イベントレポート

「貝」から日本の歴史文化がわかる!?博多湾岸で福岡市博物館の学芸員さんと掘りおこす、日本の歴史と食文化

こんにちは、編集部の天野です。
昨年の秋に、福岡市志賀島で開催された「カフェでJAZZと歴史を楽しむ夕べ」。古民家カフェでジャズに酔いしれながら、福岡市の歴史をたどるレクチャーを受けるというオツな体験をしてきました。
▽レポート記事はこちら
https://anaba-na.com/19360.html

会を主催した福岡市博物館が、お次は福岡市の西側で、“貝”をテーマに日本の歴史を掘り起こすツアーを開催するとのこと。博物館の杉山未菜子さんいわく、貝から日本の歴史文化がわかるのだとか!今回はそのいわれを紹介しながら、当日の様子をお届けします。

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出発地点は福岡市博物館。さて、ここで貝は私たちにどんな歴史文化を教えてくれるのでしょうか?


貝は流通や文化交流の歴史も伝えてくれる

ツアーに参加したのは、市内在住の多国籍な6人のメンバーです。杉山さんにご案内されながら、さっそく貝を頼りに日本の文化を探ろうと、まずは博物館の常設展へ向かいました。

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集まったメンバーのみなさん。5カ国6人の方が参加してくださいました

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さっそく貝を発見!こちらは目と口と思われる穴を空けた貝の仮面「貝面」で、縄文時代の人たちが使っていたものだとか

展示スペースに足を踏み入れると、「そういえばこんなこと習ったなあ」と、歴史の授業の記憶がよみがえってきました。

稲作が始まった弥生時代、だんだんと集団を指揮するリーダーが現れてきます。彼らがステイタスシンボルとして身につけていたアクセサリーには、遠くの地でしかとれない珍しい貝が用いられていました。
「貝は離れた地域どうしの盛んな流通や文化交流も伝えてくれます」と杉山さん。なるほど、しかしこれほど前から貝が生活の中に取り入れられていたとは、恐るべし貝の歴史!

お祝い事には欠かせない?
貝は現代の日本文化に染み込んでいた!

興味深い話はさらに続きます。普段、私たちが祝い事の際に使う「のし袋」も、実は貝!

のし袋の右上についている、剣のような形の紙に挟まれた黄色い紙は今でこそ簡略化されていますが、実は薄く引き伸ばされた(=のされた)アワビの身を表しているとのこと。 
日本の神様はアワビをお供えすると喜ぶと言われており、そこから「のしアワビ」は喜ばしいことの象徴として、結納の際などにも飾られるようになったとか。私たちの文化の一端には、知らないうちに貝が染み込んでいたのですね。

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興味津々のみなさん。杉山さんのレクチャーを受けながら常設展をめぐります

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こちらは結納のお飾り一式。きらびやかなお飾りの中に、のしアワビを発見しました

 

旅の終わりも貝でしめくくり。
座禅体験と牡蠣小屋で日本の文化に触れる

お次は博物館を飛び出し、福岡市の西の端、北崎地区のお寺「福寿寺」へ座禅体験にやってきました。

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迎えてくださったのは和尚の平兮(ひらな)さんです

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足の組み方を教わり中、結構キツイねと笑うステファンさん。中には何度か経験があり、上手な方もいらっしゃいました

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20分ほど座禅を体験


「生きていく中でいろんなことがありますが、楽しくてもきつくても時間の長さは同じです。時間に追われるように忙しい毎日の中でも、少しだけ座禅をすることで、時間の中に自分は生きているんだということを感じられると思いますよ」と平兮さん。
「何も考えないようにすることが難しかった」「棒で叩かれるのが案外心地良い!」と、皆さん感じ方はさまざまに、座禅体験を楽しんでいただけたようでした。

その後は福寿寺の近く、唐泊(からどまり)地区の牡蠣小屋で念願のランチタイムです。
旅の終わりを貝でしめるというわけですね! なんでも、「唐泊」は地名の通り、古代、唐へ向かう使者が船出をするのに、いい風を待って泊まっていた場所とのこと。今回のツアーにぴったりですね!

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好みの食材を選べるスタイルの牡蠣小屋。炭火で焼いていただきました

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貝の話をウッカリ忘れてしまうほど、夢中でいただいたプリプリの牡蠣。唐泊では、毎年11月初旬~3月末まで牡蠣小屋を楽しめます

「貝」をキーワードに日本文化を掘り起こした今回のツアー。学校で習った歴史の授業を思い返しながら、日本人でも知らない新鮮な豆知識まで、あらためて知ることができました。
みなさまもぜひ一度、福岡市博物館へ足を運んでみてはどうカイ?


■施設情報

「福岡市博物館」
住所: 福岡市早良区百道浜3丁目1-1
営業時間: 9:30~17:30(入館は17時まで)
休館び:毎週月曜日、年末年始
電話番号:092-845-5011
ホームページ:http://museum.city.fukuoka.jp


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