千代町にクリエイティブの拠点が誕生
アナバナ編集部のご近所、千代町のパピヨン24ビル地下1階に、『コピーセンターBANYU(ばんゆう)』がオープンしました。地下鉄千代県庁口駅の出口近くに位置することもあり、ブルックリン調のかっこいいインテリアに、「何のお店ができたの?」と、ガラス越しに覗いていく人もちらほら。デザインや印刷などを手がける店舗だけあって、クリエイティブな雰囲気が漂っています。実はここ、アナバナでも特集中の『株式会社ふくしごと』が空間デザインをお手伝いした新スポットなんです。「日々の芸術」のイラストストックにも登録されている『工房まる』太田宏介さんの作品が柱いっぱいに描かれ、かなりの存在感を放っています。
コピーセンターBANYUでは、チラシやポスターなどのオンデマンド印刷、製本、スキャニング、データ入力など印刷やデータ制作に関わるさまざまな業務を取り扱っています。ただデータを持ち込んで印刷するだけでなく、「お店のメニュー表をかっこよくしたい」「名刺をつくりたい」など、スタッフと一緒にデザインからじっくり相談して作り上げることも可能。「印刷やデータ作成のことならなんでもおまかせあれ」の頼もしいスポットなのです。
一人ひとりの「得意を生かす」。これからの障害者雇用の新しいスタイル
BANYUが他のコピーセンターとちょっと違うのは、従業員が障害者就労支援施設でPC操作や就労訓練を受けた障害のあるスタッフだということ。それぞれ、データ入力やデザイン、CADなど得意な分野を持つスペシャリスト揃いです。そもそも、なぜこのような会社を設立することになったのでしょうか? コピーセンターBANYUを経営する『西部ガス絆結株式会社』代表取締役社長の船越哲朗さんにお話を伺いました。
障害や難病のある方が一般の企業に就職した場合、できることとやって欲しいこととのマッチングが難しかったり、必要なフォローが受けられなかったりして離職してしまうケースが多いのが現状です。そのような問題を解決すべく「まずは職場の環境を変えることから」と立ち上げられたのが、『コピーセンターBANYU』です。
「BANYUは、7名の障害のあるスタッフ(内1名 難病)と福祉の知識に詳しい支援スタッフとで構成されています。データ入力やデザイン、CADなど様々な特技を持つ人材を集めることで、お客様の要望に応じた技術を提供することができます。また、苦手なことは他の人にフォローしてもらったり、障害に詳しい職員によるサポートを受けられたりと、スタッフ自身が安心して長く働けるような環境作りに努めました」と船越さん。「デザイン技術はピカイチだけど計算は苦手」というようなスタッフでも、仲間同士で助け合いながらトラブルなく業務をすすめていける体制が整っています。障害のある方のやりがいや働きやすさを尊重した職場づくりは、これからの障害者雇用のモデルケースといえるのではないでしょうか。
発注する側としても、フォロー体制がしっかり整っていることは頼もしい限り。「会議の資料作成からテープ起こしまでをトータルでお願いしたい」「年賀状のデザインから宛名印刷までして欲しい」「昔の写真をデータ化したい」など、印刷やデータに関する「あったらいいな」を、幅広い知識と技術を持ったスタッフが親身になってサポートしてくれます。ぜひ気軽に相談されてみてくださいね。
店舗の内装は空間デザインを手掛けたダイスプロジェクトとBANYUのスタッフのみなさんで一緒に作業。「日々の芸術イラストストック」の作品を壁画に投影して、5人がかりでチョークアートを描いていきました
※1)特例子会社・・・会社の事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を、親会社や企業グループ全体に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できるというもの。
(編集部いはら)
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西部ガス絆結株式会社 千代事業所 コピーセンター BANYU
福岡市博多区千代1-17-1(パピヨン24ビル地下1F)
TEL 092-645-0351 FAX 092-645-0352
(営業時間)9:00〜18:00 (休)土日祝