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子育ても、仕事も、100% 新たな父親像“スーパーダディ”とは…

ReTHINK FUKUOKA PROJECT レポートvol.37

アナバナではReTHINK FUKUOKA PROJECTの取材と発信をお手伝いしています。

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今日のゲストは、TBSでTVプロデューサーとして第一線に立つ髙橋一晃さんと、メンズファッション誌「UOMO」のモデルとして活躍するモデルのRIHITOさん。華々しい経歴のお二人ですが、今回はお仕事ではなく、「パパ」がテーマ。高橋さんが発起人の「スーパーダディ協会」の活動や男の子育てについてお話を伺います。

ファシリテーターは、株式会社BBDO J WEST メディア局長かつ、フリーペーパー「BOND」編集長でもある小栁俊郎さんと、株式会社kodona 代表取締役CEOの中矢 誠一さん。娘さんと息子さんが受験を控え家庭がちょっぴりピリピリムードという小柳さん、一歳のお子さんをもつ新米パパの中矢さん、九州男児の中に生きるパパとして、「スーパーダディ協会」のお眼鏡に叶うのでしょうか。

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子育てを前向きに捉えて
リーダーシップを取りながら実行する

小柳 高橋さんはTBSのプロデューサーですよね。普段からお忙しくされているのでは?

高橋 昔はほぼ休みなく働いていましたが、ちょっと上の立場になって子育ての時間も作れるようになりました。この感覚をもっと早くに味わえていれば、仕事にも役に立ったのにと思って、スーパーダディ協会(以下SDA)を立ち上げたんです。

小柳 なるほど。そして、もう一人のゲストは、SDAの構成員でもあるモデルのRIHITOさんです。

RIHITO メンズファッション誌「UOMO」のモデルをやっています。ある時、TBSさんから電話があって、偉いプロデューサーの方が会いたいと。いよいよ番組デビューかと思ったら、「SDAに入らないか?」と言うお誘いで(笑)

高橋 他にもTVマン、銀行員、公認会計士、元サッカー選手とか、いろんな方が参加しています。小柳さんと中矢さんもSDA福岡支部長を今日任命しようかなと。

小柳 我々にその資格があるのか心配ですが…。そもそも、「スーパーダディ協会」とは何なのですか?

高橋 簡単に言うと、「右手で仕事、左手で子育て、両手で必死に子育てと仕事を両立しようぜ」という協会です。

小柳 スーパーダディという考えを、この九州に持ち込む度胸がすごい。九州って、まだ男性は育児をしない、みたいな古いイメージがあるじゃないですか。今日は、九州の男性にビシッと教えてください。まず、RIHITOさんは最初にSDAに誘われた時にどう思いました?

RIHITO 「スーパーダディ」って言うと、かっこいいイメージがありますが、行動自体は自然にやっていたんですよ。ご飯を作ったり、子どもの世話をしたり。

高橋 撮影前にちゃんと子どもの夜ご飯を作って出掛けてたもんね。素質があるなと思ってスカウトしました。

小柳 あの〜、ちなみにSDAって別に奥さんが怖いから入るって事じゃないですよね? ちょっと勘違いしてしまいそうなのですが。

高橋 違いますよ。ウチがたまたま怖いだけです。

RIHITO うちも怖いです。

中矢 実はうちもめっちゃ怖い…。

高橋 ……と言うわけで、「妻が怖い」のがSDAの1枚目の切符ですね(笑)

小柳 まさに(笑)。他に定義みたいなものはありますか?

高橋 仕事もして、ちょっと無理をしてでも子育てもして、家事も楽しもうぜという志を立てています。前向きに取り組んでみたら面白いし、妻も笑ってくれたし、仕事にも生かせました。これから「イクメン」に代わる新しいワードとして浸透させたいですね。

中矢 イクメンとスーパーダディってどう違うのですか?

高橋 イクメンは育児をする男ですから、それは当たり前。子育てを前向きに捉えて、リーダーシップを取りながら実行するのがスーパーダディ。

小柳 妻や子どもに対して、どんな気持ちで接するのがスーパーダディなんでしょう?

高橋 うちは共働きで、妻はフリーランスでバリバリ働いているので、子どもができた時に妻が仕事を失った。自分が一生一緒にいるはずの妻の人生を、出産によって変えてしまったんです。その時に、子育てと家事をできる限り僕がやって、妻が今後の自分の人生を考えられるような時間を作ってあげるべきだと考えたんですね。

小柳 奥様の時間を作ってあげる、奥様の人生を豊かにするという観点でもあるわけですね。

中矢 僕めちゃめちゃ共感できます。僕は出産後に彼女の両親も交えて子育てのサポート体制について話し合ったんです。それは男性主導で進めないと難しいですよね。

RIHITO うちは奥さんが忙しくって、僕がやらなきゃと思ったんです。それでごく自然にこうなりました。

高橋 RIHITO君は素質がある。僕は意識するのが遅くて、ダメダディだったんです。

RIHITO こんな事を話してると、なんだか奥さんに会いたくなってきちゃった。

高橋 ポイント上げようとしちゃって。もう帰っていいよ(笑)

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男だからできる子育てとは
大人の楽しさを背中で見せる事!

ここで、会場内のとあるママさんからご意見が…

「ミルクをあげるとか、オムツを替えるとか、奥さんと同じ事をやっているだけの男性はどうなのかなと思います。正直、母は二人いらないと思うんです。男親にしか教えられない事をSDAでどんどん広めて欲しいです」

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小柳 確かに、子育てって奥さんのお手伝いじゃないですよね。

高橋 子どもが大きくなってきて、男にしかできない子育て、肩車をして遊ぶでもいいし、精神論であったり、生きる上で必要なものを教えていきたいですね。

中矢 僕は仕事で1ヶ月に10日ぐらいしか子どもに会えないので、会える時はお風呂に入れたり、遊んだりしていますが、こちらが学ぶ事の方が多いです。

RIHITO 僕は仕事にも連れて行っちゃうんですよ。一緒に雑誌に出たりして。

小柳 仕事場を見せると、子どもの視線が一発で変わりますよね。

高橋 僕もどうしても都合がつかなくて、番組の打ち上げに子どもを連れて行ったことがあって。同僚が一緒に遊んでくれたんですよ。その後も、同僚との会話で「お子さんは元気?」とか、子育てトークができるようになりました。

小柳 僕は大人のランニングチームに中3の息子を連れて行ったんですよ。休憩時間に大人達のバカ話を聞いて、「大人って楽しそう」って息子が言ってました。そんな姿を見せるというのも父親の役割ですよね。

高橋 最近では飲み会の話題が「子育て」です。お父さん達も子育てにストレスを感じる事があって、それをなかなか吐き出せない。SDAはそんな場でもあります。

小柳 奥様方の井戸端会議みたいなものですね。

中矢 僕の子どもはまだ一歳で、よく先輩パパに話を聞くのですが、「子どもが小さい時にああしときゃよかった」って後悔している人が意外に多いんですよね。

小柳 実は僕、会社で「家庭の事情はバンバン持ち込め」という決め事を作りました。家庭の問題が分かれば、会社の皆でサポートもできる。

高橋 育ボスですね。上司がそういう理解を示さないといけないのに、皆年取って凝り固まった親父だから難しいんですよね。モデル社会はどうですか?

RIHITO 皆フリーなので、意外と時間が作りやすいんですよ。率先して子育てもやるし、フリー同士でパパ友のコミュニティーもできますし。

高橋 サラリーマンの人に比べて、フリーランスの方がちゃんと子育てをしているし、人気商売だとイメージアップにもつながるから、もっとアピールすればいいのに。でも実際はイケてる旦那より、僕らのようなダサい旦那を改善しなきゃ。女性の意識は変わってきているんですよ。「もっと家事にも育児にも参加してよ」って思っているのに、男性が追いついていない。

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スーパーダディが広まれば日本が変わる!?
最高の親父を目指す理由

小柳 「スーパーダディ」で日本は変わると思われますか?

高橋 感覚的な話ですが、このまま少子化が進むと、人口が減って、日本の国力が圧倒的に弱くなる。でも、男ならではの知力と体力と哲学で子育てに参加して、ママもパパも全力で子どもを育てれば、少数精鋭と言いますか、一人一人の能力が高い日本人が育つのではないかと思っています。

小柳 一人一人の能力が高まれば、人口が減っても国力が保てるだろうと。そのために親父の力が必要だと。

中矢 僕らが新しい少子化社会のロールモデルになって世界に発信するチャンスなのかもしれませんね。

高橋 公式WEBサイト(※)で「世界のスーパーダディ達」という項目を作って投稿できるようにしたら、世界中からスーパーダディが集まりました。すでに世界共通語なのかも。

 

この後、なんと高橋さんの飛行機の時間が迫っているとのことで、急遽高橋さんが東京に戻られる事に。

高橋 すみません! 妻が明日の朝から仕事で、子どもの世話があるので、もう東京に帰らなきゃ!

代打として高橋さんの同僚で20年来の友人でもある住田さんが登壇して、引き続きディスカッションが続行されました。

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住田 スーパーダディは家庭に迎合するんじゃなくて、仕事を100%やりきった上で、外での遊びも家庭も頑張る姿が大事だと思います。

RIHITO 僕はもう外で遊ぶよりも、子どもと遊ぶ方が楽しくなってきました。

小柳 スーパーダディって、人によっていろんなやり方があると思います。けど、「家庭は面白い」と思える事で違う価値観が生まれて、将来的に日本が良くなっていくのかなと感じます。

中矢 男性は結婚すると女性に依存してしまいがちなので、女性主導でコントロールしていくとうまく行くような気がする。

住田 福岡は、これから様々な情報や技術の発信源として大事な場所になると思っています。だから、スーパーダディという考えも、俺たちが新しい文化を発信していくんだと自覚して実行していけば、日本は変わるんじゃないかな。

小柳 福岡はイケてる女性の方が圧倒的に多い。そんな中で、我々男性も頑張らねば。これからもスーパーダディ協会の活動を見守っていきたいと思います!

 

※スーパーダディ協会(SDA)http://superdaddyjapan.com

書籍も発売中!

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『スーパーダディ ビジネスマンの勧め』
著者 高橋一晃氏(TBSテレビ プロデューサー/スーパーダディー協会代表)
https://www.amazon.co.jp/dp/4575312266/ref=cm_sw_r_cp_awdb_4JrPybJK6ZENE

 

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「九州男児よ目覚めよ!」という呼びかけで始まった今回。高橋さんとRIHITOさんが自らの体験談を元に提起してくれた「スーパーダディ」という考えについて、パパさんだけではなく、会場の半数を占める未婚の方、さらに子育て中のママさんからも、様々な意見が飛び交いました。

全国の中でも女性の割合が多く、結婚後も働くママさんが活躍している福岡にとって、どこよりも先に、そして皆で考えるべき問題なのかもしれません。

「スーパーダディ」が当たり前になる社会へ向けて、これからも議論を重ねていきたいと思います。

 

ReTHINK FUKUOKA PROJECTについて
コミュニケーションや働き方、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている福岡。新しい産業やコミュニティ、文化が生まれるイノベーティブでエネルギッシュな街となっています。
そのチカラの根底には、この街に魅力を感じて、自らが発信源となっている企業や人がいます。
ReTHINK FUKUOKA PROJECTは、「ReTHINK FUKUOKA」をテーマに、まったく異なるジャンルで活躍する企業や人々が集い、有機的につながることで新しいこと・ものを生み出すプロジェクトです。

 


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