穴バーレポート ACTIVITY

ノコギリ片手に竹林に足を踏み入れよ!たけのこ事情を掘り下げていったら、竹林問題の解決策が見えてきた


みなさま春の味覚「たけのこ」はしっかり味わいつくしましたか?

先月アナバナ編集部では、旬のたけのこをたっぷり味わう「堀りたてたけのこづくしバー」を開店しました。たけのこと聞くと炊き込みご飯に煮物にと、美味しい料理を想像してついついヨダレが出てしまいます・・・。
そんな大好きなたけのこのことを掘り下げていくと、日本各地の竹林が抱える問題についても知ることになりました。そんな問題と向き合い、独自のアイディアで解決策を模索している人こそが、今回のゲストである佐々木悠二さんです。たけのこだけにとどまらない竹林からうまれるエネルギーの話やトマト栽培の話など、さまざまな話題で盛り上がりました。

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佐々木さん(真ん中)と奥さま(右)、そして料理研究家の佐藤彰子さんが今回の穴バーを盛り上げてくださいました

 

九州はたけのこ天国だった!

福岡に住まれている方なら、たけのこの産地と聞いて、北九州市合馬のたけのこや八女のたけのこを思い浮かべる方もいるかもしれません。県内各地に生産地がある福岡県は、なんとたけのこ生産量全国一位です! 日本のたけのこ生産量の1/3が、ここ福岡県で生産されているのだそうです。

たけのこが採れるということは、そこに竹林があるということ。竹林面積の多い県で見ても、上位には福岡や鹿児島、大分など九州の県が目立ちます。
このことは、たけのこ好きにとっては九州が天国のような地域ともいえますね!

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会場には掘りたてのたけのこのほか、竹の器やインテリアも登場。目でも竹を楽しんでいただきました

器や箸などの生活道具を作り出すこともできる竹。ですが、今ではだんだんと竹林を整備する人がいなくなり、「放置竹林」が問題となっていると佐々木さんは言います。
「中国産のたけのこが大量に入って来たことと、プラスチックが普及して家庭用品としての竹の需要も減ってしまったんです。竹林を持っている人たちも高齢化して、とても整備できる状況ではなくなってしまった」
竹林面積の多い九州はもちろんのこと、全国でこうした放置竹林が問題になっている現状があります。

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1日1m伸びることもあるという竹。地下茎が伸びて芽を出した場所から、すごいスピードで成長していきます

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薄暗く人気のない竹林には、ごみが捨てられることも。こんな竹林が全国にあると思うと胸が苦しい

 

放置竹林に立ち向かう佐々木さんが
思いがけずゲットした”いいもの”

生命力の強い竹は成長範囲を広げ、杉やヒノキの林を浸食してしまうという問題も。竹林を整備することやたけのこを食べることは、実は環境を良い状態に保つための一助にもなるということです。

佐々木さんは、昨年から地元古賀市の竹林を整備し、たけのこを出荷されています。チェーンソーやノコギリを使って竹を切り、周りに配慮をしながら竹を倒したり、地面にたくさん覆い被さった古い竹を集めて切ったりと、その作業は重労働ばかり。そして同じ作業が延々と続いていくため、「肉体も心も非常に鍛えられます」と佐々木さん。竹林エクササイズで心身を鍛えたい方は、ぜひ佐々木さんにご一報を!

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思わぬ副産物に会場のみなさまもニンマリ

実はトマト農家としての顔もお持ちの佐々木さんは、トマトのハウスを温める燃料に放置竹林の竹を使っています。「日本が抱えるエネルギー問題を解決したい!」と、身近なエネルギー資源を活用して農業にチャレンジされている若手農家でもあるのです。

就農前はプラントエンジニアとして働いていたという佐々木さんが、農家へ転身したことにはどんな理由があるのか?気になる経緯は次回レポートでお届けします!

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会場には佐々木さんお手製のボイラー試作機も登場。熱い視線を浴びていました


(編集部 天野)

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