穴バーレポート ACTIVITY

使い方は多様!主役にも名脇役にも 旨味たっぷりセロリディナーで乾杯!

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宮村ゆかりさんとアシスタントのお二人が手にしているのはセロリ!?ではなく、当日のメニューのレシピ。お土産にと皆さんへプレゼント

2020年第一発目の穴バーは満員御礼!セロリ収穫シーズン最盛期らしく、テーブルの上には大きなセロリの株が飾られ、会場いっぱいに爽やかな香りが漂います。
会場後、早速セロリの株を激写している来場者の皆さんにお話をお聞きすると「セロリが大好きなので今日を楽しみにしていました」「毎年みやま市の道の駅に買いに行っています」など、かなりのセロリ愛をお持ちの方も多数ご来店のよう。
ご自宅での調理方法をお聞きすると「生でかじるのが一番」という答えが圧倒的。確かに、セロリはそのままでも十分甘くてみずみずしいのですが、料理にグッと深みが出る優秀食材としても活躍してくれるんですよ。
セロリの未知なる可能性に気づかせてくれる今夜のお料理、セロリストな皆さんの反応やいかに!?

採れたてのシャキシャキ感を、アイデアあふれるアレンジで堪能!

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実は、今回のシェフ・宮村ゆかりさんもみやま市のセロリに衝撃を受けた一人。
「畑で食べさせてもらった採れたてセロリは、ジュワッとみずみずしくて、すごくフルーティでした。あの味が忘れられません。それに、鬼丸さんに教えていただいた部位による味の違いも印象的でした」
宮村さんが得意とするローフードやスパイス料理との相性も良く、普段でもよく使うというセロリですが、今回はあえて茎や葉などを意識的に使い分けたそう。「カットの仕方を変えるとか、筋を取る取らないとか、そういうところもこだわって作りました」という宮村さん渾身のメニューをダイジェストでご紹介します。

まずは、セロリのシャキシャキ感を味わうこちらのメニュー。

ローカレーを詰めたセロリスティック

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「ローカレーとは、加熱をせずに作ります。今回は小麦粉を使わずカシューナッツをベースにして、セロリの1番下の部分を細く切って混ぜ込んでいます。また、器の代わりにセロリの茎の中心部分に盛り付けているのもポイントです。スジを取っているので、パキッと食べやすくなります」C字型にカーブを描く茎は齧るのにぴったりなサイズ。カシューナッツが香ばしいローカレーにセロリがほのかな甘みを添えます。

マンハッタン風クラムチャウダー

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「セロリは食感を残すためにあえてスジを取らず、軽く炒めてトマトとアサリのクラムチャウダーに入れました。セロリの食感とのマッチングをお楽しみください」アサリのダシとトマトの酸味、セロリの旨味が響き合うワザありスープ。温かいスープなのに、セロリの食感はしっかり生かされているのもさすがです。

エビ入りセロリカツと豪華タルタル

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「このカツにはセロリの葉っぱについている細い茎を使っています。捨ててしまいがちな部分ですが、いろいろ試したら1番歯ざわりが良くて、炒めても揚げてもシャキシャキ感が残るんです。また、グリーンの衣はパン粉にセロリの葉っぱを加えています。タルタルソースには、甘めに仕上げたセロリのピクルスをたっぷり入れて、マヨネーズではなくてお豆腐のふわふわソースを合わせました」
ハンペンでフワッと仕上げたカツに、インパクトを残したセロリ、特製タルタルソースと揚げパンの食感四重奏が心地よいアイデア料理。マッシュルームのようなコロンとしたデザインも好評でした。

セロリのグラタン

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「こちらも食感を残すため筋を残したまま具材にしました。炒めるだけでオーブンでは焼かないので、手軽にできるんですよ」
セロリの存在を感じるようにマカロニの量を通常の半分以下に減らしたそうです。コクのあるホワイトソースにセロリのエキスが清涼感をプラス。さっぱりと楽しめます。

セロリと白キクラゲの和え物

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「台湾で食べた白キクラゲ料理をヒントに考案しました。白キクラゲとリンゴを加えています。味付けは、塩もみしたユズとコショウ、みやま産の菜種オイルです。菜種オイル自体がとても美味しいので、余計な味をつけなくても十分。ちなみに、セロリを茹でるときは、お湯にオイルを少し入れるとグリーンの色も残るので、ぜひお試しください」キクラゲとリンゴの取り合わせも新鮮で、ついついお酒を合わせたくなる爽やかな味わい。こちらの影響もあって、会場で販売されていた菜種オイルが売り切れたそうですよ。

さりげなくも、存在感十分!香味野菜としての実力に驚き

メインには、食感だけではなく旨味を添える「香味野菜」としてのセロリを感じるメニューもご用意いただきました。

セロリドポークとスパイスライス

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「豚肩ロース肉やナンコツ、スペアリブ、スネ肉など、いろんな部位のお肉と残ったセロリをたっぷり入れて煮込みました。セロリを主役にしたいので、味付けは塩だけ。専用のスパイスをかけると味が変わりますよ」
塊肉と野菜を煮込んだ『プルドポーク」という料理をイメージしたそうですが、セロリが肉の旨味を上品に引き立て、味に深みを出しています。エスニックなスパイスライスとの相性も抜群!

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宮村さんからのお土産はスパイスライスに使った「特製スパイスふりかけ」。じわじわくるセロリの名言付き

宮村さんのお料理は、スパイスを巧みに使う味付けも魅力なのですが、この日もセロリがもっと美味しくなる特製スパイスが登場しました。
「セロリがすごく爽やかなので、スパイスは甘すぎるものや刺激が強いものは合わないでしょうね。同じように爽やかなものや香ばしいものが合うんじゃないかな」

最後に、お腹いっぱいな人にも嬉しいつるんと楽しめるデザートがお目見え。

セロリのチェー

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「チェーはベトナムのスイーツで、日本でいうぜんざいのようなもの。米の代わりにタピオカを使ったお餅が入っています。今回はこのタピオカのお餅にセロリの葉っぱを入れました」ココナッツミルクとゼリーにセロリが加わると、甘みの後にすっきりとした余韻が残る斬新なデザートに。

調理法によってセロリの部位を使い分け、見事にその魅力を表現してくださった宮村さん。一つ一つに驚きの声をあげる会場の皆さんのために、この日のレシピもお土産にしてくれました。今までは“生で食べる派“が大多数でしたが、今日のコースをきっかけにセロリ料理に興味が湧いた人も多いはず。

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この日の料理のレシピを紹介したセロリカードも宮村さんのお土産。本物と見間違えてしまうほどの出来栄えです

宮村さんに感想をお聞きすると、「セロリは食感を出すと主役になる。煮込んでしまえば引き立て役にもなるんです。あと、やっぱり旨味がすごいです。肉や魚のくさみも消してくれるし、薄く切って炒め物にいれるだけでもおいしくなります。玉ねぎ的な感覚で使えますよ」とさらなるアドバイスもいただきました。

会場の皆さんも、セロリ料理のレパートリーが増えたと大喜び。大きなみやま市のセロリもあっという間に使い切ってしまいそうですが、心配御無用!なんてったって6月まで旬は続きますから、ぜひご自宅でもチャレンジしてみてくださいね。

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(取材:編集部、文:ライター/大内理加、写真:カメラマン/雨宮どら)

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