穴バーレポート ACTIVITY

博多三徳3代目江美子さんのゆる〜い解体ショーと毎日とりたいおだしの話[11月の穴バー]レポート前編

11月の穴バーは、博多三徳3代目上田江美子さんをお迎えしての「はかたの鮮魚バー」を開店しました。

博多区対馬小路(つましょうじ)で57年続く老舗の海産物卸問屋博多三徳さんの3代目として奮闘中という江美子さん。今夜の穴バーでは、博多三徳で扱う博多の美味しい魚を味わうのはもちろん、2人のお子さんを持つお母さんでもある江美子さんらしい、手づくりの食卓への想いを探りました。

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江美子さんが手にしているのは美しい色の歯鰹。博多三徳さんでは、こうした旬のお魚をはじめとする海産物を加工品を中心に取り扱っています

 まずは皆さんお目当ての(!?)江美子さんによる鮮魚の解体ショーで穴バーがはじまります!

今朝水揚げされたばかりの歯鰹を使って、江美子さんが目の前でさばいてくださいました。

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包丁を入れると鰹からたくさんの血が。これはお魚が新鮮な証なんだそうですよ

 「解体ショーの写真はFacebookにあげないでください、モザイクがいります!」と冗談を交えたトークからはじまった江美子さんの解体ショー。お店では主にお魚の加工をしているため、今日使ったような大きな包丁では普段はあまりさばかないんだそう。
嫌な予感がする~と不器用な一面もちらりと覗かせながらも、着々とさばいていく可愛らしい江美子さんを、会場のみなさんなごやかムードで見守ります。

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三枚おろしにしたあとはそぎ切りに。

無事に三枚おろしが出来上がると会場からはあたたかい拍手が!おろしたばかりの歯鰹はもちろん、漬け丼としてふるまわれました!
江美子さんとお母様が作られた今日の料理には、新鮮なお魚はもちろん、博多三徳で取り扱っている大きな羅臼昆布(北海道産)でとったおだしが使われているそうです。

誰にでもできると思ってもらいたい!

ところで、おだしをとるのって大変だと思ったことはありませんか?
煮干しを一晩つけたり、使う前に少し煎ったり、沸騰直前に取り出したり。そもそもどれが正解なのか、自分のやり方が合っているのか、不安な方は少なくないのではないでしょうか。

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穴バーのお土産には、煮干しの選び方とおだしのとり方レシピをご用意

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スライドを使いながら、江美子さんの熱い想いを存分に語ってくれました

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後ろの方までお客さんでいっぱいの会場。江美子さんのトークを楽しみに来られた方もいらっしゃいました

煮干しには黒くて青っぽい色をした青口煮干しと、きれいな銀色をした白口煮干しの2種類があるそう。今日のお土産になっている白口煮干しの場合、頭もお腹もとらずそのままお鍋の水に入れ、15分くらいで沸騰させた後取り出すだけでいいんだとか。思っていたよりすごく簡単です!


私たちが今使うものは次の世代に何を残していくかということにつながる

意外と知らないおだしのあれこれを、料理を作りながら知ることができる。そんなおだし教室を3年前に始められた江美子さんですが、「やっていて感じたのが、おだしってハードルがすごく高いんだなということ」。何度も来てもらうような教室ではなく、一度参加すればあとは自分でできるようになるおだし教室をしたいとの想いで続けられています。

そんな江美子さんですが、実は7年前に働き始めるまで、実家でこんなに素晴らしい品質の海産物を扱っていたということに気づいていなかったと言います。自分で自分の子どもの食事を作るようになってあらためて、今まで親しんできたおだしの素晴らしさに気づいた江美子さん。手伝いを始めた当初は、お客様の年齢層も高く、お店の将来に不安を抱くこともあったそう。博多三徳を次の世代にも残していきたいと3代目になる決心をし、父親に直談判したという男前な一面も見せてくださいました。

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江美子さんが手にしているのはおだしに使う羅臼昆布。カットされていないのは、昆布の品質がいい証拠なんだそうです

「きちんとつくられたものって本当においしいけど、そういうものを取り扱っているお店は意外に少ない」と江美子さん。おだし教室を始められたのも、本当に美味しい海産物を身近に感じてもらいたいという想いがあったからなんですね。

実は江美子さん、料理もしたくないくらい病的なめんどくさがりらしい(ほんとに?!)ですが、こんな私でもちゃんとおだしをとれてるし魚もさばけるのでと笑っていました。たまには顆粒だしで楽をしてもいいので、ハードルを高く感じず本当に美味しいものの味を知ってほしいとのこと。
そんな江美子さんに私も刺激されて、明日の朝ご飯はお魚とおだしをとったお味噌汁にしようと決めた穴バーでした!

 江美子さんのブログには美味しそうな朝ご飯とレシピがたくさんアップされていますよ。ぜひご覧になられてください。
レポート後編では、歯鰹のづけ丼にはじまる博多の鮮魚を使った料理と、江美子さんが開催している博多朝マルシェをご紹介します。

▷レポート後編はこちら

(編集部/天野)

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