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「雲仙のおすそわけ」開催メンバーが教えてくれた、雲仙・食の魅力、人の魅力

「雲仙のおすそわけ」は3/14(金)・3/15(土)の2日間、アナバナ編集部にて開催されたイベントです。ポップアップレストランとマルシェを通じて、雲仙のおいしい食材、雲仙の温泉パワーを満喫していただける2日間となりました。

雲仙からアナバナ編集部にやってきたメンバーは総勢9名!

「雲仙のおすそわけ」のために雲仙から駆けつけたメンバーは総勢9名。全員、雲仙市在住で、仕事も遊びもともに楽しみ、真剣に取り組んでいる仲間たちです。

そのうち今回のイベントのトークショーなどで、雲仙について語ってくれた5名の方に、あらためて「雲仙の魅力とは?」をお聞きしました。

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イベント「雲仙のおすそわけ」の1日目、「食べる温泉 春の宴」では雲仙のメンバーによるトークショーやクイズ大会が行われました

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雲仙の大地から、山から、海から、おいしいものが続々。「食べる温泉 春の宴」の様子

BAR Lion-J オーナーシェフ 獅子島 薫さん

獅子島さんは雲仙市小浜町の中心部、島鉄バス小浜ターミナルのすぐ近くにある、ダイニングバー「BAR Lion-J」のオーナーです。以前は別の場所でアルコールメニュー中心のバーを営んでいました。しかし現在の場所にお店を移転後、雲仙の食材の素晴らしさにあらためて目覚め、料理にチカラを入れるように。「BAR Lion-J」は雲仙の食材のおいしさを発信するスポットに変貌を遂げ、地元の人から観光客までおいしいもの好きな人が集うハブステーションになっています。

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朗らかなキャラクターの獅子島さん。雲仙の「BAR Lion-J」を訪れたら、ぜひ話しかけてみて!

「僕が雲仙の食材にハマったのは地元のみなさんのおかげです。地元の方から『柚子の木に実がなっているから、もぎにおいで!』『畑でビーツを育てたけど食べ方を考えてくれんね?』などと声をかけてもらううちに、雲仙の食材ってなんでこんなにおいしいんだ!? と探究するようになりました」と獅子島さん。農産物だけでなく、近くの魚屋にも足繁く通い、地元で獲れた安くておいしい魚を仕入れて、お店で提供しています。「名前を聞いたこともない魚があるかもしれませんが、味は抜群。ぜひ味わってほしいです」。

また「雲仙の料理人たちは『みんなでおいしい料理をつくろうよ!』というマインドにあふれています。例えば、今回のイベントでお出ししたフライドポテトは、じゃがいもを蒸してからオーブンで焼き、おいしさを凝縮させた後、さらに揚げています。そしてこのレシピは、知り合いのシェフが惜しげもなく教えてくれたものなんですよ。『いい情報は共有して一緒に雲仙の食を盛り上げよう!』という人がたくさんいる。それも雲仙の食の魅力です」

料理人(雲仙の旅館勤務) 宮﨑貴仁さん

獅子島さんの友人で、雲仙の旅館にて和食を中心に手がける宮﨑さん。福岡や東京で料理人として経験を積んだ後、雲仙にUターン。雲仙以外のエリアにいたからこそ、雲仙の魅力に気づけたそうです。

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小浜町育ちの宮﨑さん。獅子島さんとともに異業種や移住者の方々とも積極的に関わり、雲仙の食の未来を考えています

「実はUターンしてすぐの頃は、雲仙にはない料理をつくってやろうと意気込んでいたんですよ」と宮﨑さん。高級食材を遠方から取り寄せたりもしていたそうです。「でも雲仙の漁師さんたちから『エタリ(小さなサイズのカタクチイワシ)やらアラカブやら、雲仙にはおいしか食材がいっぱいあるとに、何で使わんと?』と言われてハッと我に返りましたね。小さい頃から食べてきた地元の魚や野菜はものすごく美味しいのに、見逃していたのかと。」

今は、幼い頃から親しんでいた地元食材とより深く向き合い、それを料理で表現することがとにかく楽しいという宮﨑さん。雲仙のそこかしこでよい食材に出会えることをこの土地の魅力だと感じ、料理人としての喜びにつながっています。

デジマプロジェクト 浅野恭平さん

地元雲仙でもあまり市場に出回らない、まぼろしのじゃがいも「デジマ」。“収量は少ないけれどおいしい” “農家が自分で食べるためだけに栽培を続けてきた”といった、エピソードがあります。その味の良さを発信し、地域のシェフや生産者と連携しながら活動しているのがデジマプロジェクト。その中心的人物のひとりが浅野さんです。

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「雲仙の農業をカッコよく、きちんと収益が上がるものにして子どもたちの代につないでいきたい」と浅野さん

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この日は、デジマプロジェクトの一員、松山 太さん(右)も同行。デジマプロジェクトオリジナルのパーカーがオシャレ

「私は雲仙の段々畑でじゃがいもとレタスを育てています。雲仙の魅力は、なんといっても土壌の良さです。赤土の質が抜群によく、じゃがいもや葉物野菜を育てるのにぴったりなんです」と浅野さん。

同じ雲仙市内には、根菜がよく育つ黒土の畑もあるそうで、「それぞれの土壌に合わせて栽培した野菜は、どれも本当においしいんです。ぜひ食べくらべてみてほしいですね」と話してくれました。

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デジマプロジェクトが活動する南串原山の赤土の段々畑。山手に展望台があり、畑一面を見渡せます

また「畑と海が近いのも雲仙の魅力です。冬でも海から温かい風が吹いてくるので、作物に霜がつかないんです。ただ、平地が少なく段々畑が多いので、効率よく作業できないのはちょっと大変ですね。でも、その分、景色は最高です。観光で訪れる方にもぜひ見てほしいですね」。

小浜温泉 湯宿「蒸気家」オーナー 山下晃輝さん

小浜温泉の中心地で「蒸気家」を営む山下さん。「蒸気家」は小浜温泉のめぐみを活かした宿で、宿泊客は一角にある蒸し場を自由に使い、蒸し料理を楽しめます。

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28歳の山下さん。4年前に「蒸気家」を継ぎ、小浜温泉街を盛り上げています

そんな山下さんが考える小浜の魅力は「やっぱり温泉!源泉の温度は105度で国内屈指。放熱量(湧出量✕湯温)は日本一なんですよ。だから食材の蒸し時間がほかの温泉地より短いんじゃないですか?とお客さんに言われることがあります。半熟卵なら5分くらいかな。雲仙に遊びにこられた時はぜひ試してほしいですね!」。

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朝日が差し込む「蒸気家」の蒸し場。立ち込める蒸気にさすが放熱量日本一!と感動

家族が温泉宿を営んでいたこともあり、もともと温泉が身近な存在である山下さん。しかし自分で宿を経営するようになって、その素晴らしさにあらためて魅了されているといいます。

「温泉水そのものがほんのり塩味でおいしく、スープのベースに使うシェフもいるんです。また温泉水から塩をつくることもできます。僕も小浜で長年塩づくりを続けてきた方に教えていただきながら、事業の継承に取り組んでいます」。ほかにも小浜の温泉の魅力を活かしたプランをいくつも温めている山下さん。これからの活動にも注目です!

雲仙観光局 黒原 廉さん

そして最後は、雲仙観光局に勤務する黒原さん。もともと福岡育ちで、社会人になっても福岡在住。仕事を通して雲仙とのお付き合いが深まるにつれ、その魅力にドハマりし、家族とともに雲仙への移住を決めた方です。

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現在、小浜温泉に暮らし、雲仙暮らしと子育てを満喫中。地元にすっかり溶け込んでいます

「山、海、温泉、食と、雲仙の魅力はいろいろです。2024年には美食都市アワードも受賞し、全国的に注目される存在になりました」と黒原さん。そんな雲仙を誇りに感じつつ、個人的に最も魅力に感じているのは「人」、ですね。私の移住のきっかけも人なんです」と話します。

「前職時代、雲仙で出会った若手のみなさんがとてもキラキラしていて、まぶしかった。雲仙で生まれ育った同世代が仕事も生活も楽しみながら、雲仙を活かした新しい取り組みにも挑戦して、さらに移住者の方ともよい関係性を築いている。とことんオープンなマインド、そしてみなさんの圧倒的な優しさにやられました!」と黒原さん。今回、雲仙からきてくれたみなさんも、黒原さんが愛してやまない「人」たちです。

次回は雲仙で、「食」と「人」を楽しみたい

5名のみなさんのお話を聞いて、はっきりとつかめた雲仙の魅力は「食」そして「人」。うれしいことに「BAR Lion-J」の獅子島さんや「蒸気家」の山下さんは、旅の途中に会える確率が高い存在であるはず。ほかにも魅力的な方々が、まちのあちこちにいらっしゃって個性豊かな活動をされています。雲仙を訪れたらまずはおいしい「食」、そして雲仙を深堀りしながら熱く優しい「人」と出会い、これまで知らなかった魅力やみなさんにとっての雲仙らしさを見つけてください!

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トークショーのなかでも「“人”の熱さ」がキーワードのひとつに

(取材:編集部、文:ライター/西村里美、写真:カメラマン/西澤真喜子)

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