「自然栽培の稲作を広めたい、そしてそのお米で出来た日本酒を飲んでみたい」。
福岡県宗像市の米農家、農業福島園・福島光志(ひとし)さんの思いからはじまったのが、「宗像日本酒プロジェクト」です。農薬、化学肥料不使用の米作りに取り組む福島さんを中心に、自然栽培の酒米でできた日本酒づくりに取り組む様子を「皿の上の九州」でもご紹介しました。
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プロジェクトの発起人である農業福島園・福島光志さん
そんなプロジェクトにさらなる風を起こすべく、クラウドファンディングで支援を募ったのが2019年晩秋のこと。結果、60名近い方からの支援があり、プロジェクトに勢いをつけました。今回お邪魔したのは、クラウドファンディングで支援してくれた方へのお礼の食事会。支援者のファミリーはもちろん、これまでプロジェクトを応援してくれた地元農家や酒販店の皆さんもそろい、福島園でにぎやかに開催されました。
はじめに新ロゴマークを発表!
福島さんの挨拶から始まり、プロジェクトの概要を改めてお話しいただいた後は、プロジェクトのプロデューサーを務める谷口竜平さんから新たなロゴマークが発表されました。ロゴマークは、宗像(ムナカタ)の「ム」から発想を膨らまし、それぞれ米農家・酒蔵・酒販店の三者を表すほか、売り手良し・買い手良し・世の中良しの「三方良し」を表現。プロジェクトを助けてくれた人たちとの繋がりや想いを原動力にしていきたいとの意気込みが感じられます。
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良い関係を循環させ、新しい風を吹かせるべく回り続ける風車をイメージしたロゴマーク
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2019年に販売された日本酒を持つ、プロデューサーを務める谷口竜平さん
いよいよ実食!エネルギーあふれるその味に大人も子どもも夢中
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福岡県酒類鑑評会金賞で2年連続金賞を受賞した日本酒に期待は高まる
プロジェクトの紹介後は、お待ちかねの食事会です。実は紹介の最中も、お米が蒸されるほんのり甘い香りが漂っていた会場。お酒の試飲はもちろん、自然栽培米で作るつき立ての餅やおにぎり、甘酒のほか、宗像の野菜がたっぷり入った豚汁などが振る舞われました。
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蒸しあがったばかりの玄米のもち米。立ち込める香りに食欲がそそられます。このあと、玄米餅としていただきます!
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つきたてほやほやの白餅はきなこや大根おろしと一緒に、日本酒と交互に味わう。なんともいえない贅沢な組み合わせ!
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あっという間に完食!すぐにお替わりをもらってご満悦の子どもたち
つきたての餅やおにぎり、甘酒や豚汁はバイキング方式で。みな思い思いに、楽しみます。中には「これが5個目」といいながら、餅を頬張る強者も……。地元農家さんも集まり、隣り合った人同士、初めて会う人でも自然に会話が弾むのは、輪の中心においしいものがあるからこそです。
子どものアトピーがきっかけでたどり着いた自然栽培米
クラウドファンディングで支援された武田さんファミリーは、お子さまがアトピーになり、食生活を気にかけるようになったことがきっかけで、福島園の自然栽培米にたどり着いたそう。お酒を飲む習慣がないものの、「このお米のおいしさを知ってもらいたい、農家さんに頑張ってもらいたい」との思いで、今回の支援につながったんだとか。食卓にはいつも福島さんのお米が並ぶため、子どもたちも福島さんのお米が大好き。お父さんの膝に座って、白いごはんをおかずなしでそのまま頬張る様子から、このお米のおいしさがひしひし伝わります。
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子どもだって、味付けなしでも食べられるおいしさ
蔵元完売が続く「山の壽【純米酒】宗像日本酒プロジェクト」。2020年の新酒の情報等は乞うご期待です!
私たちが普段毎日口にするお米。身近な食材だからこそ、体にいいものはもちろん、生産者の方に負担が偏り過ぎず、さらに自然にも優しいものを選べたら。参加表明なんてしなくても、福島さんたちが目指す「環境回復の環」の中に、無理なく、そっと入って行けるのがこのプロジェクトの魅力なのだと改めて感じた食事会。ぜひ、自然のエネルギーあふれる日本酒からパワーをもらってくださいね。
(記事&撮影:アナバナ編集部/戸田 千文)