イベントレポート

公園が「まちのテラス」になる9日間 〜東田オープンパークWEEK振り返りレポート〜

こんにちは。アナバナ編集部の北九州出身・せせなおこです。先日、北九州市八幡東区東田(ひがしだ)地区で「東田オープンパークWEEK」というイベントが開催されました。東田地区の高校に通っていたこともあり、以前から馴染みのある懐かしいエリアで開催されたイベントを、地元出身者の視点でレポートします。

東田地区は「THE OUTLETS KITAKYUSYU」や「イオンモール八幡東」、「北九州市立いのちのたび博物館」、「北九州市科学館(スペースLABO)」などの集客施設が集積し、北九州市の観光拠点地区として、多くの方々が訪れています。

そのエリアの中でも東田大通り公園はJRスペースワールド駅の目の前にあり、集客施設に挟まれた公共空間となっています。

今後この公園でどんなことができるかを探る公共空間活用社会実験として北九州市主催で2024年3月2日(土)〜10日(日)の9日間、イベントが行われました。

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今回のイベントテーマは、”公園が「まちのテラスになる」。”一回きりのイベントではなく、これをきっかけに日常で使ってもらいたい、心地いいテラスのような場所になってほしいという思いが込められています。日常に溶け込み、歩きながら楽しめるよう、テントやガーランドの色は白で統一するなど、デザインコントロールにより会場はオシャレな雰囲気。他にもエリアMAPを設置しないなど、一般的なマルシェやイベントとは少し違った内容となっています。

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開催された3月初旬は冬から春の季節の変わり目。雨や寒さでなかなか天候には恵まれなかったものの、最終日は”これぞ春!”というぽかぽか陽気に。

公園としての本来の楽しさを味わってもらう、そとあそびコーナー

朝9時半ごろ。出店者、スタッフで朝礼を行います。今日一日よろしくお願いします!と皆さんの元気な声でいよいよイベントの始まりです!

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午前中は普段からこの公園をお散歩コースとして利用している方やイオンモール八幡東や北九州市立いのちのたび博物館の行き帰りの方が立ち寄ってくださっていました。普段とは少し違う公園の様子に「何が行われているんだろう?」とみなさん興味津々の様子。

普段は遊具などが何も置かれていない東田大通り公園。イベントの期間中は北九州市立大学の地域創生学群小林ゼミ(こうえん研究所)のみなさんによる、そとあそびコーナーが設けられていました。モルックや巨大オセロ、けんけんぱ、わなげ、卓球などの遊具を自由に使えたり、ブラックキューブ(箱型の黒板)にチョークで落書きができたり、無料貸出用のピクニックシートやラグが置かれていたりすることにより、来場者の皆さんがスッと公園に馴染んでいき、ちょっとした工夫で公園の楽しみ方の幅が広がることを感じました。

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来場していた親子に話を聞くと、「荷物として運ぶと大変なシートやラグが設置されているのは気軽に遊びやすいので嬉しい」という声も聞かれました。子どももちろん、大人も芝生に座ってくつろいだり、本気になってモルック対決をしたり、公園が公園らしく使われている空間を体感しました。

個性あふれる雑貨に心が躍る!わくわくの小道

お散歩しながら楽しめたのがハンドメイド雑貨の数々。多肉植物のショップでは自分で植物を選んで鉢を作るワークショップが行われていたり、全国の事業所から集めた福祉雑貨を取り扱う店舗では個性豊かな雑貨が取り揃えてあったり、見ているだけでも楽しい商品ばかり。全て自分で足を運び雑貨を仕入れるという店主さんとのお話はとてもワクワクし、私もイラストが駄洒落になっている可愛い富士山の手拭いを購入しました。

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身近にあるものを使って人形やアクセサリーなどの販売している店舗では「普段は親子連れや女性が多いけれど、イベント出店により多くの方に見ていただけて嬉しい」とおっしゃっていました。みんなに選ぶ楽しみを感じて欲しい、と種類豊富なラインナップが印象的な焼き菓子屋さんの声も。それぞれの出店者さんがお客さんに楽しんでもらえるよう工夫されていました。

北九州を味わえる、フードSTREET

お昼が近づいてくると、気になるのがフード。公園中からいい香りが漂ってきます。9日間での出店数は延べ201店舗。北九州の各エリアからおいしいものが勢揃いしました。

八幡東区の後藤醤油を使った唐揚げや北九州では珍しいベトナム料理のキッチンカーが出店。イベントにぴったりのホットドッグやいろんなフレーバーを楽しめるフライドポテトなど魅力的なメニューにどれにしようか迷ってしまいます!地域密着のスーパー、地元枝光本町商店街のお菓子屋さんなど馴染みのあるお店の出店もあり、いつもとは違う雰囲気で楽しむことができました。9日間毎日出店してくださったお店もいらっしゃいました。

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出店者からの「普段の店舗ではなかなかできないお客さんとのコミュニケーションがとれて嬉しい」との声があるほか、出店者同士の交流もあり、たくさんの繋がりが生まれていました。それぞれの想いが込められたおいしいフードにお客さんも満足そうな様子でした。

また、最終日には北九州発祥といわれている”角打ち”を楽しめるブースも。「1人で行っても隣の人とお酒を通じて仲良くなれるのが角打ちの魅力!」と語る北九州角打ち文化研究会の皆さん。北九州らしいコミュニケーションの場として、角打ち文化をこれからも伝えていきたい、とのことでした。

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この日は地元のお酒をはじめ、震災復興の願いを込めた能登のお酒も特別に用意されていました。公園でほろ酔い気分を味わえるのは他ではなかなかできない体験です。「北九州出身です!」と伝えるとみなさんとても仲良くしてくださり「一緒に盛り上げていこうねー!今度角打ちにもおいでよ」とお誘いまでいただきました。本場の角打ちを楽しむ日が待ち遠しい!

生演奏がBGM!贅沢な空間を生み出したミニライブ

フードやショッピングを楽しんでいると聞こえてきたのがミニライブの生演奏。公園に遊びに行って生演奏をBGMに過ごせるという贅沢な時間が流れ、来場していた皆さんが手を叩いたり体を揺らしたりと、心地よい空間が生まれていました。出演してくださったアーティストさんも、「森のステージみたい」と、楽しそうにのびのびと歌ってくださいました。

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体験型ワークショップで公園をさらに堪能!

ご飯を食べて音楽を楽しんだ後はワークショップへ。公園隣のいのちのたび博物館からはプラスチック粘土を使った恐竜の型抜き体験が、体験を重視しているスペースLABOのブースでは光の屈折を生かした虹の見える缶の工作が体験できました。他にもにじみ絵を使った蝶々を作るワークショップも行われており、公園内をカラフルな蝶が飛び回るとてもかわいらしい光景が広がっていました。

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最終日には公園内で学生プロジェクトチームARES PROJECTによる火星探査ローバーの操縦体験ができるという興味深い光景も。大人も子供も興味津々でした!

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夜の公園を美しく彩るライトアップ

充実した時間はあっという間。あたりは段々と暗くなってきました。すると、公園内ではライトアップが始まり、いつもの公園とは違う幻想的な雰囲気に。

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3月の実施だったこともありまだ少し夜が寒い季節でしたが、もう少し暖かくなると、仕事終わりに軽く一杯や、ご飯を食べて帰るのも気軽にできるようになりそう。1日の終わりには周辺の施設を回るスタンプラリーの参加者が景品をもらいにやってくる姿も。スタンプラリーをきっかけに普段は行かない場所にも足を運んでもらえたと思います。

ベンチに寝そべる子、ハンモックでゴロゴロする子、鬼ごっこをする子、走り回る子、元気な子どもたちの姿にも癒されるばかり。子ども達が元気に遊ぶ姿を大人たちも楽しそうに眺めたり、はたまた一緒に遊んだり。私は近くの高校に通っていたため、とても馴染みのあるこの公園が多くの人に活用されていることがとても嬉しかったです。公園の様子を眺めながらゆっくりする時間はとても心地よくのびのびと過ごすことができました。子どもはもちろん、日々に追われている大人こそ、公園でゆっくりとする時間を持つことが大切だと認識できた9日間でした。

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(取材/文:編集部・せせなおこ 写真:カシャッと舎 萩 康博)


せせ なおこ
日本の文化や歴史がつまっている和菓子に魅力を感じ、和菓子文化研究家として活動中。福岡を拠点に、全国の和菓子情報を集めた和菓子メディア「せせ日和」の運営や商品開発、和菓子専用のコーヒーのプロデュースなども行っています。


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