博多まちづくりミートアップ

博多のまちを花と緑でいっぱいに!一人一花が広げる可能性とは?〜ミートアップvol16レポート前編〜

上原 真之 Saneyuki Uehara

福岡市 住宅都市局 みどりのまち推進部 みどり推進課長
上原 真之 Saneyuki Uehara

1998年に入庁後、九州大学移転事業、博多港長期構想、福岡市基本計画・地方創生等、様々な形の「まちづくり」を担当。平成30年4月から「花で共創のまちづくり」をめざす“一人一花運動”や、PPPによる公園活用等を担当している。

小堀 洋 Hiroshi Kobori

日比谷花壇 BS事業本部 マーケティングリーダー
小堀 洋 Hiroshi Kobori

花緑を活用したB2B、B2Cの総合マーケティングの要職を歴任。数々の商品MD、外部企画に携わり、現在も大阪を拠点にしながら、本社本部に在籍し、最前線で、攻め守りの花緑のコーディネートを行っている。

入山 忠 Tadashi Iriyama

NPOネオギャラクシー 代表理事
入山 忠 Tadashi Iriyama

イベント会社、プロデュース業などを経て、NPO法人greenbirdの事務局長&理事を務め、2018年まで市民参加型の地域における社会貢献活動に関わる。2017年10月にNPOネオギャラクシーを創設、小学生向けアソビ(マナビ)イベント事業を展開中。


16回目となる博多まちづくりミートアップのテーマは「博多のまちを花と緑でいっぱいに!一人一花が広げる可能性とは?」。福岡市では2018年1月より「花による共創のまちづくり」を目指す一人一花運動がスタートしています。市民・企業・行政の共創により、花をツールとしてまちの価値を高めることが「博多」という場でどのように展開できるのか?市民参加型の地域活動やイベント事業を展開している元グリーンバードの入山氏と、マーケティングの最前線で花緑のコーディネートを行っている日比谷花壇の小堀氏をゲストに迎え、花によるまちづくりの中での市民を巻き込む仕掛けや効果的な手法を探ります。


一人一花運動とは?

img01

本日のモデレーター、白石さん

白石さん(以下、白石)みなさんこんばんは。本日モデレーターを務めさせていただく株式会社ダイスプロジェクトの白石です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

img02

左から、上原さん、小堀さん、入山さん

白石まず、「一人一花運動」について、上原さんから簡単にご説明いただけますでしょうか。

img03

上原さん(以下、上原)みなさんこんばんは、今日はよろしくお願いいたします。今日いらっしゃっている方の中に、「一人一花運動」をご存知という方いらっしゃいますでしょうか?昨年の1月にキックオフしたプロジェクトなのですが、高島市長が年頭記者会見で発表したので、記憶に残っている方も多いかもしれませんね。

img04

上原人口減少に頭を抱える地方都市が多い中、福岡市は順調に人口を増やし、さらには観光客数も増加しています。それと同時に「天神ビッグバン」のような、ハードな街づくりも進んでいるわけですが、本当にそれだけでいいのか?ソフトな部分も一緒に底上げしていくことが必要なのではないのか?すなわち、花で「共創の街づくり」をしていこうと考えたわけです。そうして立ち上げられたのが、花で共創の街づくりを目指そうというプロジェクト「一人一花運動」になります。公共空間から民有地、個人宅まで、市民や行政ひとり一人が花と緑を育て、福岡市の街中を花と緑でいっぱいにしよう、という取り組みです。

花を軸に何ができるのかを考える

img05

白石なるほど、共創の仕組みを「花」で作り上げていくということですね。一人一花運動では、企業の皆様から花壇の年間維持管理費用を協賛していただく「スポンサー花壇」のパートナーが、現在156社、さらに、市民、地域、企業などの皆さまが行政との管理協定に基づいて自主的に花壇づくりに取り組む「ボランティア花壇」に、現在171団体が参加しているそうですね。こういった仕組みをどうご覧になりますか?

小堀さん(以下、小堀)当社は、「花を通じて」真に豊かな社会づくりに貢献するという企業理念ですが、「花で」共創の仕組みをつくるという一人一花運動の考え方と同じですね。
一人一花運動は、既に沢山の企業や市民の方々が参加されていて素晴らしいと思います。
さらに運動を拡げていくには、やはり「守り」と「攻め」を意識することが重要ですね。「守り」というのは既存のつながりを大切にし、定着させること。「攻め」というのは、まだつながりのない人たちに認知・体験・参加してもらうことです。福岡市ではさまざまな文化を受け入れられる土壌ができているとうかがっています。これから大学や企業などに向け、花に興味がない人でも花を楽しむきっかけとなるようなイベントやワークショップを企画していくのもひとつの手かもしれませんね。

img06

小堀私たちは、産官学連携の花壇づくりやイベント、ワークショップ、花育などを行ってきました。人の心を動かす小さなセレモニーを行ない、花を通じて得られる感動や笑顔を大事にしてきました。
なぜなら、笑顔は人に伝わりやすい「価値の見える化」だと思うからです。
実際に、老人ホームでフラワーアレンジメントのワークショップの際、みなさん完成するとホントに笑顔で活き活きとされるんです。花っていうのは子供だましではない楽しさを持っているんです。
それを踏まえた上で大切なのが「守り」と「攻め」のバランスです。「守り」というのは既存のつながりを大切にし、定着させること。「攻め」というのは、まだつながりのない人たちに認知・体験・参加してもらうことです。福岡市ではさまざまな文化を受け入れられる土壌ができているとうかがっています。これから大学や企業などに、ワークショップを提案してみるのもひとつの手かもしれませんね。

楽しい、と、人が集まる

img07

白石そういった中で、どのように人を巻き込んでいけばいいのでしょう?

入山さん(以下、入山)私は昨年まで、ゴミ拾いボランティアのNPO法人greenbirdの役員をやっていました。主に、東京の表参道という常に人でごった返しているような場所でゴミ拾いをしていたわけなんですが、とにかくゴミがすごいんです。拾っても拾ってもまた捨てられる…まさにイタチごっこ状態。だから、捨てる人を減らすような活動も同時に行おうということで「ゴミのポイ捨て、かっこ悪い!」というキャッチコピーを入れたロゴを作って、若者に届けるような工夫をしていました。

img08

入山greenbirdは現在、東京、大阪、福岡など国内に90のチーム、さらに海外でも活動を行っています。なぜこんなに広がっているかというと、「活動が楽しい」からなんです。とても単純なんですが、楽しいところに人は集まって来ますからね。参加するハードルを下げて1度でもいいから活動に参加してもらうということを大切にしています。そのために意識していることが、活動を義務化しないこと。greenbirdの活動はいつ来ていつ帰ってもらってもいいんです。そして、排他的にならないこと。誰でもウェルカムな環境を常に用意しています。それから、活動に広がりを持たせること。例えば、表参道から飛び出して、富士山などの清掃活動も行っています。バスツアーみたいなノリで、掃除した後はお風呂に入って、バスの中でお酒を飲みながら帰るんですよね。それがもうすごく楽しいんですよ。“掃除”という軸はぶらさずに、思わず友達に話したくなるような活動を定期的に行うようにしています。


POPULARITY 人気の記事

PAGE TOP