博多でさまざまな事業を行う方々の取組を通じて“これからの博多のまちづくり“を考える「博多まちづくりミートアップ」。
24回目の今回は、「コロナ禍での飲食店の挑戦」をテーマに開催されました。博多の名物もつ鍋専門店の『楽天地』では、これまで利用のメインだった夜以外の時間帯利用を促す取り組みや通販事業などに力を入れるなど、さまざまな挑戦を続けています。「有限会社楽天地」代表の水谷崇氏をゲストに、これからの飲食店のあり方について考えました。
もつ鍋専門店「楽天地」の時代に沿った新たな挑戦
社会状況が大きく変化し、外出制限や公共施設の営業時間短縮などの影響もあり、消費者のライフスタイルは大きく変化しています。
特に飲食店では、テイクアウトやデリバリーなどの需要が急増したり、以前は外食といえば“夕食”だったところ2021年からは外食といえば“ランチ”になるなど、飲食のスタイルそのものが変化しています。
そのような状況下、2021年3月に新たに3店舗をオープンした水谷さん。どの店舗もこれまでの出店とは異なる、新しいチャレンジをされています。
ホテルのテナントとして初出店の「もつ鍋楽天地アパ博多駅東店」で行っているのは、『もつ鍋の朝食バイキング』。
「朝からもつ鍋とか食べるとかいな?」と、水谷さんご自身も半信半疑だったそうですが、宿泊客の8割がもつ鍋を選んでいるのだとか。できるだけたくさんの地域の味を味わいたい!という旅行者の欲求を朝から満たすことができるのが、人気の秘密かもしれませんね。
水谷さんの成功の秘訣は「先義後利」
新店舗出店のほかに力を入れているのが、通販事業。全国から注文が殺到しているということですが、そのきっかけは意外なところにありました。
これまでに経験のない感染症が世界に広まり始めた2020年3月、そのタイミングで入院をされた水谷さんのお父様が、医療従事者の方にとてもお世話になったのだそう。1回目の緊急事態宣言が明けた6月、お父様の入院時の感謝と、休む間もなく働き続けていることへの労いの気持ちから、福岡市内の医療従事者の方々に「もつ鍋を奢ろう!」と招待をしたところ、たくさんの方に利用していただいたのだとか。その時に利用された医療従事者の方が、偶然、全国放送のテレビ番組で「楽天地のもつ鍋」を紹介したことがきっかけで、全国からのお取り寄せ注文につながりました。
商売なので、もちろん儲けなければ続けていくことはできません。
しかし、儲かることの前に誰かに喜んでもらうことを第一に考え取り組んだ結果、回り回って自分たちの利益に繋がったという、「先義後利」を体現したエピソードは、商売の原点を思い知らされた気がします。
この日、会場にきていた「楽天地」のスタッフにもコメントをいただきました。水谷さんの人柄がスタッフからの信頼につながっているということを、しみじみと感じました。
社会全体が事業拡大を控える中「ピンチはチャンス」と捉え、アクセル全開に踏み切る決断と行動を起こしてきた水谷さんは、他にもたくさんのことに取り組まれています。
◎一人用もつ鍋の製造も可能なセントラルキッチンの設置
◎もつ鍋に欠かせないニラを自社栽培し、福祉作業所を併設
◎九州唯一の女子サッカーチームへの支援で地域のスポーツを応援
など、ここには書ききれないくらいのエピソードを語ってくださいました。
水谷さんのお話をもっと聞きたい!と思ったあなた、ぜひ動画をご覧ください。
YouTubeでの視聴はこちら
https://youtu.be/QYqFwEdiQA4
気温がグッと下がって、アツアツのもつ鍋が恋しい季節です。
楽天地のもつ鍋を味わいながら、水谷さんの「誰かのために何かをする」精神も味わってみてはいかがでしょう?
(編集部 トゴウ)