インタビュー

ネギの種まき体験記。糸島市長糸地区の若手農家「寺本ダーウィン農園」を訪問しました


4月のはじめ、福岡は糸島市の長糸地区にて「寺本ダーウィン農園」を営む寺本洋平さんから、「ネギの種まきをするよー!」とのお知らせが届きました。寺本さんは、アナバナ主催のイベント「皿の上の九州」で出展いただいた農家グループ「長糸コンタ」のメンバーで、ネギを中心にお野菜をつくっている農家さんです。

田舎育ちのわたくし天野ですが、ネギの種まきはいまだ未体験。今回お手伝いもさせていただけるということで、「これは貴重な機会だぞ!」と心躍らせ、早速おじゃましてきました!

8ヶ月先が待ち遠しい!
おいしさ折り紙付きのネギを植え付け

寺本さんが農業を営む糸島市長糸地区は、編集部のある博多区千代町から車で約30分の場所にあります。脊振山系のひとつ、雷山のふもとにあるこの場所は美しい清流が流れる農村です。
きれいなお水で育つネギは、さぞかしみずみずしくておいしいのだろうなあ!

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こちらが寺本さん。身近なお野菜ながら意外と知らないネギのあれやこれやを、丁寧に教えてくださいました

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山に囲まれ、とても穏やかな場所にあるハウス。苗はここである程度の大きさになるまで育てられたのち、露地の畑へとうつされます

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ハウスの中にはネギのほか、サボイキャベツやゼブラナスといった珍しいお野菜もありました。買い手の「これもつくってほしい!」との声にこたえ、新しい品種の栽培にも挑戦する熱心な寺本さんです

寺本さんは糸島へ移住されて7年目、農業を営んでからは3年目の農家です。
つくっている4種類のネギはデパートやレストランへも卸しているとのこと、その美味しさは折り紙つきです。太くて甘い西洋ネギのリーキは、中でも特に人気なのだそう。

身近な野菜のネギですが、実は収穫まで8ヶ月もの時間がかかります。
例えば4ヶ月で収穫できるレタスと比べると、その長さは約2倍!こんなに身近でお手頃で手に入るネギが、長い間愛情をそそがれてじっくりと育つ野菜だということを初めて知った種まき体験でした。
一つ一つのポットに種をまく地道な作業も、「これが8ヶ月後には大きなネギになるのだ」と思うと感慨深い!

「育てがいがあって好きなんっすよね」と笑う寺本さんは、きっとネギのことを相当お好きなのだろうなあ。

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長ネギの種はポットに3つずつ。種は本来黒く小さな姿をしていますが、より種まきをしやすいようにと加工がされてありました

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種まき体験中のようす。寺本さんは慣れた手つきでスイスイと植えていきます。普段はお一人で作業をされながら、年間約3トンものネギを生産しているなんて驚きです

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袋の表面に成分表がのった土。チッソは葉を、リンは身を、カリは根をつくるのだとか。農家さんは欲しい土をここを見て選ぶのですって!寺本さんは「農業って科学っすよね〜」と楽しそう

 

11月はネギバーを開催!
地域の課題に向き合う寺本さんを追いかけます

ハウスを出て露地の畑を案内していただくと、山を背にして気持ちのよい段々畑が広がります。
寺本さんがネギを育てる複数の畑を合わせると、実に80a(約2400坪程度)という広さ。

「こんなにいい畑、どこで見つけたのですか?」とたずねると、常会と呼ばれる毎月の地区の集まりで相談をしたところ「ここが空いとーよ!」と快く貸していただけたとのこと。高齢化のすすむこの地区では、地元の方が畑の管理に困っているのだそうです。

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「借り手を探すにも日が当たらない畑があったりして、なかなか一筋縄ではいかない」と話す寺本さん。空いた畑の活用法を模索中です

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露地の畑で育つネギ。大きくなると黒いビニールマルチが取られ、ネギの白い部分を伸ばすために土を盛って高さを上げる「土よせ」の作業が待っています

「これから耕作放棄地や空き家が増えていくと思う。ここでいろんな人の力を借りて農業を営んでいる以上、自分も力になりたい」という寺本さん。
アナバナでは引き続き、そんな熱い思いでネギを育てる寺本さんを追いかけていきます!

うれしいことに、寺本さんのご協力のもと、11月には穴バーで「ネギバー」が開催できそうです。こちらも楽しみにしていてくださいね!

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あの時のネギが芽生えましたよーと、寺本さんが送ってくださった写真。おいしく育っておくれよ〜

 

(編集部 天野)

 


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