穴バーレポート ACTIVITY

Suさんの果実酢でお酢の概念が変わる! まろやかさの秘密は時間をかけた発酵法。しぼりたて桃酢をたっぷり味わう夜 [5月の穴バーレポート前編]


5月の穴バーはうきは市の酢造発酵場Su(スー)の大山英章さん・紀子さんと「しぼりたて!桃酢びらきバー」を開店しました! 約1年をかけて熟成され、いよいよ解禁となった桃酢は、フルーティーな香りとやさしい口当たりが特徴です。お酢をたっぷり取り入れた料理とゲストトークで、果実酢の新たな使い方を発見した夜。当日の様子をレポートします!

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看板を横目に会場へ入り、まずは桃酢ソーダで乾杯です!

 

うきは市は果実酢づくりにぴったりの場所?
Suさんがつくるうきはの果実の素敵な循環

ゲストの大山さんご夫妻は、「フルーツ王国」とも呼ばれる福岡県うきは市で、さまざまな果実を使ったお酢をつくられています。はじまりは、主に黒酢を製造する酢造にいらした英章さんが、「洋食にも合うお酢をつくろう」と独立され、果実酢づくりにぴったりの場所を求めてうきは市にたどりついたことからだそう。

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こちらが英章さん。当日はトークと販売を担当してくださり、お酢の魅力を教えていただきました

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お料理を担当してくださった紀子さん。果実酢の使い方をたずねると、次から次に何パターンものアイデアを教えてくださいます。なんと「お味噌汁やサラダにも使えますよ〜」という紀子さんは、お酢づかいのプロフェッショナルです

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筑後川のすぐそばにあるSuさんの工房兼カフェは、築140年の素敵な日本家屋。この木造の建物も、発酵に必要な酢酸菌が増えやすいということで、酢作りに欠かせない要素です

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英章さんのお酢トークに真剣なお客さま。発酵の種類やお酢をつくれる環境条件など、お酢づくりのお話にみなさん興味津々でした

うきは市にはもともと縁があったわけではなかったお二人。初めは農家さんのもとへ飛び込みでお願いに行ったそう。以来、10年に渡って地元の果物を使って果実酢をつくり続けています。
農家さんの方から「これで果実酢作れない?」とのリクエストもあり、今や商品はお酢だけでも10種類を越え、他にもドレッシングやマスタードなど、バリエーションはお酢そのものに留まりません。

熟し過ぎたものや少しだけ傷の入ったものなど、通常では廃棄されてしまう、美味しくても商品に出せない果物を活用してつくられる果実酢。お二人の果実酢づくりはうきはの農業にも風通しのよい循環を生んでいるようです。

 

お酢の概念が変わる!
まろやかさの秘密は時間をかけた発酵法

お客さまからは、「酸味がきつくなくて驚きました!」との声が多く聞かれました。
私も取材の際に初めてSuさんのお酢料理を口にして、そのまろやかさにびっくり。「お酢がきいていて酸味が強いのかな〜」、なんて想像をしながらいただくと、本当に驚きます。

Suさんのお酢は、一晩でお酢をつくれる一般的な発酵法とは違い、半年から1年の期間をかけて発酵させる「静置法」によってできています。静置法ではゆっくりと発酵させることによって果物そのもののうまみが引き出され、角がとれたようなまろやかなお酢に仕上がるのだそう。
英章さん・紀子さんのやわらかなお人柄や、手間ひまをかける酢づくりへのまなざしも、お酢のまろやかさに表れているのかもしれません。

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「ぽかぽか生姜バー」でご一緒させていただいた山の農園・kotokoto kitchenの佳江さんも参加してくださいました!suさんの生姜の果実酢には、山の農園さんの生姜が使われています

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ずらりと並んだ果実酢とドレッシング。他にもピクルスやマスタードなどを販売してくださいました。同じお酢でもそれぞれに合うお料理が異なり、全部試してみたくなります

全てに桃酢を使った当日のお料理は、お酢の主張がほんのりと優しく、食材に絶妙なアクセントをつける名脇役となっていました。
今まではピクルスやお酢の和え物にしか使うイメージのなかった私ですが、スープやサラダ、煮込みやデザートにまで使えるSuさんのまろやかな果実酢に、お酢の印象がガラリと変わった一夜となりました。紀子さんのようにお酢使いの達人になれたら、お料理の幅もかなり広がるのだろうなあ。

レポート後編では、桃酢が使われた目からウロコなお料理を紹介します!
お酢の使い方の参考にしてみてくださいね。

 

(編集部 天野)

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