RethinkFUKUOKAProject

あなたもわたしも、人類皆が“変態だ” 異才にして多才なる監督と俳優、変態を大いに語る

Rethink FUKUOKA PROJECT レポートvol.055

アナバナではReTHINK FUKUOKA PROJECTの取材と発信をお手伝いしています。


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2016年に公開された一本の映画が世の中を震撼させた事をご存知でしょうか?
世の中と言っても、正しく言えば社会の中の特殊な人々、もっと正しく言えば「変態」な人々です。
彼らのハートを直撃し、新たな扉を開いてくれた作品こそが、この「変態だ」(※1)。
監督は、日本のカルチャーの第一線で活躍するアートディレクターであり、イラストレーター、そしてソラミミストとしてもお馴染みの安齋肇さん。主演は、独特の佇まいと歌声に圧倒されるシンガーソングライター・前野健太さん。毒っ気たっぷりながらもチャーミングなお二人を迎えるのは、福岡が誇る「変態」なプロデューサー深町 健二郎さんとRethink FUKUOKA Project 運営事務局 高山 貴久美。
どこかアブない熱気をはらんだ真夏の夜、RETHINK CAFEに集いし変態たちを前に、どんなトークが繰り広げられたのでしょうか…。

(※1)
映画「変態だ」HP http://hentaida.jp
みうらじゅんさんのコラムも必見です!

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映画「変態だ」は海を超えて
韓国の国際映画祭で絶賛された初監督作とは?


深町 今日は変態大集合ということで…。特殊な方々がたくさんいらっしゃって嬉しい限りです。では、そろそろお呼びしましょうか?
今日の主役のお二方、安齋肇さんと前野健太さんです!

安齋 こんばんは! この度は、お足元の悪い中を…

深町 いや、今日は特に悪くないですよ(笑)

安齋 …悪くもない中をありがとうございます。「変態だ」という映画を監督して韓国で賞をもらいました、安齋肇です。こんなにたくさんの変態の方に集まっていただけるとは思いもよりませんでした。ありがとうございます。そして、隣にいるのは…。

前野 映画「変態だ」で主役の「その男」という役を演じました前野健太です。

深町 前野さんが出ていらっしゃる「変態だ」のポスター、かっこいいですよね。アートディレクションは安齋さんですか?

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安齋 そうなんですよ。映画監督からデザインまで全部やりまして。BEAMS とコラボしたTシャツまで。

深町 もうそのTシャツは販売されてないんですよね。

前野 今日着てたら、空港で変な目で見られましたよ。ちょっと恥ずかしかった。

安齋 それ着て海外には行けないよね。

深町 今日はこの「変態だ」という映画についてのトークが中心なのですが、公開は去年の今頃で、今年の7月にDVDとBlu-rayが発売されたんですよね。今日はTSUTAYAさんのご協力により、会場内でも販売されています。映画のサントラ、すごくいいんですよ!前野健太さんの音源も収録されてます。

安齋 この会場ですけど、福岡のそうそうたる変態が集まっていると聞きました。ちなみにこの後は上映会をいたしますので、皆さんぜひそちらにもお越しください。

前野 多分、上映会はこれで最後になると思います。

安齋 そうですよ。もしどっかでやっていたら違法上映ですからね。

深町 原作と脚本を手がけたみうらじゅんさんがおっしゃってましたけど、公開2週間で打ち切りになったとか…。

安齋 実は、7週間までもったんですよ。すごいマニアの人がいて、大きい声では言えないんですけど、超有名な海賊映画をどけてこれをやってくれたんです。変態が海賊に勝ったんだって気持ちよかったですね。

深町 映画は、韓国の富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭のスペシャル・メンション賞を受賞したそうですね。韓国でのトークショーではすごく受けたと聞いていますが、現地の人の反応はどんな感じでしたか?

前野 日本だと、まず「安齋肇×みうらじゅん」だから絶対笑えるだろうというイメージがあってバイアスがかかっちゃっているんですけど、韓国の人はそこまで知らないんですよ。で、何の予備知識もなく見るからお客さんがゲラゲラ笑っちゃって、どんどん入り込んでくれていました。

安齋 韓国の人は主役の前野くんが追い詰められるシーンで爆笑してるんですよ。前野君のことをミュージシャンじゃなくてコメディアンとして見ているよね。

前野 多分そうです。

安齋 きっとジョン・ベルーシ(※2)だと思ってるね。あと、国際映画祭だったんで、海外の監督さん達も見てくれてて、すごく喜ばれていたみたい。

深町 じゃあ、これから世界に広がる可能性もありそうですね。

前野 韓国で作品の上映権を買ってくれたんで、これから韓国でも上映がかかるんではないかと。

深町 これは思わぬロングランですね。

前野 韓国で見ていて一番面白かったのは、とにかくスクリーンがでかい事ですね。

安齋 新宿のピカデリーなんかもでかいけど、その倍以上はあるね。

深町 そうすると、濡場なんかも…。

前野 アレはもう飛行機くらいですね。

安齋 ヌードが画面全体にバーンって出た瞬間に、慌ててモノを落としちゃった人もいて。

前野 皆さん固唾を飲んで見守っていましたね。

安齋 つばの音が聞こえるくらい。というか、ドリンクはいつ飲んだらいんですか?

深町 いや、もう今飲んでいいんですよ(焦)。じゃあ、せっかくですから、コール&レスポンスやりましょう!

安齋 去年の夏のsunset(※3)のライブでやったやつですね。福岡の人だけですよ、これやってくれたのは。いきなりやってみましょう、何人の人が反応するかな。行きますよ、変態か〜!!

会場一同 変態だ〜!!

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深町
 何すかコレ(笑)。でもsunsetでもすごかったですよね。

安齋 1000人くらいの人が「変態だ〜」って言ってね。ではいただきましょう!

深町 そう言えば、今回前野さんのスケジュールが抑えられないって、諦めていたんですよね。大阪でトークイベントをされるのは聞いていたので、いいなあって。福岡はお金もないし無理だろうと諦めていたら、安齋さんが無茶ぶりして連れてきてくださいました。

前野 夜中に安齋さんから突然メールが届いて、それで福岡に来ました。あと、韓国での受賞で映画ももう一回盛り上がるかもと思って。

深町 前野さんは本来シンガーソングライターでいらっしゃるんですけど、福岡ではなかなかパフォーマンスを見る機会はないですよね。

前野 ライブはあんまり無かったですね。九州に来ても別府とか嬉野とか温泉地に連れまわされて、なかなか福岡に来させてもらえないんですよ。

深町 そういうイメージがあるんですかね。前野さん、映画ではすごくナチュラルなんですよね。全然違和感がないというか。

安齋 「変態だ」の主役の「その男」に関しては、いわゆる「グフフフ」って言っている変態というよりは、普通の人が自分の才能を見つけていくという、みうらじゅんがよく描く青春ヒロインものみたいなイメージですね。

前野 ちなみに「変態だ」で縛られた縄はまだ持ってます。

(※2)「ブルース ブラザーズ」に出演していたアメリカの俳優。コメディアン、ミュージシャンとしても有名。

(※3)Sunset Live 深町さんがプロデュースする野外フェス
http://www.sunsetlive-info.com

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「変態だ」エピソード0は
安齋肇×みうらじゅんの大ゲンカから始まった


深町 この映画ができた経緯を聞きたいです。

安齋 そもそもは、みうらさんが書いているSM小説があるんですよ。でもその小説が絶対に映画化されないって嘆いてて、「僕の小説の中でも一生されないだろうなあ」ということを飲み会で寂しそうに言うんですよ。

深町 みうらさんの小説は何本か映画化されていますよね。「色即ぜねれいしょん」とか。

安齋 あれは田口トモロヲ君が監督してて、ちゃんとみうら君が書いた漫画みたいな映画になっているんですよ。でもそれに比べて、「変態だ」の原作になった「スレイブ オブ ラブ」は、無理だろうなと。

深町 「スレイブ オブ ラブ」って直訳すると「愛の奴隷」

安齋 まあ、SMの話ですよね。それで、僕は「そんなことないよ、できるよ」って励ましたんですよ。そしたらみうら君が「じゃあ、安齋君やってくれる?」って。僕も酔ってたんで軽く「いいよ〜」って言ったら、みうら君がめっちゃ喜んで、次の日からスポンサーを探し始めたんです。でも、もう一回小説を読み返したら、こいつはキビシイなと。それで「みうら君、ごめん!」って断っちゃったんですよ。そしたらみうら君がめっちゃ怒り出して…。「今まで2人で毎日のように飲んできたじゃないか! 何のためだったんだ! もう友達なんかじゃない!」って大ゲンカになりました。
「ぞうきん」って言う攻撃知ってます? 皮膚をね、こう痛〜いつまみ方があって、これを飲んでる間ずっとみうら君がやってくるんです。さすがに僕も怒って大ゲンカして、そのままみうら君は前歯を折って、僕はメガネのツルで顔を切って、止めに入ったディレクターは擦り傷だらけで…。

深町 2人ともいい大人ですよね(笑)。そのケンカ見たかった〜!

安齋 「勝手に観光協会」(※4)のロケ先だったんですけど、泊まっているホテルのロビーでも大暴れしたまま引き離されて。翌日は朝7時から撮影でカヌーをこがなきゃいけないわけですよ。二人乗りのなのに、ず〜っと口も聞かないで。その後のロケも、いつも隣の席に座っていたのに、ものすごく遠くに座って。そのまま3年くらいこじれたんですよ。

深町 え〜! えらい引っ張りましたね! その間も共演なさってましたよね?

安齋 してました。そこからは、もう友達じゃないから。「みうら君」が「みうらさん」になったし、向こうも「安齋君」から「安齋さん」になって、メールもよそよそしくなりました。で、ちょっとめんどくせえなと思ってたんですよ。
そしたら、ある日、みうら君が「安齋さんに話があるんだ」と言い出したんです。その時は2人でドジョウ鍋を突っついていたんですけど、その手を止めて「映画監督をやってくれませんか?」って。僕は「うわぁ〜、何の原作かも言わないよ。『スレイブ オブ ラブ』だったらどうしよう。またケンカだよ。ドジョウ鍋なんてひっくり返したら熱いよぉ〜」とか考えてたんですね。
そしたら、みうら君から「主演は前野健太君に決まっているんです。映画会社も決まっています。松竹です。あの『寅さん(※5)』の松竹です。やってもらえませんか?」って言われて。寅さんだったら、『スレイブ オブ ラブ』じゃないよねと思って、しょうがないから「いいよ」って軽く言ってみたんです。そしたらみうら君がすごく喜んで、「本当にやってもらえますか?」って言ったままそれ以上内容を教えてくれなかったんですよ。で、後日シナリオを送ってもらったら、タイトルに「変態だ」って書いてあって。結局SMものですよ。これ(『スレイブ オブ ラブ』の)名前変えただけじゃね〜か!! って。

会場一同 爆笑

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深町 前野君はなんて聞いてたんですか?

前野 多分、そのドジョウ鍋の時には僕に声かかっていなかったですね。

深町 勝手なみうらさんのイメージ?

前野 そう。脚本はあて書きで書いてくださったみたいですけど、聞かされたのはもっと後でしたよ。

安齋 松竹もウソでしたよね。「松竹ブロードキャスティング」って言うテレビの制作に関わる部署で、一応、松竹ビルの中では打ち合わせしてたんですけど。もう詐欺ですよね(笑)

前野 「寅さん」をテレビで放映する方の部署で。

安齋 映画の仕事をやったことなくて、初めて映画を撮る人ばっかりなんですよ。騙されたよね〜。

前野 僕も最初みうらさんから「松竹で3本やる」って言われました。もう決まっているって。

安齋 「松竹でバーンとやるからさぁ」って言っていたよね。

深町 みうらさん、そんなに大風呂敷を広げてたんですか!?

安齋 あの人ね、細かいことを確かめないんですよ(笑)。聞いた話をポジティブに受けとめちゃうから、「松竹ブロードキャスティングなんです」って言われても、「あの寅さんの松竹だぁ」って考えちゃう。

前野 しばらく「寅さん、釣りバカ(※6)、変態だ」って言ってましたよね。シリーズ物としては久しぶりなので松竹側も力が入ってる。3本契約だって言われましたもんね。


(※4)安齋肇さんとみうらじゅんさんが全国各地を行脚する人気番組
http://www.discberry.com/kanko/index.html

(※5)松竹を代表するお正月映画「男はつらいよ」の事。寅さんは主役の「フーテンの寅」こと車寅次郎

(※6)寅さんの後継として公開された松竹のお正月映画「釣りバカ日誌」の事

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“その男”前野健太を追い込んだ撮影現場の裏側
全ての変態に捧ぐ“アンサーソング”が生まれるまで


深町 前野さんって、それまでにお芝居の経験はあったんですか?

前野 ないですね。ドキュメンタリーはあったけど、演技ではないし。

深町 そうすると抵抗はなかったんですか?しかもこの役はただの役じゃないですよね。

前野 演じる事への抵抗はそんなになかったんですけど、最初の脚本の段階では、この革のパンツが白ブリーフだったんですよ。で、色々大変な目に遭う役だと。それで悶々として、OKを出すまでに結構時間がかかりました。実は騙されているんじゃなかろうかと疑ってフラストレーションが溜まって。僕もみうらさんとケンカになりました。そしたら、次の打ち合わせの時に「やっぱ革パンだよね」って、白ブリーフから革パンに昇格して、それならって引き受けたんです。

深町 気になっていた所はそこなんですか!?

安齋 みうらさんは細かいディティールばっか言うんですよ。「白いブリーフでさ、後ろにうんこがバーンと付いてんだよね!」とか。そんなのミュージシャンがやる!? ダウンタウンのコントだよって(笑)

前野 でも次の日買いに行ったんですよ。グンゼの白ブリーフ。一応鏡の前でかっこいいかどうか確かめたんですけど、ちょっと分からなくて悶々としていました。

安齋 前野君は役になりきろうと思って、一生懸命役作りをやっていたんですよ。

前野 いやいや、ちょっと! おかしくないですか?僕なんもやってないですよ。

安齋 いや〜、役作りしなかったらできないっしょ。

深町 自然な感じに見えましたけど?


安齋 いやいやいや! あれはね、「ワン」って言う犬の鳴き声しか発しないドレイの役なんですよ。

深町 このあと見る方へのネタバレになっちゃいません?

安齋 いやいや、いいですよ。

前野 ダメですよ! あの部分だけで1200円分くらいはありますから。やめときましょう。まあでも、音楽の練習で借りていたスタジオにギターも持たず手ぶらで入って、鏡見ながら「ワン」って鳴き声の練習をしてました。マイクも通さないで、いろんな「ワン」の研究をして、俺何やってんだろうって…。

会場一同 爆笑

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深町 安齋さんって、本職はイラストレーターだし、監督する映画の中でもビジュアルだったり絵コンテだったり、がっちり固めていらっしゃったんだろうなと思うんですが。

安齋 そうですよね。僕もね、絵コンテを全カット描こうと思ってたんですよ。黒澤明みたいに。そしたら新しいプロデューサーが「絵コンテは一枚も描かないでくれ」って言うんですよ。僕が描いちゃうと、みんながそのイメージにのっとった画づくりをして大変になるから書くなと。美術や衣装について文句を言うなと言う事ですよ。お前にそんな権限はないと。

深町 監督なのに!? それじゃあ、美術さんや衣装さんがそれぞれで選んで来て、撮影当日に初めて見るなんてものもあったんじゃないですか?

安齋 それは多かったですよ。だから現場で見て決めるスタイルにしたんですよ。北野武監督がそんな風にしてるって聞いたので。それに、撮影をお願いしたカメラマンは三浦健司っていうロックPV撮っている方で、僕はその方の画作りが大好きなんですね。もう1人のカメラマンさんもエミー賞取っているようなすごい人。この2人がいるから絶対大丈夫だし、撮影は楽しかったです。
それでも、やっていても現実的にどんなセットになるかわからないわけですよ。聞かれても、僕の立ち位置もよく説明できないし、どこが入り口か出口か分からないんだから、どうしようもないじゃないですか。

深町 それって監督としてはめちゃめちゃ不安じゃないですか。

安齋 いや、でもすんごい面白いじゃないですか。

深町 変態や(笑)

安齋 それでヘタこいたら、あ〜あってなるし、うまく行ったらライブ感のある面白い映像になるし。

深町 「変態だ」のドキュメンタリー的な雰囲気って、そういうところから来ているんですね。

安齋 だって主役の前野くんはミュージシャンですもん。めっちゃめちゃ本番強いんですよ。一発撮りのシーンは随分多いですよね。

前野 ですね。やっぱり監督がスタッフやキャストをすごく信じきっていたので、即興性に耐えうるものになったのかと。昔のピンク映画や低予算映画みたいな雰囲気に似ていたのかな。

安齋 (ピンク映画に)憧れてますからね。

深町 「にっかつロマンポルノ」とか、あんな雰囲気が漂ってますよね。ちょっとアート系でもある感じ。

安齋 そうそう、かなりね。DJのようにいろんな要素をね…。

深町 今なんかいい事を言おうとしたでしょ(笑)

前野 僕は本当に想像していなかった事ですけど、監督が僕にだけ厳しかったんですよ。僕、撮影していた雪山のホテルで1人泣きましたから。

深町 そんなに追い込まれてたんだ!?

前野 はい。監督としての天性なんですかね。他の女優さんには優しいんですよ。「大丈夫?」「なんでも言ってね」とか言っているのに、僕には「お前はさ、演技もできないしさ…」って。

安齋 すんごい悪い奴ですよね(笑)

前野 だから、若松孝二監督よりも怖いす。若松監督は普段から怖いけど、安齋さんはいつも優しいからギャップがある分もっと怖い。

安齋 役に入りすぎて、病みたいになってたんだって!

前野 僕は山のホテルで、「なんでこんな事させられるんだろう」って電気毛布にくるまって泣いて…。撮影後も1年くらいその気持ちが抜けなくて、こないだの韓国でやっと昔の安齋さんに戻ってくれたなとホッとしました。

安齋 違うんですよ! 俺は昔のままなんですよ。やっぱりミュージシャンの方って、ライブ前の、ある種の世界観にストイックに入っていく感じなんですよ。ベテランの役者だと、直前までくだらない事を言ってても、本番に入ったら泣いたりすんじゃないですか。この人(前野さん)にそれは無理でしょ、やっぱり。だから、極力冗談言って笑わせることだけは辞めようと。朗らかになってしまったら、台無しになるなと。せっかく自分で追い込んで来ている姿を見ているから。だって、この亀甲縛り、自分でできるようになったんですよ。

前野 ひたすら練習して、セルフ縛りですよ。

安齋 そこまでやる人、あんまりいないじゃないですか。

前野 人の縛るのなんて、もう楽勝ですよ!

深町 本番入る前は自分で縛ってたんですね。できるんだ、そんな事。

前野 緊縛師の先生がいて。「織田信縄」っていう。

安齋 その先生にね、前野くんはすっごく褒められたんですよ。

前野 最初にSMの先生に叩かれた時に「ウッ」って声が出ちゃったんですよ。帰り際に「彼はミュージシャンにしとくにはもったいない」って言われました(笑)

安齋 あの先生はすごいよね。全然目が笑ってないですもん。

深町 あわやスカウトを受けたと。

前野 先生、お店もやっているんですけど、執拗に「うちの店に来てくれ」って。

安齋 先生は男性なんですけどね。

深町 前野さんがいかに役にハマったか、その成果を映画でぜひご覧いただきたいですよね。

前野 でもこれって、僕じゃなくてもできる役ですよ。ひたすら監督のプレッシャーというか、イジメに耐えて亀甲縛りの練習をすれば誰でもできる。なんの才能もない男が変身していくというか、変態していく映画なんで、たまたま僕がこうなっただけで。

安齋 いや〜これは前野健太にしかできない役なんだって。

前野 映画の中で傷がいっぱいできているんですけど、これ生傷がいっぱいあるんですよ。全然使うシーンないのに、雪山のイバラの道を歩かせるんですよ。血とか出てんのに。

安齋 だって分かんないもん。メイクかなと思ってたし。

深町 安齋監督はドSなんですね。

安齋 いや違うんですよ! その時は、地元の人が通る山道を撮影のために封鎖していたんですけど、そこを巡って地元の人とスタッフが口論しているんですよ。日はどんどん落ちて、気温も下がってくるし。罵声が聞こえる中で一回しか撮れないとなると、そりゃ、やるしかないですよね。出演してくれた宮藤官九郎くんとか真心ブラザーズの櫻井くんとかも「こりゃ厳しい状況だな、ひょっとして明日まで撮影が延びたら俺は来れないな」みたいな顔してるんで。

深町 ギリギリのスケジュールでやってるんですもんね。

安齋 宮藤官九郎という人はおまわりさんの格好してコート着て、予算で買ったホカロンを全部貼って。コートの中で金塊を密輸した人みたいに。それで寒い寒いって言ってるんですよ。なのに、この人(前野さん)これ(ポスターのビジュアルと同じ格好)だよ。

深町 前野さん、相当きつかったでしょ?

前野 でも肉体的にはそれほど。アドレナリンがすごい出ちゃってる現場で、美術さんが交通整理とか、みんなで持ち場を離れて働いてたんです。少数精鋭というか、テンションがすごく高くて。

深町 安齋さんもひょうひょうとしたイメージありますけど、現場ではクリエイト魂が出ちゃうんですか?

前野 いや、安齋さん「スタート」も言わないですよ。

安齋 「カット」も言った事ないですよ。あ、でも1回言ったな。本当に前野くんが死にそうな時があって、その時は言った。白目剥いてんのに誰も言わないんだもん。

深町 じゃあ、いつから撮影始まっているかも前野さんは分からないんですね。

前野 いや、撮影監督の三浦さんは安齋さんの先輩なんですけど、始める時に「安齋!いくよ!」って。それが合図ですね。

安齋 「もう回ってるぞ!俺は」って。

前野 「テスト本番!いくぞ!」って。毎回テスト本番なんですよ。だから俺分かんないんですよ、テストか本番か(笑)。しかも撮り終わった後に「安齋、いいか?」って言うけど、安齋さんは特に何も言ってないんですよ(笑)「いいんじゃないかな〜」位で。

安齋 俺はホラ、みんなの健康のことを気遣ってたから。

前野 ある時、すごい大事な長回しのシーンがあったんですよ。15分くらいの。で、そこでも三浦さんが「いいかぁ、安齋回ってんぞ、テスト本番いくぞ」って言って、15分回した後に「安齋ゴメン!回ってなかった!」って。嘘でしょ!? ふざけんなよと思って。俺一番きついとこだったのに。

安齋 「回ってないんだよ。わっかんないんだよ、この赤いやつがさ!!」って自分で言ってたね。

前野 それで「ゴメンゴメン!前田くん!」って。三浦さん、ずっと俺のこと「前田くん」って呼んでたんですよ。前野だっつってんのに(笑)

安齋 こないだ、その三浦さんがTUBEの撮影をしたそうなんですけど、ずっと前田さんを「前野くん」って呼んでたらしい(笑)

深町 有名なカメラマンさんですけどね。

安齋 本当、長回しの時は殴ってやろうかと思いましたよ(笑)

9

深町 前野さんといえばミュージシャンだけあって、「変態だ」のサントラも素晴らしいんですよね。今日はせっかく前野さんもいらっしゃってるんで、何か1曲でも…。

前野 できないですよ。何も持って来てないし。
(ギターがそっと下手から運ばれてきた所で…)

前野 って、あれ! ギターがある。しょうがないなあ…。

安齋 前野くん演技下手だね。

前野 その言い方…撮影中を思い出すなぁ。

安齋 今回、音楽に関しては古田タカシさんに入ってもらいました。

深町 あとは「クレイジーケンバンド」の小野瀬さんも参加していらしたとか。

安齋 そうそう、シタールみたいなの弾いてくれたりね。あとはサックスの梅津さん。真心ブラザーズの櫻井くんとかね。

深町 安齋さんの人脈もあって、スペシャルなメンバーですよね。サントラだけ聴いても楽しめるクオリティ。愛人役で出演された月船さららさんも歌ってらっしゃいますよね。

安齋 月船さんは元々宝塚の男役のトップスターなんですね。にもかかわらず宝塚を辞めてからはヌードを出して、激しい映画にたくさん出ている不思議な方。宝塚出身なんだから、何か歌ってもらいたいなと。メインの曲は昔みうらじゅんが作った不倫の歌なんですけど、それがテーマソングになってて。
あと、僕が前野くんと知り合う前から好きだった前野くんの「fuck  me」って曲を月船さんに歌ってもらいました。

深町 なかなか衝撃的なタイトル。元々映画に関係なく作った曲なんですね。

前野 2010年の4月のことですね。

安齋 前野くんは、それこそ吟遊詩人みたいな、旅をして放浪しながら歌を作っていくタイプのミュージシャンですよね。なかなかいないタイプですよ。

前野 いや、吟遊詩人って結構いっぱいいますよね。

安齋 多分ね(笑)でもその中の1人だよ。

前野 でも、映画のエンディングテーマを書かせてくださいって言ったら、「それはいらない」って断ったじゃないですか。

安齋 だってさ〜。映画終わって、客出しのだったらいいよって。

前野 それで、映画終わって、安齋さんとみうらさんのタッグについてのアンサーソングを勝手に作ったんですね。

安齋 すごくいい曲なんですよね。

前野 先に「変態だ」って言われちゃってるから、「変態か?」って曲を作ったんです。アンサーになってるのかっていう。

安齋 逆だよね。思い返せば、みたいな。

前野 まあ変態になりきれてんのかっていう。では行きます。

ここで、前野さんが「変態か?」を披露してくださいました。その力強くも叙情的な歌声に場内は一度静まり返ったのち、湧き上がる拍手の渦に包まれます。
惜しくも聞き逃した方へ「変態だ」のサントラ盤にも収録されています。

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安齋 ね、ミュージシャンだったでしょ。

深町 いや〜、きますね。歌詞がまたね。

前野 映画で使っていただけなかったんですよ。この歌は。客出しでも使われず、サントラにしか入ってない。

安齋 入る場所ないですよね。

深町 タイトルも「変態」に合わせてるのに!?

前野 「お前のイズムと俺のイズムは全然違うでしょ、だから遠慮なんかすんなよ」のところは、安齋さんとみうらさんへ僕からケンカをふっかけているんです。やっぱり、文化系ヤクザの御大に一発やんないと違うかなと思って。

深町 そういった意味のアンサー?

前野 そう。歌だったら言えるかなって。

安齋 まあね、遠慮しがちだよね。

深町 パイセンだからね。なかなか言いたいことを言えない雰囲気だよね。

前野 まあ遠慮していますね。でも僕は撮影後、「変態だ2」なんて絶対嫌だと思っていたんですけど、今は安齋さんともう一回やりたいんですよ

安齋 ありがとうございます!

前野 ここ、拍手もらっていいすか?

会場内 爆笑

深町 だって、「男はつらいよ」「釣りバカ」ときて、「変態だ」なんですから、2の話がきてもいいんじゃないですか?

前野 松竹ブロードキャスティングでは3部作で話がまとまってたらしいですよ。だから、2はもう脚本もあるんです。タイのプーケットで撮影って聞いてたので、僕はもうノリノリだったんですけど。予告編の構想は海の中からバタフライでバッサ〜ッと泳いできて、「変態だ2」って言う。しかも、俺じゃなくて、斎藤工さんが(笑)。

安齋 ポスターと同じ格好して、斎藤工さんが。

前野 そのオチまで聞いててOKしたんですけど…ねえ。

深町 安齋さん的にはどうなんですか?長編としては初監督作品でしょ?

安齋 う〜ん、なんかね。みうら君には言っているんですけど、タイトル変えてくれないかなと思ってます。いまだに親にも言えないんですよ。映画撮ってる事、内緒になってるんですから。

会場内 爆笑

深町 安齋家もなかなかすごい方ばかりですもんね。お父様はアーティストだし。

安齋 いやいや、普通に年老いた親をね、悲しませるのもね。

前野 この「変態だ」ってタイトルが韓国で受けたのは、そもそも韓国語って、「〜ダ」って付くじゃないですか。ハムニダとか。それで親近感が湧くらしいんですよ。

安齋 なんて言うんだっけ、「ピョンテダ」

前野 韓国語で「変態だ」って、「ピョンテダ」って言うんですって。でも、「変態だ」でも通じるらしいんですよ。韓国の人は、韓国語に寄せてくれたって勘違いしているんじゃないですか。だから、これはよかったんじゃないですかね。

深町 この映画って、R18でなくても良かったんじゃないかと思うんですけど。内容的に。

安齋 そうそう!R15のバージョンも作ったんですけど、それすごくイイよ!

前野 俺、一回も見せてもらってないんですけど。

安齋 俺も一回しかない。イケないシーンを削っていて、前バリとかそれを思わすようなシーンを消してるんですけど、その消し方がウッドストックみたいで。

深町 モザイクじゃなくて、フワッとしたようなボカシの…。

安齋 めっちゃかっこいいっすよ。僕はこっちにしときゃよかったと思った。

深町 あっちのが結局イヤらしかったりするんですよね。

安齋 もうすんごいヤラシイ! だって、Hのシーンでずっと顔ばっかり映るようになるわけですよ。普通そんなHシーン無いよね。

深町 前野君、濡場の撮影はどうでした?

前野 いや〜、もう一回撮りたいっすね。いや、いやらしい意味じゃなくて!

安齋 ちなみに現場では前バリしてくれって言われたんですけど、なんか不自然じゃないですか。奥さん役の白石さんは「どっちでもイイですぅ〜」って言ってくれたので、すぐに前野くんに相談したよね。

深町 男のコケン、いやコカンに関わる事ですからね。

前野 うまい!でもプロデューサーが「ぜひ前バリを…」って言うから、仕方なく前バリをつけました。

安齋 本当はAVも出したかったんですけどね…。

前野 AVはまだ早いっすわ。

深町 監督的にはどうなんですか?興奮するんですか?
安齋 もう皆さんひどいんですよ。ニタニタニタニタしてるんですよ!

前野 全編アフレコだから、現場では音声撮ってないし、何を言ってもイイんですよ! もう現場うるさくて!

安齋 右のオッパイいけぇ〜! とか、もっとキス長くぅ〜!! とか。

前野 全然集中できないんですよ! カメラマンの三浦さんとか、叫びながらシャッター押しまくってましたもん。

深町 楽しそうな現場ですね!

前野 その撮影の時だけですよ。30分くらいの。

深町 撮影的にはラストの方なんですか?

安齋 いや、キツい撮影の後なんですよ。ご褒美みたいな。

前野 …まあ、そんな話はいいんですけど。

安齋 もう一曲くらい歌ってよ。

前野 じゃあ、安齋さんも一緒に「fuck me」を。

安齋 俺はこの曲、一番しか知らない。さっき喫茶店で前野君が歌詞を書いてくれたんですよ。最初はこの曲が好きになって、前野健太という人がどんな人なのか知りたくなった。で、実際会ってみたら、酔っ払ってフスマと一緒に倒れてきたんです(笑)。そのギャップがね、もうハマっちゃうんです。

前野 そういや、ここの地下一階の饅頭屋さんの売り子さんがいるじゃないですか。すっごくかわいかったな。黄色い看板の。誰ですか、あの娘?

深町 知らないですよ! なんで今そんな話なんですか?

前野 いや、目が合ったんですよ。

安齋 それ言ったら、ドトールの女の子もかわいかったよ!!

深町 実りのない話…。

前野 いや実りはあるんですよ。福岡は僕もいろいろ思い出がありまして…。

安齋 そんな事を歌にしました…「fuck me」

(ここで、安齋さんが心を奪われた名曲「fuck me」のイントロが流れ、ゆっくりと会場が前野さんの音楽に染まっていきます。ラストのフレーズの後、一呼吸置いて割れんばかりの拍手が鳴り響きました)

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「映画に出てくる人は自分を解放したい人の集まりなんです」
変態という名の自由を手に入れるには…

深町 安齋さん、途中「悪安齋」が出ましたね。

安齋 いえいえいえ(笑)ありがとうございます。

深町 前野さんに来てもらえて本当に良かったですね。

前野 …中洲って、夜遅くまで開いてるんですか?

深町 収まらなくなって来た?

前野 いや〜、昔「パスポート」って言うソープランド行ったら、130kgくらいの人が出て来て…。

安齋 マライア・キャリーよりでっかい!!

前野 個室に入ったら、爪切ってて、「マジでさ、爪割れちゃってさ〜」とか言ってて、全然相手してくんないの。「あの…、どうですか?そろそろ…」って話しかけたら、上乗っかってくれたんだけど、ギックリ腰になっちゃって。

深町 中洲にはそう言う思い出があるって事…?
前野 今日はリベンジしようかと思って。

安齋 爆笑

深町 ぜひ(笑)。今日は「変態」トークがテーマだったんですけど、考えたら、我々にとっての変態の頂点って、タモリさんじゃないですか?

安齋 かっこいい方はね。憧れる変態はタモリさんですよ。

深町 僕はリリーさんも同じ匂いがするんですけど、以前リリーさんに50代になったらやりたい事を聞いた時に、マジで「男を抱くか抱かれるかしたい」って言ってましたから。

安齋 みうら君も言うよね。酔うと抱くか抱かれるかどっちがいいかって。俺はどうよって聞いてきますね。

前野 僕もキスは何回か…。

安齋 本当困るよね、あれ(笑)

深町 前野さん、変態カミングアウトってあります?

前野 そうだなあ。変態性って性欲が薄れて来た頃に出てくるんじゃないですかね。だから、18の頃はチカンまがいの事もしてたり…。あれ、(会場が)シーンとなっちゃったよ…。でも、それは性欲じゃないですか。変態ではなくて。性欲を通り過ぎて、それから人間ごっこが始まるんじゃないですかね。
どうすか? 深町さんも変態ポテンシャルが高そうですけど?

深町 俺ね、お経で興奮するというのはあります。

安齋・前野 え?

深町 俺、空海が大好きで調べてたんですよ。で、空海と最澄って最初はすごく仲が良かったらしいんですね。でもある時大ゲンカしたんですって。安齋さんとみうらさんみたいに。その原因になった経典にセックスのことを書いた箇所があるらしい。大まかに言うと「セックスは即菩薩に値するものだ」という意味なんですね。その話を聞いた時に「これだ!」と思って。性欲が菩薩の位になるんだということに無茶苦茶興奮して!…という話なんですけど、すみません。

前野 なんだか天台宗が「ヘンタイ宗」に聞こえて、この人何言ってんのかなって思いました。

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安齋 俺ね、変態を変態と感じない。変態の定義っていろいろあるじゃないですか。SMの話もよ〜く聞いていくと、「最終的にHをしないというのがSMの流儀だ」という人もいれば、「むしろ性的な事すらないのがSM」という人もいる。だから変態って、すごく自由って事だよなと思うことにしたんです。映画に出てくる人は、性的にイヤらしい人ではなくて、自分を解放したい、自分を自由にしたいという人の集まりだという風に映ればいいなと。その中に、いくつかの道徳的にイケない事を当てはめていくんですよ。例えば、愛人は独占欲や束縛が強いけど実はその裏側で奴隷の一番の理解者であるし、献身的な奥さんは、実は愛する夫の自由を奪って拘束する、SMでいうSにも見えてくる。そういうのを入れていくと、自分の変態ってどこにあるのかなって思うんですよ。それで、僕の変態性は「ウクレレえいじ」(※)の立ち位置かなと。ウクレレえいじはナチュラルに変態なんですよ。僕、一番自然に変態だって思われている人が一番幸せなんだなと考えたんです。

深町 安齋さんもそのタイプですよね。

安齋 一番なりたいですね。あんな風に。何事にも一生懸命なんだけど、完璧にズレてるみたいな。

深町 変わり続けるありさまみたいな、それがもしかしたら変態って事なんでしょうか。

安齋 僕も毎日いろいろ変わりたいなと思っています。それが自由だと履き違えてる。

深町 安齋さんはそんなイメージですね。執着しないというか。

安齋 変態ってカッコいいっていう意味になればいいねって作ったんですよね!

前野 …そうですね。あの、みうらさんは「KAWAII」みたいに、「HENTAI」も世界に広めたいって言ってますね。

安齋 「HENTAI」が特別にカッコいい事になると。

前野 僕は皆さん変態だと思うんですよ。環境が全員違うと、それぞれ感じ方も表現するものも違ってくる。自分が変わっていくさまを極めていくことが変態。全員変態にならないかという映画ですよ、これは。

安齋 ちょっと待って! そこまで風呂敷広げなくていいんじゃないの。

前野 それはそうですね。

深町 でも監督にもそういう思いはあったんじゃないですか?

安齋 そうはいっても娯楽ですから。皆が大笑いして楽しんで見てもらえれば。あと、「変態だ」が雪山だから、「変態だ2」 は海、「変態だ3」は宇宙だって言ってます。

前野 これは2絶対やらないとダメでしょう。あ!SMとかはされないんですか?

深町 僕痛いのイヤなんです。どっちかというといじめたい側で。

前野 今の決めつけですよね。実際はいじめられる方にハマるかも。

安齋 心を自由にしないと。

前野 僕、深町さんはもんのすごいMだと思いますよ。

安齋 僕はどっちかというとSなんですよ。でもそれはMを超えたところにあるSなんです。めんどくさいんですよ、人は。

深町 確かに。

安齋 もしよかったら、映画も見てください。変態は静かなるブームですから。

深町 次は「変態だ2」が出た時にお会いしましょう!


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仲が良いのか悪いのか、なんとも不思議な関係の安齋さんと前野さんの話に、みうらさんとのエピソード、普通の人ならドン引くような変態話、その合間に心を溶かすような前野さんの歌声を交えて…。まさにカオスなトークショーが繰り広げられた今宵のRETHINK CAFÉ。
単なる性癖や嗜好の話だけではなく、変わりゆく自分を自由に解放する事なのだとしたら、変態は我々からそんなに遠い存在ではなさそうです。むしろ、今のあなた自身がすでに変態なのかも。
やがて来たるべき、人類皆HENTAI!な世界に向けて、まずは映画「変態だ」で予習をしてみてはいかがでしょう。



ReTHINK FUKUOKA PROJECTについて
コミュニケーションや働き方、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている福岡。新しい産業やコミュニティ、文化が生まれるイノベーティブでエネルギッシュな街となっています。
そのチカラの根底には、この街に魅力を感じて、自らが発信源となっている企業や人がいます。
ReTHINK FUKUOKA PROJECTは、「ReTHINK FUKUOKA」をテーマに、まったく異なるジャンルで活躍する企業や人々が集い、有機的につながることで新しいこと・ものを生み出すプロジェクトです。

 


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