みやまの恵みと“ありがとう”をつめ込んで みやま高校生お弁当プロジェクト

【最終回】行列に高校生も感動!「みやまの玉手箱」がもたらした成長物語

2022年1月30日、いよいよみやま市の高校生が企画した「みやまの玉手箱セット」デビューの日です。
新型コロナの影響で残念ながら高校生の調理販売は叶いませんでしたが、「みやまスマートエネルギー」のメンバーと九産大の江本さんと園田さんが集結。
駆けつけた高校生たちも見守る中で、お弁当の販売が行われました。

「さくらテラス」の皆さんと記念の一枚 ※撮影時のみマスクを外しています

「さくらテラス」の皆さんと記念の一枚 ※撮影時のみマスクを外しています

成長を見せる高校生達に全力で応えるメンバーの連携で難局を乗り越え当日へ

山門高校食物部が初めて挑んだ部活動「みやま高校生お弁当プロジェクト」。企画が立ち上がったばかりの頃は部員たちも「どんな食材を使えばいいと?」「私たちにできるっちゃろか?」と不安をのぞかせていましたが、打ち合わせを重ねるごとに積極的に。「さくらテラス」の皆さんや九産大生の江本さんと園田さんと交流を深めながら、さまざまなアイデアが飛び交うようになったのです。

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https://anaba-na.com/feature/miyama_obento

高校生の変化を間近で感じていたサポートスタッフの皆さんも気合い十分!プレスリリースを制作してマスコミへのプロモーションを実施。新聞数社でこの取り組みが紹介され大きな反響を呼びました。

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販売日に向けて全員が気持ちを一つにまとまっていく中で、思いもよらない事態が…。
福岡県でまん延防止等重点措置が適用され、高校生達は当日の調理や販売ができなくなってしまったのです。

それでも、部員達は買ってくれる方にお礼を伝えたいとメッセージを考え、お弁当に添えることになりました。

感謝の気持ちをお弁当にそえて。 九産大生江本さんと園田さんがロゴをあしらったバッジ、ポップやチラシなど、さまざまなツールを制作。 テーブルクロスはお弁当のイメージカラーに合わせて手染めで制作してくれたそうです

お弁当の調理販売を担当することになった「さくらテラス」の皆さんも今までの高校生たちの頑張りに応えたいと、レシピの再現に全力投球。
プロジェクトメンバー総出で当日に臨みました。

お弁当販売は予想外の大盛況!
スタッフから高校生へプレゼントも

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寒さが残りながらもよく晴れた朝。販売会場となる「さくらテラス」では前日から仕込んだおかずの調理がはじまりました。仕切りのついたケースにお惣菜を詰めたセットが運ばれるとパッケージを巻きつけ、着々と準備が進みます。

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販売開始1時間前、会場周辺に早くも行列ができているとの報告を受けて、現場にもピリリとした緊張感が走ります。感染対策のためにお客様の導線確保を再確認。安全に安全を重ねて、いざオープン!

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今回は3種盛りを6セット、6種盛りを3セット用意。どれも目移りしてしまうほどおいしそう

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当日はデザイン担当の江本さんと園田さんも販売のお手伝い。初めての接客業だったそうですが、お客様とのやりとりを楽しんでいたようです

先頭に並んでいた方は、なんと福岡市から新聞を見て足を運んでくれたそう。
その後ろに並ぶ皆さんも、「みやま市のためになるなら」と記事を片手に駆けつけてくれました。他にも、山門高校の生徒さんや教師の皆さんなど、建物を取り囲むようにお客様が続き、なんと販売開始30分でソールドアウト!
いきなりの盛況ぶりに見学していた部員の皆さんもびっくり!山門高校食物部をいつも見守ってくれている顧問の川口先生も嬉しそうに顔をほころばせていました。

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今回のプロジェクトを進めた教頭先生や試食役として支えてくれた担任の先生方も買いに来てくれました

あっという間に100セットが完売!誰もが清々しい達成感を味わう中、さくらテラスの皆さんから部員達へプレゼントが手渡されます。販売品とは別に、部員一人一人に向けたお弁当を用意していたんですって。

プレゼントの中身は6種盛り+本人が考えたレシピのおかず。
自分達が手がけたお弁当を前に、改めて今までの取り組みの数々が胸に浮かびます。「誰と一緒に食べるの?」と尋ねれば、答えはもちろん「家族です」
笑顔でお弁当を抱える部員達にさくらテラスのメンバーも思わず顔がほころびます。

この販売会の売り上げは、「今後の学校や部の活動に活用してほしい」と、みやまスマートエネルギー株式会社から山門高校に寄付されたそうです。

図1

売上は後日みやまスマートエネルギーから山門高校へ渡されました

“みやまの良さを伝えたい”思いを新たにプロジェクトは進む

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当日はみやま市の松嶋市長も来場。高校生の取り組みを視察しました ※撮影時のみマスクを外しています

お弁当プロジェクトもひと段落した2月。コロナ禍でまだまだ集まることはできない状況ですが、部員達から当日の感想が寄せられました。

はるかさん「自分達で調理できなかったのは残念でしたが、完売できてとても嬉しかったです。お弁当もすごく美味しくて、調理など協力してくださった方々にとても感謝しています!たくさんの方が買いに来てくださったけれど、数が足りなくて買えなかったお客様もいらっしゃるので、次は1人でも多くの方に買って頂けるように工夫していきたいと思いました!」

かなさん「お弁当はとても美味しくてこのプロジェクトに参加して良かったと思いました。当日、私たちが作って売ることは出来なかったけれど、たくさんの方々が遠いところから来てくださったり、応援してくださったり、とても嬉しかったです」

ひなたさん「当日は実際に料理を作って届けることは出来ませんでしたが、さくらテラスの皆さんが私たちの考えたお弁当を忠実に再現してくださってとても嬉しかったです。また販売前から多くの方が並んでくださって、販売が始まってからも30分くらいで完売することができました。楽しみにしてくださった方に受け取ってもらったのがとても嬉しかったです。たくさんの方の協力で山門生のお弁当を届けることが叶って、とても感謝しています」

あゆみさん「今回のプロジェクトを通して改めてみやま市の魅力や美味しいものを知れたので嬉しかったです。お弁当を食べてくださった人にもみやま市の良さが伝わるといいなと思いました。当日は販売前から行列でびっくりしましたが、寒い中並んでいただいたのに販売できなかった方もいらっしゃったので申し訳なかったです。この経験を活かして、もし次販売できる時は数を増やすとか、色々な工夫をしながら今回よりも多くの人にお弁当が行き渡るといいなと思います」

支えてくれた仲間とお客様への感謝、そして次回への意欲を見せる部員達の声に、「みやまスマートエネルギー株式会社」の社員も改めて成果を感じたそうです。

高口さん「まずは無事に終わって何よりでした。お客様を並ばせすぎてしまった、もう少し数量を増やせたらよかったなど反省もありますが、地元の高校を応援したいというお客様の気持ちを強く感じました。実は高校生が調理できなくなった時点で中止という可能性もあったんです。どうにかして実施できたのは、やっぱり生徒達自身がやりたいと強く思ってくれたから。そして周囲の大人達が調理やデザインなどそれぞれのスキルを活用して支えたことも大きな後押しになったのだと思います」

高校生にとってはお弁当へのチャレンジだけに留まらず、大人達との交流で大きな刺激を受けたようです。さらに、ミーティングを通して「道の駅みやま」や「みやまスマートエネルギー株式会社」など地元企業の取り組みを学ぶ機会にもつながりました。若い世代の中でも、個人や団体の枠を超えて、皆で地域活性に取り組もうという意識が高まったのではないでしょうか。

高口さん「我々は高校生お弁当プロジェクトは今回だけの企画で終わらせるつもりは無いんです。今日は“はじめの一歩”。これからも2回、3回と続けて、最終的には高校生だけで運営できるようになればと考えています。そのためにもコミュニケーションを取りながら、いろいろなことを伝えていくつもりです。なので、今回の活動を見て、“うちではこんなこともできるよ”と手をあげてくれる企業さんがいらしたら、ぜひ一緒に協力してもらえるような取り組みにしていきたいですね。」

山門高校生が作った「みやまの玉手箱」。初めて食べたおかずがほとんどですが、どこか懐かしく、じんわりとしみわたるような温もりを感じます。
それはきっと、家族や支えてくれた人への感謝の気持ちがこもっているから。アイデアにあふれたおかずには、地元食材の魅力を引き出したいという意欲が詰まっています。自分達が好きな味を取り入れたのは、同じ世代へ向けたメッセージでしょうか。
多彩な味わいが詰まった玉手箱は、みやま市でいきいきと育つ高校生そのもの。
次はどんなおいしさを届けてくれるのか、今後も楽しみに見守っていきたいと思います。


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