やました農園

【やました農園日記02】収穫のないこの季節、いちご農家は何をしている?

【やました農園日記02】収穫のないこの季節、いちご農家は何をしている?

うれしい!やっぱり収穫はうれしい!!腰痛いしキツイけど、うれしい~~~

やました農園でも、いちご農家らしい収穫の喜びをちょっとだけ味わってます。子苗をとるための「親株」に、数は少ないけどいちごがなっているんですね。本来「親株」には実をつけさせないので、おまけ!とはいってもこれが、今シーズンの収穫のすべてで、草で土作りした畑で育った初めてのいちご。中間テストってとこですかねー

最初にいちごの味見をしたのは鳥さん。

「明日あたり収穫かな~」とウキウキしてると確実に先を越される。お見事。 しかたないかぁとあきらめてたら、赤いいちごを残してくれるように… だんだん数が増えてきて食べきれなくなったんですねー。あと飽きたのかも。ラッキー!

で、熟したいちごの味は…… 粒によってだいぶ違うような。。。雨の後や収穫のタイミングでも味のブレが大きいように思えますね。まだまだ課題いっぱいです。

それにしても、ありがたいことに親株は元気に育ってくれています。「草を入れて土ごと発酵!」を目指した土作り。じっくり発酵の時間が取れなかったことや植えるのが遅かったこと、マルチもせずに冬を過ごさせてしまったこと、数々の不手際をものともせずに、病気にも虫にも負けないでくれています。


ばっくり!この食べっぷりは、むしろ気持ちいい。

それらしい写真を撮ってみました。やり過ぎかな。

さて、収穫のないこれからの季節、いちご農家は何をしてるんでしょう。

いちご栽培には、スッコ~ンと休める農閑期がありません。それどころか、まだ収穫が終わらない時期に次のシーズンの苗を育てる準備が始まったりして、大わらわ。うちではタイミングよくできたことないなぁ。

「いちご農家は1年に13ヶ月働くといわれるぐらいキツい。歳をとったら腰が曲がって、体がボロボロになる。やめた方がいいですよ」とは、これからいちご農家になろうという時に、お役所の方に頂いた、ありがたいアドバイス。ですが、いちご農家でお米も麦も作ってる方は少なくないんですよ。諸々の条件が整えば、そんな選択もできるんですね。代々続く農家の底力には、頭が下がることばかりです。

いちごは「ランナー」というツルで増えていきます。種じゃないんですよ、苗を増やすのはもっぱら「ランナー」から。この「ランナー」に、小さなクビレみたいなのができて、そこに葉っぱが育って、さらにランナーが伸びていってまた小さなクビレに葉っぱ。また伸びて……  と1本のランナーにいくつも子苗が。それを順番に「太郎くん、次郎くん、三郎くん」と呼ぶんです。あ、マナブは「長男、次男、三男…」て呼んでるな~ まあ、やや個人差はあるものの、そんなふうに呼びます。で、兄弟げんかにならないように、太郎くんから順番にポットに植えていくんですね。

今年は1万3000ポットの予定。できるかな~。


真ん中に向かって伸びているのが「太郎くん」たち。もうすぐ「次郎くん、三郎くん」も続きます。

ポットの土詰めも大しごと。専用の枠に縦9コ×横15コのポットをパコパコパコッと並べて、大型スコップでザザ~ッと土を入れていく。で、土が入ったポットをトレイに移し替えて1セット完了。また専用の枠にポットを並べる。並べる。土入れる。トレイに移す。ポット並べる。並べる。これをひとりで黙々と、というのがいつものパターン。

が、今年は手伝ってくれる人を募ることにしました。すでに何度か来てくださっていて、3月には親株周りの草取り、4月には土作りのための草ロールのカット、ハウスへの草入れと、どれも途方もない量の農作業を、応援にきてくれたみなさんが、あれよあれよという間にやってくれました。こ~んなありがたいことが世の中にあるのかと、解散後の畑でしみじみ。去年、ムシの害にぼう然としてた同じ畑で、今年はジ~~~ン。

これから先、私たちがどんなに要領よくなって省力化できたとしても、「人の力」なしには自分たちの農業を続けてはいけないなと痛感。労働力だけのことではないのです。みなさんに手伝ってもらった後は、ハウスの空気が変わっとるやないですか! 草がいっぱい入ったせいなのか、人の思いが入ったおかげなのか? たぶん両方!

それに加えて、私の意識が変わったことも影響大きいような。

おっ! ようやく、やました農園もひと皮むけるのかも~


参加してくださった皆様とパチリ。

夢のようです。ジ~ン。。。

これだけの草をハウスに運んで広げてくれましたー。ねっ、空気ちがうでしょ。

(写真・文/やましたまなみ)

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