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オランダ アムステルダム研修レポート 前編

こんにちは、アナバナ編集部の江口です。先日、所属するダイスプロジェクトの研修制度でオランダへ行ってきました。その目的は、オランダ人が実践する「エシカルなくらし」を見に行くため。今日はそのくらしに関わる社会制度や、スーパー・レストランなどの民間的な取り組みを前編・後編に分けてレポートしたいと思います。

360度のしあわせ×エシカルなくらし

ところで、みなさんは「エシカル」ということば、聞いたことありますか?まだ、わたし達のくらしに「エシカル(ethical:英)」ということばは浸透していない気がします。直訳すれば、「道徳的に正しい、倫理的な」という意味。なので「エシカルなくらし」は「道徳的に正しい、倫理的なくらし」と言い換えることができそうです。
だけど、くらしと真剣に取り組む機会なんて、そう多くあるものでしょうか。家事や仕事・・毎日が当たり前に過ぎていくので、日常が特別視されることは滅多にないでしょう。しかし、地球のどこかには、そんな「日常」を夢見る家族がいます。また、わたし達の「日常」―豊かで快適なくらしは、あくまでわたし達だけのもの。その便利さや快適さが、環境に大きな負荷をかけています。ただ、何となく理解できていても、アクションをおこす次の一歩が踏み出せません。わたし達に何ができるか、具体的なイメージが思い浮かばないのです。

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公共の空間にゆとりがあるのもオランダでは日常のこと。心に余裕が生まれる理由の1つかもしれません。

そのとき出会ったのが、オランダのくらし。彼らは自分達の考えを、アクションに落とし込む一連の流れを完成させています。また、そのアクションは身近な人に幸せを届けるだけでなく、まだ知らない世界の誰かにも届いてしまうのです。そういう意味では、ありふれた日常から生じる幸せが360度に向かって開かれているといえます。そんなくらしを実現するにはどんな秘密があるのか?その背景にあるくらしの仕組みを、この目で見てみたいと思ったのです。

 大らかで、きびしい国 オランダ

そんなテーマを見つけにやってきたのが、ここオランダ。人口約1,718万人で、国土はほぼ九州と同じ。東京の人口はちょっと少ない約1,300万人なんですが、それに近い数の人が九州全体に散らばるとなると・・何だかゆとりがもてそうな光景が浮かびます。さらに、それを印象づけるのが、自然をそばに感じられる街なみです。市街地の運河には水鳥がやってくるせいか、鳥のさえずりが聞こえてくることもしばしば。何気ない毎日の中でも、リフレッシュできてしまう気がしました。

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中央駅からトラムで15分。東京ドーム約10倍の面積をもつフォンデルパーク。市街地を飛ぶ野鳥のすみかになっています。

そんな豊かな自然があるオランダは、EU(欧州連合)加盟国の1つ。一般的に中欧・北欧の人々は環境意識が高いといわれています。その理由は、これまでに経験した公害・環境汚染。そのためか、EUでは環境保全を目的としたさまざまなルールがあります。いちばんわたしたちのくらしに近いものといえば、家庭ごみに関するルールでしょうか。EUでは、2020年までに家庭ごみの50%をリサイクルしなければならない規定があります。さらに、物を供給するメーカー・製造業者にも拡大生産者責任が課せられています。「売った後はゴミになるんだから、つくった人はそこまで責任もってくださいよ」という意味をもっていて、この責任の中に「できるだけ環境負荷にならない製品を供給する」という約束が含まれているのです。
しかし、これはルールのほんの一部分。わたしたちの国では、各施策の推進活動に留まっていることを考えると、なかなか手きびしい印象をうけます。しかし、民間企業にここまで約束させるからこそ、サービスを受け取るオランダ国民の意識も自然と高まるのかもしれません。

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街中に設置されたリサイクルBOX。常設なので、資源ごみを回収日まで保管・・なんてストレスとも無縁です。

後編では、オランダで訪れたエシカルなスーパーとレストラン事情をお伝えします。

後編はこちら

 

 (編集部 江口)


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