インタビュー

「ナリワイをつくる」。伊藤さんと山内さんとお話しました。(3)

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伊藤さんと山内さんと「ナリワイをつくる」についてお話します。

#03 まずはやってみる

伊藤 こんな感じで日々暮らしていると、意外に仕事ってたくさんありますよ。

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山内 だけど、失敗した仕事とかもあるのではないですか?
伊藤 は、はい。これが失敗した仕事ですねぇ。

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伊藤 僕はなんでも自給したいと思っているんですね。
 そこで、アイドルも自給できるといいのではないかという話になって。(笑) まず、アイドルの生活は厳しいものがある。下り坂のときになにをするかが分かれ道になってしまうというか。うっかりすると覚せい剤で捕まったりするわけですよ。
 つまり、アイドル業という1本の水物に頼っていて、そこでコケてしまうと生きていけなくなるというすさまじい不安があるから、悪い道に行ってしまうのではないかと思ったんです。
 それで何を思ったか、火をおこせるアイドルが一番自給力が高いということを思いつきまして。あと、アイドルの原型は巫女さんかなと思ったので。巫女さんって神事のときに火をつけたりしますからね。神社とタイアップして色々やっていこうと思っていて、火を操れる人をスカウトしまして。

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伊藤 アイドルになるにはイベントやらなきゃいけないんで、1回だけってお願いして岡山県の直島の瀬戸内芸術祭で握手会をゲリラ的に行うというイベントをしまして。

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伊藤 だけど、そのアイドルのやる気を維持するのは難しくて。1代目は「私やっぱりアイドル興味ないから」というので辞めて、2代目はミス○○大学というのをスカウトに成功し、火起こし検定5級に合格したところでアナウンサーになりたいということで辞めてしまいました。今も「特技は火起こし」と書いてくれているので、”人間スイッチ押せば何でもお湯が沸くんじゃないよ”ということを広める一助になっているかと……
残念ながら全然お金になりませんでしたけどいつか何かになるかもしれないし。こういうことを常に行っていくことが、自分の頭を鍛えていくんじゃないかなと。そういう意気込みでやっておる次第なんです。
山内 本を読んでみて、僕も伊藤さんやナリワイの方向性には基本的に賛成なんだけど、「生活費減らして豊かに暮らす」というのは、実際はかなり難しいと思うし、そもそも意味がわからない方もいらっしゃるかもしれない(笑)。その辺りについては、伊藤さんの来歴とかナリワイを始めるに至った経緯をお話いただけたら、わかりやすいかな、と思うのですが、どうですか?

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伊藤 そうですね。僕、会社員を1年くらいやってたんです。会社員って初心者でも毎月20万円は貰える。僕は学生の頃とあまり生活費を変えないようにしようと、風呂がない部屋で家賃5万円くらいのところに住んでいて。それで絶対貯金できると思っていたんですけど、貯金が全然貯まらなくて。
 結局飲み会に使っていたり、毎日ハーゲンダッツ食べていたりと、ストレス解消のために結構お金を使っていたんですよ。でもそれって本末転倒だなと思って。疲労度も高いというのと、何より肌荒れがひどくなったんです。そこをなんとかしたくて。
山内 へぇ。そんな生活をしていたこともあったのですねー。 「ナリワイ」を実践する背景には「稼いだお金がよくわからないところに使われている」という問題意識があるんですよね?だから、今かかっている生活費が本当に全部必要か、何のために必要なのかを精査してみると、実はそんなに必要ではないんじゃないかという結論に至って、減らしていったということですよね?

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伊藤 アイスを食べないと眠れない生活だったり、そのコントロールできない感がすごく嫌で。別に良い使い道なら、お金使うこともいいですが、コントロールできていない支出が増えるということは、人生の不安が増している気がして、それはなんとか減らした方がいいなと思って。
山内 本の中にも書かれていますが、自らのスタンスを“非バトルタイプ”とおっしゃっていて、“戦わない”んですよね。
伊藤 戦えないというか。会社員を辞めて独立するとなった時に、起業して会社を大きくしようっていうイメージが強いですけど、独立しなくても良いと思うし、独立に向いてない人ってすごく多いですよね。僕もそうですし。ライバル倒して睡眠時間削って肌荒れするのは違うなと。
山内 「年収700万円が半額になりました。だけど実質、支出を見直したり、ご飯を自炊したり、住んでいるところをシェアハウスにするとか、半減した350万円分をどんどん他の何かで補っていくと、実質その分は取り返せるんじゃないか」、というようなことを書かれてましたよね。
伊藤 そうそう。
山内 だから、実質生活費が下がったことを「貧乏こそ良し」とするのではなく、生活水準としては600万円くらいのところを考えているけれど、貨幣経済が3〜400万円あるとすれば、残りはそうでない別の経済でそこを埋めちゃおうという話ですよね。
伊藤 そうです。だから収入下がっているんだけど、実態としては以前と同じ生活ができる。さらに穏やかに暮らしたいときはこっちの方がいいんじゃないか、という風に実感していますね。

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山内 なるほど。 僕の周りでも、大学4年生で就職活動をして就職して、仕事に就いたら就いたで、あれしなきゃこれしなきゃって言って、ぜんぜん幸せそうじゃない人も少なくありません。もちろん上手くやれてる人は何も問題ないですよ。
 でも中にはやっぱり精神的に病んでしまってて、仕事できなくなって、しばらく病院通い、なんて状況が起きていて。それをまた上の人から「精神がなっとらん」なんて言われたり、あるいは社会の目線を内面化しちゃって「自分が弱いからダメなんだ」というようにどんどん追いつめられている状況がある。
 伊藤さんのナリワイは、そんな状況に対して、「もっと違った働き方があってもいいんじゃないか?」っていうオルタナティブの提案になっているんですよね。
 そして伊藤さんはそれを実践されている感じがします。そういった問題意識にはやっぱり敏感なんですか?
伊藤 そうですね。さすがに5年くらいやっているとそういう勘が鍛えられるみたいで。最初は何をやっていいか分からなかったんですけど、最近は何となく、ここに何かナリワイの種がありそうっていう妙な勘が働くようになって。
 よくノウハウ本とかありますが、こうしたらすぐにうまくできるっていう話が非常に多いと思うんです。でもその内容は、かなり少ない確率だけどそういうこともあるよ、という感じ。そのノウハウ本に従ってチャレンジするより、3~5年はかかるけど地道にやったら鍛えられて何とかなるよっていう方が実際は役に立つんじゃないかと。
 僕はそれを実験台としてやってみて、うまくいったりいかなかったりという結果をレポートしてまとめたのが今回の本です。
 

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