インタビュー

「このまちのカルチャーメーカーにしたい」ゲストハウス概念を大きく変える「THE LIFE Hostel & Bar Lounge」安河内さんインタビュー

HAKATag CLAPS」のラストスポットとして登場するのが、博多区のホステル「THE LIFE Hostel & Bar Lounge(以下、THE LIFE)」。近年、国内外問わず海外からの旅行客が多い福岡のまちで、ホステルやゲストハウスのこれまでのイメージを覆す高いデザイン性で注目されているスポットのひとつです。「THE LIFE」代表取締役の安河内浩之さんは、若干32歳で、ホステルをはじめ多彩なビジネスを展開する若きイノベイター。世界を舞台に活躍してきた安河内さんの目に、福岡のまちはどのように映るのでしょうか。そして、既存のホステルを超えた「THE LIFE」の役割とは?  安河内さんのインタビューをご紹介します。

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安河内浩之/福岡生まれ、福岡育ち。立命館アジア太平洋大学学生時代から、音楽フェスの企画・運営、飲食店経営、旅行代理店運営、インドでのフリースクール立ち上げなど、多岐にわたる活動を展開。2016年夏には、博多に日本初IoTデバイスを取り入れたスマートホステル「&AND HOSTEL」をオープンし、今年3月には2店舗目となる「THE LIFE」をオープン。

「働く」×「泊まる」がひとつになったホステル

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—–安河内さんがホステルをオープンした理由は?

 もともと大学時代から野外フェスの企画や、飲食店経営、インドのバラナシでフリースクール兼ゲストハウス立ち上げなど、色々なことをしていました。そういった経験を積んでいくなかで、「旅×音楽×食」をベースに色々な人たちが交差できる、“重力のある”空間を作りたいと思うようになりました。それって、ホステルなんじゃないか、と。

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—–そして2016年夏にオープンしたのが、1号店の「&AND HOSTEL(アンドホステル)。今年3月には、2店舗目となる「THE LIFE」がオープンしています。「THE LIFE」のホステルとしての特徴を教えてください。

 一番は、ホステルの隣にワークスペースがあることですね。僕自身、出張も多くて打ち合わせも色んな場所でしていますが、その経験から、カフェなどのワークスペースをわざわざ探したりすることが大変だと感じることもしばしばで。だったら、宿に仕事できる空間があればいい。この構想に共感していただいたシェアオフィス「The Company」さんから「隣にゲストハウスをつくらないか」と声をかけていただき、願ったり叶ったりで、二つ返事で承知しました。
 もうひとつの特徴は、デザインですね。これまでの「安かろう悪かろう」というホステルの一般的なイメージを払拭しなければいけないと感じていたので、価格帯を抑えながらも高いデザイン性を追究してつくりました。

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シンプルで機能性の高いつくりのドミトリーは、一泊¥2,900から。ほか、女性専用ドミトリーやファミリールームなど、客室もさまざま

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広々としたキッチンが来訪者どうしの新しい出会いの場となることも。壁には宿泊客がアート作品を展示することも可能なギャラリースペースとして機能

福岡は、イノベーションに必要な“フラット”な自分に欠かせないまち

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THE LIFEの駐輪場には、「LIVE THE MOMENT, LEAVE THE PHONE.」の文字

—–ホステルに博多という地を選んだのはなぜですか?

 ホステルをオープンするなら、自分の出身地であり、アジアの拠点でもある福岡しかないなと、考えていました。ただ最初は海の近くにと、今宿(福岡市西区)でオープンさせる予定でしたが、途中でいろいろあって頓挫して。そんなときに、中洲川端商店街(福岡市博多区)の空き店舗情報があり、博多駅からも天神エリアからも近く、空港から傘を差さずに行き来できる最高の立地ということもあり、そこに決めました。

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—–安河内さんから見て、博多を含めた福岡のまちの良さはどんなところにありますか?

 大きすぎず小さすぎず、都会すぎず田舎すぎず、都市と地方のバランスがちょうどいいと感じますね。コミュニティもつくりやすいし、自分たちの動きが形になって見えやすい。また、どちらかに偏らないという意味で、福岡は“フラット”な場所です。東京などの大都市や自然に囲まれたいわゆる“田舎”にもそれぞれ良さはありますが、極端すぎると自分自身がニュートラルであることに気付きにくい。フラットな状況では、絶えず“自分”というものを自己再生しやすく、だからこそイノベーションも生まれやすいと思います。


—–逆に、福岡のまちがもっとこうあったらいいなと思うのは、どんなところですか?

 夜間に出歩ける場所や店がもっとあったらと思います。海外からの旅行客も、夜になると行くところがなくなっちゃうんです。欧米でもアジアでも、深夜に賑わっているまちって珍しくない。そういうこともあって、「THE LIFE」のバーラウンジ営業は夜中の1時まで。月8本ペースでDJイベントを開催するなど、ナイトライフを少しでも楽しんでもらえるように心がけています。
 あとは海外旅行者から、まちなかに「東西南北」の標記を充実させて欲しいという声も聞きます。彼ら、僕らが思ってる以上に迷ってるんですね(笑)

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一階のバーラウンジは、宿泊客以外の一般の利用も可能。豊富なアルコール類をはじめ、奥沢のコーヒー専門店「オニバスコーヒー」の豆を使ったコーヒーや、40種のフードなどこだわりがたくさん。ビーガンメニューがあるのも嬉しい。


カルチャーメーカーとしてのホステル


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—–ベンさんの動画の〆のスポットとして登場しますが、そのいきさつは?

 ちょうどDJのイベントしている最中に、知人とベンが現れて、「ビデオを取りたいからみんなで博多手一本をしよう」って。ビデオを見ると、色々な顔ぶれが集うこの場所の良さが出ているので嬉しいですね。世界を点々としている彼ですが、福岡に戻ってきたらまた遊びに来てくれるそうですので楽しみにしています。


—–オープンして間もない「THE LIFE」ですが、今後このまちで、どのような存在として機能させていきたいですか?

 ナイトカルチャーが特に少ないこのエリアにオープンして、文字通り「灯りがないところに灯をともす」ことができたと感じています。まずはこの場所を通して夜の福岡のまちが少しでも盛り上がっていくと嬉しいですね。
 もうひとつは、カルチャーメーカーとしての役割を担っていきたいです。「旅×音楽×食」という文化の交わりがあり、そこに「働く」ことが加わって、様々なカルチャーを体感できる場所でありたいと思います。

 リーズナブルな宿泊料金、新しい出会いの場、現地感を満喫できる……といった既存のホステルの魅力はもちろん保ちながら、ワークスペースとしての機能や博多の夜に賑わいを生み出すなど、さらなる付加価値をプラスしてスタートしたホステル「THE LIFE」。今後もさまざまなカルチャーを発信する場所として注目を集めそうです。安河内さん、ありがとうございました!

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「HAKATag CLAPS」では、ラストスポットとして登場する「THE LIFE」。安河内さんが音頭をとる姿を見ながら、動画のBGMが実は博多手一本(※)のリズムだったことに気付いてびっくりです! ※博多祇園山笠を起源とした、福岡で今も使われる独特なリズムの一本締め

 

■「HAKATag CLAPS」を撮ったベンさんのインタビュー記事はこちら

(取材/編集部)


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