「鴨料理」と聞くと、みなさんどんなものを思い浮かべるでしょうか? 鴨南蛮や鴨鍋、鴨飯などさまざまなものがありますが、11月の穴バーでは合鴨をフレンチのフルコースで贅沢にいただきました。
レポート後編では、生産者の隆雄さんも「これはうまい!」と絶賛していたお料理の数々と、参加していないという方にもぜひ見て覚えていただきたい「鴨のたたき」のレシピをご紹介します!

ゲストの「合鴨家族 古野農場」古野久美子さん、隆雄さん、瑞穂さん。美味しい鴨をありがとうございます!
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鴨ネギならぬ「鴨みかん」や「鴨梨」も?
吾郎さん作 合鴨料理は手間ひまかかった斬新な逸品
フレンチでいただく合鴨のフルコースのために、編集部に料理担当の吾郎さんが提案してくださったのは、「胸肉×みかんソース」「コンフィ×かぼちゃ×くり×八丁味噌」「砂ズリ×梨×ブルーベリー」など、聞いただけでも味の組合せにワクワクするものばかりでした。

メインの「合鴨のみかんソース」。みかんの酸味が合鴨の風味と絶妙にマッチします

「古野農場野菜のテリーヌ」は、ベーコンの中にマッシュしたかぼちゃと栗、鴨肉のコンフィが包まれたもの。甘く濃厚な八丁味噌のソースをつけていただきます

目にも楽しい吾郎さんのお料理は、出てくるたびに「わぁ〜」と歓声が。みなさん一皿一皿写真を撮っていらっしゃいました

サラダももちろん鴨を使用。砂ズリ・野菜・きのこ・フルーツを合わせたサラダに梨のドレッシングとブルーベリーソースを添えています

隆雄さんが特に絶賛していたのは、贅沢に鴨肉のミンチからだしをとった「鴨飯と鴨金(おうごん)スープ」。琥珀色のスープはさっぱりとしてクセがないのに甘く深みがあります
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「取材にいった時に、古野さんがずっと”物語”や”ストーリー”という言葉を口にされていたんですよ。だから僕も、僕なりの料理をストーリー性を持ってお届けしようと作りました」と吾郎さん。どの料理にも古野家の食材がふんだんに使われた吾郎さんの料理は、古野さんご一家にとっても新鮮な組合せがあったよう。
開店の2,3週間ほど前から仕込みをされていた吾郎さんのお料理がこんな風に仕上がるなんて、私も驚きばかりでした。

お料理の説明をする吾郎さん。普段はレストラン「Brookln Parlor 博多」で料理人を務めながら、「560’s kitchen」の屋号でケータリングなどの活動も行っています

隆雄さんの器にはなんと鴨が!この日のために吾郎さんの奥さまが手づくりしたのだとか。粋な計らいに隆雄さんも編集部も感動です
焼いた時間だけ寝かせて脂を閉じ込める!
鴨のたたきの美味しい仕上げ方
フレンチのお料理を目で楽しんでいただいたところで、最後に「鴨のたたき」の作り方をご紹介します。当日はゲスト 古野農場の奥さま久美子さんが、目の前で実演してくださいました。
味付けは塩コショウのみでシンプルですが、美味しく食べるには焼いた後にコツがあるようですよ。

こちらが久美子さん。鴨そのものの味を楽しんでほしいと、実演をしてくださることになりました

フライパンを準備したら、脂はひかずにまずは皮から。鴨から脂がじゅわーと溢れ出てきます

お肉は厚みがあるため、横の部分はフライパンの壁面を使って火を通してくださいね

表面にこんがり色がついたら、お肉を取り出して好みの大きさに切ります
大切なポイントとしては、「焼いた時間と同じだけ肉を休ませること」。焼いた後にすぐ肉を切ってしまうと美味しい脂が出てしまうため、取り出した肉はお皿の上でいったん寝かせます。
フライパンの上に余った鴨肉の脂は、ごぼうや人参、椎茸などの野菜を焼くのに使いましょう。焼くだけで旨味があり、香りのよいソテーが完成します。

早速みなさんでいただきます。「美味しい〜!」「いい香り!」と会場のあちこちから歓声が
古野農場さんの鴨肉は、こちらのWEBサイトでも購入することができますので、気になる方はぜひ一度試してみてくださいね。
会の終わりには、「我が家の合鴨も人間に生まれ変わることができて喜んでいると思います。明日から鴨の分まで頑張ってください!」と久美子さん。古野家で育った鴨が、この穴バーを通して今や私の血となり肉となっているということですね!
いつお会いしても古野さんご一家がパワフルなのは、もしかして鴨のおかげかも?

古野農場のみなさま、吾郎さん率いるキッチン担当のみなさま、そしてご参加くださったみなさま、お越し下さりありがとうございました。またぜひ穴バーへいらしてくださいね
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※12月の穴バーはお休みで、次回は1月18日(金)の開店です。Instagram、Facebook、Twitterにて情報チェックしてくださいね。次回もぜひお楽しみに!
■合鴨家族古野農場 WEBサイト / ネットショップ / Instagram / 「皿の上の九州」取材記事
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(編集部 天野)