大分県の北部、国東半島のさらに北端に、「国見(くにみ)町」というエリアがあります。
このあたりは環境もよく土地も広く、近年UターンやIターンをする方の非常に多い地域です。
芸術家や工芸家の移住も多く、アトリエを構えたり若い人がカフェやギャラリーを始めたりと、年々にぎやかになってきています。
その国見町で春と秋、年2回開催されているのが、カフェやギャラリー、工房やアトリエなどを巡りながら、地元の人との交流の中で国見町の良さを感じてもらおうと企画された「国見町工房ギャラリーめぐり」です。
今回おじゃました「くにさき半島くにみ海フェス」は、9回目となる「国見町工房ギャラリーめぐり」のプレイベントとして開催されました。
「年々たくさんの人が訪れるようになってきたこのイベントをもっと盛り上げたい、そして国東に居る人たちともっと交流したい!」と、有志によって企画された初めての試み。
会場は、出展者でもある古道具と珈琲の店「ことり」さんの近くの海岸、向田海水浴場でした。
さぁ、車に乗って出発です!
あ、見えてきました!
看板を追って到着した会場は・・
過疎化・高齢化にあえぐ国東にも、こんなに若い人が居るんだ! 子供まで! とびっくりするほどたくさんの人がいて、賑やかです。
地元の方を中心に、国東半島、大分各地からの出展者やお客さんも多数。
畑で採れた野菜や今日海でとってきたばかりの魚たち、手作りの雑貨や陶器など、さまざまなお店が出ていました。
国東半島は海も山も豊かで、震災後に移住してきた方も多く、最近はオーガニックなマルシェやロハスなコミュニティもすごく増えています。
それはとても良いことですが、場合によっては、行きづらく感じたり、移住者同士のグループで固まってしまったりすることがあるのもまた事実で、もったいないと思うのです。
「せっかく色々な人がいるのだし、もっとたくさんの人が集まって出会えたほうが楽しいですよね」
そう語ってくれたのは、海フェス実行委員の阿南さん。
オーガニック志向な人も、そうでない人も、大人も子供もお爺さんもお婆さんも、誰もが気兼ねなく集まって楽しめる、そんなフェスを目指して、駄菓子を販売したり、フリーマーケットも様々な人に参加してもらい、誰でも入りやすい空間作りを心がけたそう。地元の方が用意した子供用のおもちゃコーナーもありました。
今回の海フェスも、友人から友人へ、近所の人からその友人へと、地域を超えてどんどん情報が広がっていき、出店者やお客さんがたくさん来てくれたのだそうです。
海があり、音楽があり、子供達の遊び場や、たくさんの出店があり、思い思いの楽しみ方のできる、まさにフェスティバル。「これからも続けていきたい」と、力強く話してくれた阿南さん。「ギャラリーめぐりも面白いので、ぜひまた国見に来てくださいね」とにこやかな笑顔で見送ってくれました。
夏のシーズン期でも、この海岸にこんなに人が居ることなんてないよ! と、地元の人も驚くほどの人出。
とはいってもここは国東。あくまでものんびりとした空気で、手作り感満載のイベントでした。
賑やかな会場を背中で感じながら、海辺で貝を拾うのも良し、出店の食材を楽しみながら地元の人と話してみるも良し。たくさんの笑顔。元気に動いている国見町を感じた一日でした。
国見町工房ギャラリーめぐりは、次回10月に開催予定だそうです!
□国見町工房ギャラリーめぐり FBページはこちら
(写真/文 小山冴子)