RethinkFUKUOKAProject

時代の先端を切り開く二人が本音で話す 自分×プロデュース力の鍛え方!

ReTHINK FUKUOKA PROJECT レポートvol.39

アナバナではReTHINK FUKUOKA PROJECTの取材と発信をお手伝いしています。

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世の中には人や物の数だけ、それを取り巻くイメージがあり、それは時に、本質をより魅力的にも、マイナスの方向で広がることもあります。様々な情報が飛び交う現代ならば、あらゆる面で上手くプロデュースできなければ埋没してしまう危険があるのかも。そう、今や「プロデュース力」は、全てのビジネスに関係する重要なファクターなのです。

今回のゲストは、書籍の出版から商品プロデュース、大学講師まで多彩なジャンルで活躍する安藤美冬さん、小学5年生でグラフィック映像をスタートし、最年少社長として最新技術によるフェスやプロダクトデザインまで手掛ける「セブンスセンス」代表の吉田拓巳さんのお二人。そして、ファシリテーターは元俳優で現在は事業再生、リブランディングなどを請け負う株式会社kodona 代表取締役CEO中矢誠一さん。

夢を叶えた成功者でありながら、どこかアウトローな匂いをはらんだ3人に、会場の皆さんが「プロデュース力」についての質問をぶつけます。

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まずは自分の強みを発信して価値を上げる。
ビジネスのスタートはセルフプロデュースから

中矢 今日のテーマは「これからのプロデュース力とは?」です。僕ね、プロデュースってどういうものかよく分からなくって。「日本においては、様々な方法を用いて目的物の価値を上げる事を指す」という意味だそうですが、お二人はどう考えていますか?

安藤 私は世界を旅しながら物書きになりたいと思っていたんですね。その後、出版社を経て、30歳で独立したのですが、その夢を叶えるために、まずは自分の価値を上げる、セルフプロデュースが必要でした。大まかに言うと「自分には何の強みがあるか」「世の中はどんな物を求めているか」「自分の強みをどう発信するか」の3つを徹底的に考えました。私のキャラクターを確立しながら、ある程度読者さんがつく所まで価値を上げるのを目標に。

中矢 基本的にプロデュースって頼まれてやるものだと思うんですけど、頼まれるためにはまず自分を知ってもらわなければならないですよね。お二人に関しては、徹底したセルフプロデュースの後に今の仕事があるんだと思う。吉田君はどうですか?

吉田 う〜ん、僕は成り行きですね。いろんな事をアウトプットするのは大事とは思いますが…。自分が楽しいと思う事をやり続けていたら、今こうなっていました。

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セルフプロデュースの鍵は
人と積極的に出会い好きなことを自然体でやる事!

安藤 吉田君は、よく人に会いに行っているよね。

吉田 そうですね。自分が属さないジャンルとか、世代が違う人達と会うようにしています。同じ世代の友達からでは得られない新しい発見があるから。安藤さんの所にも行きましたよね。

安藤 そうそう、5年前に会いに来てくださって。10代で投資家にも自分を売り込んでいたよね。

吉田 本当は人見知りなので、できれば会いたくないけど、お金無いと仕事できないから。

安藤 吉田君はいつでも自然体ですよね。あと、10代だからみんな優しいのかも。

吉田 それもありますね。僕は本当にやりたい事だけをやろうって言う思いが原点にあるんです。

中矢 僕は20代までその発想が無かったです。

安藤 私は独立して5年経った時に、一旦ここで自分を振り返ってみようかと考えて。それこそ、毎回好きな事ばかりやっている訳では無かったので。今年になってようやく「好きなものだけやる」って誓いました。

中矢 今は第二ステージに突入ですよね。吉田君は今でも好きな人としか仕事しない?

吉田 そうですね。僕の性格的に、合わない人と仕事をすると現場に行かなくなりそう。

安藤 私は怒られたくないから行っちゃうんですよね。仕事での転機とかって無かったの?

吉田 3、4年前に参政権の無い10代がネットで投票できる「ティーンズオピニオン」ってプラットフォームを作ったあたりが転機ですね。ありがたいことにアクセス数もすごかった。いろんなメディアに出てから、仕事の話が来たんです。意外に政治ではなくて、アーティストやプロダクトのPRの話が来るようになって。

安藤 私も参加していました。当事者であるティーンズがたくさん書き込んでくれたのも嬉しかったよね。

吉田 僕も当時は10代で参政権が無くて、しかも政治って友達の間では言いにくい話題じゃないですか。ネットだと名前も出さなくていいから意見も発信しやすいんじゃないかと思いついて作ったんです。やりたく無いことはならないと言いながらも、やって見ないと分からない事も多い。だからなんでもやってみることが大事だなと思いました。

中矢 すごい話を聞いちゃったね。皆さんは、お二人に何か聞きたい事ありますか?

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二人なら、この問題どうする!?
いきなりプロデュース相談室オープン!

ここから会場の皆さんから寄せられた質問に3人が本音で答える「いきなりプロデュース相談」がスタート! 早速、多くの方が手を挙げています。

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男性 人と出会うために、心がけている事はありますか?

吉田 自分が何をやっているのかという所が一番重要で、それを芯として動き続けると、周囲から「こいつ面白い」と思ってもらえる。これもセルフプロデュースですよね。

安藤 私は会社勤めの後期に独立を決めたんですが、その後の事はきっちり決めなかったんですよ。今まで花咲かなかった才能があるかもしれないし、自分にかけてみようと思って。それで3000人の人に会いました。中には会社勤めの方もいるし、有名な起業家の人もいて、そんな人に語れる実績は無かったけど、私というのはこういう人間で、こんな事を考えていますというのを話すようにしました。出たての政治家のように、私の未来にかけようと思ってもらう。3000人会って、実際にお仕事をした人は1%くらいですけど、今も続いているし、何より度胸がつきました。

 

男性 セルフプロデュースの時、あるがままで生きているのか、自分とは違う人格を演じているのか聞きたいです。

安藤 私は両方ですね。一番最初はできるだけナチュラルな所、自分の強みと時代のニーズを掛け合わせて私なりの意見を表明するようには意識しました。

吉田 僕はありのままの方です。ポジショニングとして、誰にもカブらないというのは意識しています。

安藤 私も独立する時はカブらないよう「女性でもこのあたりはいない」という領域を探しましたね。今は自分を取り繕うのに飽きてきちゃった。SNSもほとんど更新していないです。

 

女性 私は神社をプロデュースしていて、最初はとにかく面白い企画をガンガン仕掛けて、そのうちに、ある程度の知名度が上がり初期の目標はひとまず達成した状態です。これから一皮剥けるにはどうプロデュースを続けたらいいでしょうか?

中矢 これは難しいですよね。僕が心がけているのは、一過性で終わるのではなくて、継続した仕組みにする事かな。

吉田 新しい事をやり続ける事ですよね。僕は、わざと真逆の事を掛け合わせて考える事が多いですね。

 

女性 フードコーディネーターとして働いています。今、ココナツオイルを使った商品を開発して展示会までしたのですが、その先のプロデュース方法が全然わからなくて…。

安藤 最初はこだわりのセレクトショップに卸して、そこから設備投資をして、大きな企業と組むとか、段階を経て進めるといいのかも。

中矢 そうそう、セレクトショップなら意外と面白がってくれるし、お客さんも意識が高くて発信力がある。そういうチャレンジしている人の周りはコネクションができていくんですよ。ショップもきっと応援してくれるはずです。

吉田 今って、どこでも買えるものと、そこでしか買えないものという風に二極化していると思います。僕らがやっているフェスもそうですが、体感できるものは強い。体験とセットにしてみては。

安藤 ココナツオイルでパックをするといいと聞くので、パックをセットにしてみるとか。

中矢 アイデアを羅列してみてもいいかも。1000本くらい。1000本ノックですよ。

 

女性 地方のお土産開発に携わっているのですが、最後の段階でパッケージとネーミングに悩んでおりまして、覚えやすいものか、こだわりが分かるものか、どっちがいいんでしょう。

中矢 本当にいいものって、媚びてはダメだと思うんです。マーケティングとかブランディングとか、あれって制作側が安心したいだけなんじゃないかって気がして。

吉田 今はウェブのおかげで、商品のこだわりは伝えやすいですよね。そうすると、名前はあまり価値がない。名前がオシャレだから買う事もあまり無いし。

中矢 そうそう。大事なのは本質、リアリティなんじゃないかな。

吉田 今はネットでいろんな嘘がバレてしまうから、リアリティ以外は誰も興味なくなってきているなと思います。

中矢 ざっくりした答えだけれども、そこは外さない方がいい気がします。

安藤 あと、女性目線で言うと、機能はきっちり出して欲しい。吉田君が言ったように、逆のものを組み合わせて考えてみるのもアリかも。本来は女性ターゲットの商品だけど、ビジネスマンの男性にアピールしてみる、とか。

 

女性「仕事での一番の失敗談を教えてください」

中矢 あまり思い浮かばないですね。ここぞと言う時は負けていない。それ以外はほとんどうまくいっていない。普段の小さな失敗を乗り越えてきたからこそ、大勝負で負けていないんでしょうね。

安藤 私は、あんまりやりたく無い事をやっちゃう事ですかね。女性は心で感じた事に頭の処理が入って、結局は頭で考えた事だと勘違いしてしまうんです。気持ちではやりたく無いと思ったのに、恩義で受けて後悔した仕事も多い。独立する人は恩義に振り回されないよう、意識した方がいいですよ。

吉田 僕は4万人ぐらい集まったライブの時、LEDで光る衣装を作っていたんですが、本番で電気が付かない。でも結局、失敗も経験値になりますから。そう思わないと大きな仕事はこなせない。

安藤 うわ!それ聞くだけで冷や汗が出る〜

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女性「プランニングをする時の情報収集はどこから?」

中矢 今日の3人に共通しているのは、とにかく人に会うことです。そして、この人たちがやって欲しい事をどうくすぐるか。

吉田 僕は世界中のいろんなものを見に行って、体験するようにしています。デザイナーだからデザイン展じゃなくて、新しいものを見たり、新しい人に出会ったり、価値観を固定させないようにね。

中矢 最後に、今日のまとめですが、僕が感じたのはお二人ともセルフプロデュース力をアップデートし続けている所。常に進化しているから、皆さん「この人にプロデュースしてもらいたい」って思うんですよね。

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会場内では、精神論から具体的な案まで、多くの質問が寄せられました。その一つ一つに真摯に答えてくれた3人。まるで100本ノックのように、参加者からの球をキャッチ、絶妙なポイントでポンポンとアイデアを投げ返してくれました。即座に解決法が浮かぶのは、それぞれ自分の中に確固たる価値観があるから。多彩な質問が寄せられた事からも、3人の内面の魅力が参加者に十分伝わっている事、すなわちセルフプロデュース力の高さを感じます。

まずは3人のスタイルを参考にしてもよし、それとも自分について深く掘り下げてみるのもよし、今日学んだプロデュースのイロハを明日のビジネスで生かしてみましょう。

 

 

ReTHINK FUKUOKA PROJECTについて
コミュニケーションや働き方、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている福岡。新しい産業やコミュニティ、文化が生まれるイノベーティブでエネルギッシュな街となっています。
そのチカラの根底には、この街に魅力を感じて、自らが発信源となっている企業や人がいます。
ReTHINK FUKUOKA PROJECTは、「ReTHINK FUKUOKA」をテーマに、まったく異なるジャンルで活躍する企業や人々が集い、有機的につながることで新しいこと・ものを生み出すプロジェクトです。

 


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