楽のプリンをあわせた豪華な一皿。さつまいもを包んだ生地を茹でたあとに焼くことで“がわ”がパリっと仕上がります。またうきは産たまごと牛乳を使用したプリンは、さっぱりしていながらも濃厚な風味。自家製のラズベリーソースをかけました。
そして今回の名脇役となったのが、酒蔵いそのさわさんがうきはから持ってきてくださったお酒!
純米酒の「駿」と「磯乃澤」は、かっぽ酒として提供いただきました!「駿は人肌、磯乃澤は熱いのがいいとよ〜」と、お酒の旨さを引き出すためには温度も大切なのですね。勉強になります。かっぽ酒で使った徳利とお猪口も、もちろんこの日のために大力さんが切り出してきたもの。竹の香りが相まって、ぐいぐい酒が進みます。
そして最後に、出口では林さんお手製のかりんとうが、お帰りの方々にお土産として手渡されました。
うきはのなかでも山の奥に位置し、より自然が豊かなひめはる。普段はなかなか知ることのできないひめはる事情や、口にすることのできない貴重な食材を、思う存分満喫できました。
この夜が終わってみて思い浮かぶのは、大力さんの「1回会えばお友だち。10回会えばみな家族」という言葉。ああそうか、ひめはるの魅力とは、山の幸だけではなく“人の幸”でもあるのだなあとしみじみ感じます。
少しでもひめはるが気になったみなさん、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
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(堀尾真理)