福岡パルコPARCO FACTORYで開催中の天神ヴィレッジにお邪魔してきました。
「天神ヴィレッジ」という”村”に見立てられたこのイベント。九州各地の衣、食に加え、田植え、狩猟、芸まで幅広いテーマでセレクトされた「ローカルのいいもの」が会場を彩ります。
仕掛人であるアートディレクターの先崎哲進さん(TETUSIN DESIGN OFFICE代表)は、企画からパッケージデザイン、プロダクトの共同開発など、デザインの力で地域のブランドを発信されています。
うきは移住計画。うきはの魅力を紹介するコーナー。
うなぎの寝床さんの展示。筑後の手仕事で生み出された商品達。
去年開催された糸島芸術祭の芸農小屋ギャラリー。お米が二人分入ったおにぎりのようなパッケージは先崎さんデザインのもの。
ホウエツさんのかわいい絣スカートなど、心くすぐる品ものたち。
天神ヴィレッジ開村のメイン行事ともなった<田植えワークショップ>。会場は大小様々な器に入れられた苗で埋め尽くされていました。(植えられた苗はイベント終了後に糸島で育てられるそうです)
「 “パルコで田植え!?”というコピーが使いたかったんですよー」と先崎さん。いたずらっ子のような表情で教えてくださいました。
柳川牛乳さんの瓶が花瓶に!柳川牛乳の商品は牛乳の他にモチモチ食感の牛乳プリンや珈琲牛乳も購入できます。
今回足を運んだのは13日(月)。
夕刻からの行事であるトークイベントにもお邪魔してきました。
”福岡次世代醤油トーク「東の二反田・西のミツル」“という興味深々なタイトルです。
トークをするお二人は、西は糸島のミツル醤油の城慶典さん(29才)、東は上毛町の二反田醤油の岩住清司さん(31才)です。
日本の食文化を担う若き醤油杜氏として、また歴史ある家業を受け継ぐ者として、醤油の仕込み、醤油市場の現状、更に資金調達から消費者への情報発信などなど濃い内容でした。
九州は全国的にも醤油メーカーがひしめき合う激戦区。市場に出ている醤油の大半が中間商品を組合から購入し、各醸造元ごとに品質や味を一定に保つように加工、調味しメーカーごとの個性を出すのだそうです。
そんな中で昔ながらの伝統的製造法により、独自の醤油作りを始めた城さん。その奮闘ぶりは起業家のようでもあります。 天然醸造による行程はまるでワインの醸造のように味わい深いもの。「食卓で何気なく使っている醤油だからこそ、仕込んだ年代により味の変化を感じ、今年の醤油はこんな調理法が合う、と言った具合に醤油文化を楽しんで欲しい」と岩住さんも熱心に語ります。
「自分達の醤油だけではなく、“福岡の醤油はおもしろい”と世界の人に感じてもらえるように商品開発にも力を入れたい」というお話も。 お二人の熱くまっすぐなお話を聞いていると、毎日何気なく手にしていたお醤油も、味わい深く風味豊かなものになっていくような心持ちになりました。
会場では天神ヴィレッジ限定で、二反田醤油とミツル醤油のミニボトルセットが販売されています。東と西の味をぜひ食べ比べができますよ。
他にも二反田醤油の“六年仕込み”醤油や、ミツル醤油初の天然醸造で出来た“生成り”も置いてあります。
5月19日(日)まで開村中の“天神ヴィレッジ”、暮らしの中に染み入るようなお話を天神のど真ん中、パルコで聞くというおもしろいイベントでもあります。
また日替わりでトークイベントや産直市、ワークショップなどの“行事”も行われています。
お仕事帰りでも、お買い物の途中でも。お散歩気分で立ち寄ってみてはいがかでしょうか?
▼天神ヴィレッジ
(とよだ)