RethinkFUKUOKAProject

自分をさらけ出してチャレンジしよう。 まちに第3の居場所をつくった仕掛人と考える、サードプレイスのつくりかた

ReTHINK FUKUOKA PROJECT レポートvol.21

アナバナではReTHINK FUKUOKA PROJECTの取材と発信をお手伝いしています。

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家が1番目、職場が2番目だとしたら、あなたの3番目の居場所はどこですか?

ReTHINK FUKUOKA PROJECT21回目のトークテーマは、『サードプレイスは、どこだ!?』。
2つの拠点を行き来する日々のルーティンだけではなく、非日常の出会いがある、憩いと交流の場「サードプレイス」があれば、毎日はもっと楽しくなるように思います。

今回のゲストは渋谷と博多のそれぞれのまちで多くの市民にとってのサードプレイスをつくったお二人。テンジン大学をはじめ全国に姉妹校ができるほどの市民大学ムーブメントを作った「シブヤ大学」学長左京泰明さんと、福岡は博多の新しい遊び場として福岡市民や旅人が集まるナイトマーケット「千年夜市」代表の松岡まさたかさんです。モデレーターの、福岡テンジン大学副理事長・山路祐一郎さん、ReTHINK FUKUOKA PROJECT事務局より上水優輝さんとともに、サードプレイスについてReTHINKします。

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この10年で生き方や働き方、
サードプレイスへの見方が変わった

山路 シブヤ大学は今年で10年、ナイトマーケット千年夜市は4年目を迎えられたわけですけれども、お二人がサードプレイスとしてこの2つを見たときに、当時と変わったものはありますか?

左京 そうですね。10年前、シブヤ大学がNPOとして企業の人と打合せをするときには、一言目には「寄付はできません」って言われてて。企業と関わる糸口がなかなか見つからなかったんです。そこから10年経った今では、企業に対しても行政に対してもかなり対等にパートナーシップが築けるようになってきたと思っています。

山路 NPOが企業や行政にお願いする立場から、10年後には、お願いされる立場になったんですね?

左京 そう。逆にお願いされる側になるのが増えてきましたね。

山路 千年夜市も、最初は“なにをしてるんだ?”っていう人が多かったと思うんですよ。だけど前回の春は、予定していなかったけど「開催してください」ってお願いされたんですね?

松岡 そうなんです。もともと千年夜市が生まれたのは、僕がアジア旅行好きなことが影響していて。そこではどのまちにもナイトマーケットがあって、地元の若い兄ちゃんやおっちゃんたちで賑わっているんです。そこでご飯を食べてたら、偶然隣にいる人から一緒に飲もうぜって誘われるとか、予定調和ではないミラクルなことが起こるんですね。こういう場所が日本にもあればいいのになと思って始めて、今、4年目にしてやっと認知されてきました。続けるものだなと思いますね。

山路 必要とされたり共感されたりしないと、継続できないと思うんです。どんなところに共感されたんだと思いますか?

左京 シブヤ大学にとって、「続けられる」というのは、授業に来てくれる人がいるということなんですよね。今日のテーマのサードプレイスにも関わる話だと思うんですけど、この10年を見ていて思うのは“働き方”とか“生き方”っていうテーマが出てきたこと。特に働くということに対する価値観が多様になりましたよね。やりがいのある仕事や充実を感じる生き方みたいなものを模索した人が増えていく中で、じゃあ自分の今の仕事にもやもやとしたからといって、いきなり会社に辞表を届けて世界一周の旅には出られないわけですよ。

山路 うん。それは難しいですよね。

左京 そんなもやもやを持ってシブヤ大学の授業に行くと、やりがいや充実感を感じる働き方生き方を実際に仕事や活動としてやってる人が目の前にいるんです。その人からその内容や「なぜそれをやってるのか」「どんなつらいことがあって、どのように乗り越えてるのか」みたいな話を聞ける。いわゆる旅に出るような非日常がそこにある場だと思うわけです。それはすごいニーズなんじゃないかなと感じてます。

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「自分は何がしたいのか?」あらためて考えることが、
サードプレイスを見つける第一歩

山路 シブヤ大学の授業をつくるときの話を以前聞いたことがあるんですけど、自分が一番目の生徒になる気持ちでつくりなさいって言いますよね。でも実は企画をした人が一番学んでいて、自分が見たい風景をその場でつくろうとしている。だからそういう意味では参加者にとってはおすそわけというか、企画した人の欲求に共感する人が集まった結果で「コレ求めてたんだよ」って皆に言われるような場合がたくさん生まれてるのかなって思います。

左京 いいとこついてくるね〜。台本ないのにいいね〜。笑

(会場 笑)

左京 それがサードプレイスにとって大事なことなんですよ。自分が何を聞きたいか、何を知りたいのかっていう動機が大事なんです。動機が企画の軸になっていくんですけど、「自分は一体なにがやりたいの?」ってところで。意外とみんな自分のことをわかってないんです。これね本当に日本の社会の課題だと思うんですけれど、みんなそこに悩んじゃうんですよ。

山路 いかに今までを受け身で生きていたかと?

左京 うーん、子どもの頃を振り返ると思うんですけど、正解は何かとか最善の策は何かとか、学校を選ぶときも「ここにいっとけば将来に繋がる」とかね。いい大学やいい会社にいっときなさいとかいわれて、「あなたは何がしたいの」っていう問いから何かを選択していくってなかったじゃないですか。それでいきなり大人になって社会にでたら、「あなたの価値観って?」「あなたらしく!」みたいなこと言われて。

上水 うんうん。

左京 それぞれが自分の幸せの尺度みたいなことを自分で設定しないといけなくなったんだけど、なかなか世の中の考え方が変わらなくて、ずーっと昔のものを引きずってるんですね。だから「私はこれがやりたい」って言うきっかけすらない。それが大人になるまでずーっと続いていくわけですよ。それをもう1回「私はこれがやりたいんだ!」と言えるようにリハビリしていくことが重要なんじゃないかなって思います。

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サードプレイスは人を選ばない!
参加する側から仕掛ける側になってみよう

上水 千年夜市の目標は、10年以内に年間200日オープンすることなんですよね。

松岡 そうですね、まず年間200日というのは僕が寒いのが嫌いなので寒い日以外すべてっていうことなんですけど(笑)、旅行で来た人が福岡の良さを知れる、交流できる場所っていうのを作りたいわけですね僕は。毎日毎日やってたら、それが1つの観光地にもなるでしょうし。特別なものではなくて、毎週集まれる場所とか待ち合わせ場所になるとか、そういう日常を作りたいなっていうのが僕の思いです。

山路 なるほど。サードプレイスについての話って、僕らついつい利用者とか参加者として見てしまいますけど、運営する側にまわるともっと世界広がるよって話でもありますよね。

松岡 うん、ほんとそう。僕もいつも思うんですけど、イベントごととか祭りごとは関わったほうが絶対に楽しい。退屈しないんですよね、出会いもありトラブルもあり感動もあり、きついですけどね(笑)

左京 そうですよね。仕掛ける側のほうが、受け身ではいられないですし。自分が何をやりたいかって、受け身ではなかなか見つからないものですよね。受け身で楽しませてくれるものっていっぱいあるけど、自分の興味があることを、主体的にかつ具体的に見つけていく場として、千年夜市みたいなイベントやシブヤ大学に関わるのってアリだと思います。それからいいなと思うのは、そこに行くと、自分がやりたいことを素直に表現できてる先輩みたいな人とか、自分と同じように探しに来てる人がいるので恥ずかしくないんですよね。

山路 自分をさらけ出してチャレンジできる、と。

左京 そう。サードプレイスって、やりたいと思った芽を摘まれない。「あなたも私も芽は違うけど、やりたいことやろうよ」っていう豊かな土壌があって、芽が枯れずに育っていけるってことが大事なんじゃないかなって思います。

松岡 はい。みんなが全力でやりたいことをやれるような場所が、家と仕事に加えてもう1つの居場所だって感じられるサードプレイスになるんじゃないかなと思ってます。

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「サードプレイスって一体どういうものなのかが聞きたくてやってきました」との参加者の声に、「自分で見つけるものだし、人によって違うもの」と冒頭から結論に近い言葉が飛び出した今回のトーク。サードプレイスというとカフェを思い浮かべる方も多いかと思いますが、自分のやりたいことを仕掛ける場こそサードプレイスだというお二人のお話に、会場のみなさんもなるほどと納得されていました。「形を追い求める前に試す」「ブサイクでもいいからとりあえずやる」そんな言葉も印象的だった、情熱的な松岡さんと左京さん。

ゲストのエネルギーを目の前で感じられるこの場に、みなさんもぜひ遊びに来てくださいね。

 

ReTHINK FUKUOKA PROJECTについて
コミュニケーションや働き方、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている福岡。新しい産業やコミュニティ、文化が生まれるイノベーティブでエネルギッシュな街となっています。
そのチカラの根底には、この街に魅力を感じて、自らが発信源となっている企業や人がいます。
ReTHINK FUKUOKA PROJECTは、「ReTHINK FUKUOKA」をテーマに、まったく異なるジャンルで活躍する企業や人々が集い、有機的につながることで新しいこと・ものを生み出すプロジェクトです。


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