RethinkFUKUOKAProject

そのキラキラのモトは“自分らしさ”にあり キレイ事だけじゃない“美”のハナシ

ReTHINK FUKUOKA PROJECT レポートvol.17

アナバナではReTHINK FUKUOKA PROJECTの取材と発信をお手伝いしています。

 

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まだまだ夏の名残を残す福岡の夜。残暑を忘れさせてくれるような浴衣姿の美女が登場し、今回のReTHINKイベントの幕が上がりました。ゲストは、コラムニスト、商品開発、コメンテーター、大学講師と様々な顔を持つ安藤美冬さん、リハビリメイクの専門家でもありビューティプロデューサーとして活躍、さらに美のプロフェッショナル集団「ビシュラン」代表でもある平野 宏枝さんのお二人。モデレーターには、ReTHINK FUKUOKA PROJECT事務局を務める株式会社kodona 髙山貴久美さんとおなじみ株式会社TABI LABO 代表取締役の久志尚太郎さんでお届けします。

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マイナスがプラスに変わって光を放ちはじめる瞬間がある。
大事なのは光や闇にどれだけ向き合えるか

久志 今日は特に素敵な女性が多くて、一人だけシャツとヒゲで申し訳ないです(笑)最初のテーマは「自分らしい人生がスタートしたきっかけとは?」。お二人はどのタイミングで今のキャリアにたどり着いたんでしょうか?

安藤 29歳の誕生日から1年8か月をかけて出版社を辞めました。20代の女性としてはかなり恵まれた待遇で仕事にも不満は無かったのですが、定年までこのまま会社員として働いていいのかと疑問に思ったんです。2年くらい悩んで悩んで夜眠れなくて、友達に電話をかけまくって(笑)。お互いに夢を追いかけていた親友が「美冬さんが絶対に成功すると信じてます!」と言ってくれて。こんな素敵な親友がそう言ってくれるなら踏み出してみようと思って。

久志 めちゃくちゃいい話ですね。親友のサポートがあったからこそ、誰かをサポートしたり応援したり、今の仕事につながっているんですね。

安藤 そうなんです。本を書くのも、大学講師も、こういったトークショーに出させてもらうのも、かつて親友がしてくれたように誰かの背中を押したいと思ってやっているんです。

久志 平野さんがこの道に入ったきっかけはなんですか?

平野 もともとアトピー体質で肌がすごく弱くて、ずっとコンプレックスだったんです。社会人になって、顔の傷や疾患をケアして社会復帰を助ける「リハビリメイク」の第一人者でもある師匠のかづきれいこさんに出会えたのが大きな転機ですね。

髙山 私も小学生のころから脳に持病があります。普段表面的にわかりやすく現れるものではなく、見た目はむしろ健康的なので(笑)なかなか理解されがたく、特に会社員のときは悶々と悩む場面が多々ありました。病気と一生付き合っていかなければならないのなら、もういっそやりたい事をやろうと。それが会社を辞めてフリーで活動するようになったきっかけに。
陰と陽みたいに反動になるものがあると、自分らしい道を進む覚悟ができるんじゃないかと思うんです。皆さんも色んなものを抱えているんじゃないでしょうか。

平野 私も若い時に店長をやっていて、一度急性胆のう炎で倒れて救急車で運ばれました。当時は1日50件電話を取って、クレーム処理に追われる毎日で。今でもお詫び文は得意です(笑)。でも今記憶をたどると、そこの思い出だけ抜けているんです。壮絶だったんですね。今、光を放っている人って、それだけ苦労や努力をされていている人が多いのかも。

久志 誰にでも光や闇があって、そこにどれだけ向き合うかって事が重要なんですね。向き合うことでしか変わらないと思うんです。

安藤 とにかく行動していくうちに、マイナスがプラスに変わる瞬間ってありますよね。

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もう2度と戻りたくない暗黒期…
あの時代があったから、今がある

久志 そんな状況を踏まえて、2つ目のテーマです。「人生で最もきつかった事は?」

安藤 会社を辞めた直後の1年ですね。SNSで自分の考えを発信しながら、様々な人との縁の中で肩書きを決めずに動くという考えはあったのですが、そんな働き方で成功しているロールモデルがいなかった。周囲の人には「そんな中途半端な働き方をして、実績出ると思ってんの?」って反対される中で、自分の信念を持ち続ける事が本当に辛かった。起きてから寝るまで、一日中落ち込んで泣いていました。

平野 私は26歳の時に体を壊して、東京での仕事が一気にゼロになったんです。今まで培ったものが全部無くなった気がして、何をするにも自信が無くて、岡山の実家で1年間引きこもってました。その時にブログを開設して反応をもらって、少しずつ自信を回復して。正直、2度と戻りたくないけど、あの時があるから今があるんですよね。

久志 どんなきっかけで戻ってこようと思ったの?

平野 よく一人で山へ行ってテント立てて寝ていたのですが、自然の中で過ごしていくうちに、もう一度頑張ろうって覚悟ができて。東京に戻ってから友達のサロンの一角で細々とオリジナルメイクレッスンを始めました。コツコツ続けてたら企業向けのメイクや通販の裏方とか、仕事が増えてきて。お稽古雑誌でも1位になりました。

安藤 私も26歳の時にブログを始めたんですよ。人間関係で行き詰って鬱になって半年間休職している間。その中で書評がヒットして、楽天ブログのOLランキングでトップ10に入ったの。その後、面白いことに日本全国の読者さんから人生相談が寄せられるようになったんです。恋愛相談をしてくれた40代の女性から、その後彼氏ができたのでってお礼に3000円いただいて。それが私の始めての副収入。この体験がその後の指針になったな。

髙山 なんだか、過去の闇の部分に触れると「私らしさ」って深く出てくる気がします。苦しい時、どうしようもない一日の終わりを乗り越える時、なにかされていることはありますか?

安藤 私は感情日記をつけています。一日3行程度でいいので、今思っている事を書くんです。大体3行で収まらずに、暴言の連発になりますけど(笑)。今はもっと簡単で大声出します。部屋を閉め切って「ふざけんな!死ね〜!!!」って。飼ってるネコがびっくりしてる(笑)

平野・久志・髙山 やばい(爆笑)安藤さんがすごい愛おしくなってきた!

平野 私はひたすらネットで漫才を見てます。それでめっちゃ笑って寝る。ホスピス時代に「涙を流すな」って鍛えられたから、感情を切り替えるのは得意な方かも。

安藤 私はすぐ泣いちゃうなあ。癒しのテクニックとして大声を出すといいって言いますし、一人カラオケとかもいいですよ。今度一緒に叫ぼう!

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私を未来へと誘う
自分らしい“美しさ”はどこにある?

久志 最後のテーマは「人の美しさってどこから来ていると思う?」美しさって、表面的なものではなく、生き様なのかなと。お二人も内面的な所に重きを置いている気がする。

平野 私は31の時に初めてアメリカに飛び込んで、そこで美に対する多様な視点に出会って、それまでの価値観が崩れました。個人の考え方に優劣をつけることなくどれも尊重していて。外見の美しさは結局内面とのバランスもあると思う。正解はなくて、受け取る側がいいなら、それでいい。美は常に変化しているので、なるべく偏りなく、ニュートラルに見るようにしています。

久志 自分が思う「美しい」を、世の中に提案するのって勇気がいりますよね。

平野 それは最初ドキドキしました。でもやるって決めたらやっちゃうので。「ビシュラン」を立ち上げた時も、化粧品を開発した時も、まずはやりたいって気持ちから始めて、それからノウハウを身につけました。

久志 安藤さんも世界を回っていらっしゃいますが、美しさって何だと思いますか?

安藤 私にとっての美しさの象徴って、ネイティブインディアンなんです。名は体を表すって言葉がありますよね。私の名前「美冬」っていうんですけど、その意味を探っているうちに見つけたのがナンシー・ウッドの詩集にあった「美しい冬」って表現。ネイティブインディアンは、一度生命が死に絶えて、春に芽吹く準備をする冬の時期をとても大切にしている。空が美しくて、大地を太陽が照らしていて、隣に愛する家族がいて…。そんな穏やかな日を「今日は死ぬのになんていい日だ」って思う感性がとても美しい。こんな風に生きていきたいと思います。

久志 美しさって誰かから定義されたものではなく、自分で見出すことが重要なんですね。

髙山 うんうん。同じ毎日ってなくて、変化していきながら、その都度、美しいって思うものや世界観も変わっていきますよね。その人の生き様=美で、その美意識=自分らしさにつながってるんだと思う。

平野 美意識を磨いて、その人の魅力がアップすると、目の輝きが変わるの。そうすると日々の行動も変わるし、習慣も変わる。そうして美への感度も変わる。私はどの人にも美しさがあって、「全ての女性は美しい」ってテーマを持っているんですけど、皆をもっと輝かせる自信があります!

安藤 そうそう、目って、魂が宿るって言いますよね。意思の強さや決意がある人は目に力がある。自分の中の深い部分から目の輝きを意識する事が大事なんですよね。

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美がテーマだけに、女性のお客さんが多く、華やかな雰囲気でスタートした今回のReTHINKイベント。女性の憧れを体現するようなゲストのお二人がまず話してくれたのは、キラキラ女子とは程遠い挫折と失敗の経験でした。
人生の暗黒とも言える時期、心を寄せる人から助けられながら、自分とじっくり向き合って悩み抜いた時間があって。強くしなやかに動き出すまでのエピソードの数々は、会場の悩める女子達の背中を力強く押してくれたようです。艶やかな浴衣姿の中に誰よりもロックで骨太など根性を隠し持つ二人のように、まずは自分の中にある“美の種”に目を向けて、大事に育ててはいかがでしょう。いつか花咲く日を夢見ながら。

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ReTHINK FUKUOKA PROJECTについて
コミュニケーションや働き方、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている福岡。新しい産業やコミュニティ、文化が生まれるイノベーティブでエネルギッシュな街となっています。
そのチカラの根底には、この街に魅力を感じて、自らが発信源となっている企業や人がいます。
ReTHINK FUKUOKA PROJECTは、「ReTHINK FUKUOKA」をテーマに、まったく異なるジャンルで活躍する企業や人々が集い、有機的につながることで新しいこと・ものを生み出すプロジェクトです。


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