レポート

千代町の銭湯「東湯」に日本を代表する銭湯絵師がご来場!富士山を眺めるまちの癒しの湯はいかが?

9月のとある日。博多区は千代町に、日本に3人しかいない「銭湯絵師」なるお方がやってくるとの噂を耳にしました。
どうやら銭湯絵師さんが絵を描くのは、編集部のご近所銭湯「東湯」の壁だそう。
その様子を生でお目にかかれるなんて、こんな機会はなかなかないぞ!と、さっそくお邪魔してきました!

azumayu1

こちらが東湯さんの外観。いつも「まちのおふろやさん」と書かれたのぼりが入り口ではためいています

ガチャリと扉を開けると右側に番台、左には長年使われている味のある靴箱。
そしてロッカーに鏡に牛乳瓶の入った冷蔵庫にと、そこには銭湯ワールドが広がっております。

そしてそして奥に目をやると見えるは、描きかけの富士山でした!

azumayu2

お邪魔したときにはちょうど半分を描き終えられていたところでした

azumayu3

どうやら噂の銭湯絵師さんは足場を組み立てている最中。青いタイルの湯船と、周りの壁はお花柄のマジョルカタイルが囲んでいます。普段は足を踏み入れることのない男湯に入ってちょっとどきどき。笑

azumayu4

こちらのペンキを使って、富士山や松など細やかな色の変化をつくっています。職人さんの道具ってかっこいいなあ。

 

福岡市の銭湯を支えるは「まちを盛り上げたい」という共通の思い

銭湯絵師とはその名の通り、銭湯の壁に富士山などの絵を描く職人さん。
今回東湯の絵を描かれていたのは、日本の銭湯絵師3人のうちの1人、中島盛夫さんです。

azumayu5

こちらが中島さん。職人さんと聞いて近寄りがたい感じの男性を想像していましたが、実際は笑顔がとても素敵でおちゃめなお方でした

azumayu6

こちらはお話をうかがった西公園浴場の末益さん。福岡市の13の銭湯が集まった福岡市浴場組合のお話を聞かせてくださいました


中島さんをお呼びして行ったこの企画は、福岡市浴場組合さんによる、3年前に続く2度目の試み。今回は千代町、吉塚、箱崎の3軒の銭湯で同時にペイントが行われました。

現在福岡市にある銭湯は13軒。昭和30年には200軒あった銭湯も、後継者問題や施設老朽化などを理由にその数が減ってしまったのだとか。浴場組合ではそんな銭湯の利用を後押ししようと毎月一度組合員が集まり、年間イベントの企画やPRなどを考えているのだそうです。

「13軒しかないっちゃけん、仲悪くしとってもしょうがない。協力せんとね」
と、銭湯を通じてまちを盛り上げたいというみなさんの思いは1つ。銭湯に行ったことがない若い人にもぜひ来てほしいとのことでした。

 

実家のようなアットホームさにあたたまる銭湯

そろそろ休憩しましょうとお声がかかり、ここで一息休憩タイム。

「うちに来といて遠慮はゆるさんよ!」と、東湯のお父さんに愛のお叱りを受けつつ、図々しくも私までおまんじゅうと梨とぶどうをいただきました。
聞けば東湯の歴史は戦前からとのこと!
このアットホームさが、70年以上もまちで愛され、私たちが銭湯に通いたくなる理由なんだろうなあ。

azumayu7

みなさんでテーブルを囲み、お茶とお菓子をいただきます

azumayu8

東湯のお父さんとお母さん。二人の素敵な笑顔や味のある銭湯の雰囲気をぜひ楽しみに行かれてみてくださいね


今回の情報をお知らせくださったのは、福岡市浴場組合で活動する宇佐川さんです。
3年前より福岡にUターンされた宇佐川さんは、地域に新しい宝物をつくりたいと、ライフワークとして銭湯にまつわる活動をしておられます。

azumayu9

こちらが宇佐川さん。「このまちならお風呂はここで、泊まる場所はあそこで、ご飯はあそこで、と、いろいろな方が銭湯も含めてまち全体を楽しめれば」とおっしゃっていました

azumayu10

最後にみなさんで一枚。福岡市の銭湯のゆるキャラ「温まるくん」も描かれた東湯のペンキ絵の全貌は、ぜひ足を運んで見られてください!

ちなみに10月のイベントは10日の銭湯の日(”1010”で銭湯!)に行う「銭湯感謝デー」。すべての銭湯にてラベンダーの湯に浸かることができるそうです。
広い湯船で足をのばし、ラベンダーの匂いにも癒されるなんて、なんという贅沢!

また福岡市の銭湯マップにはスタンプラリーがついていて、5軒めの入浴は無料になるとのこと。ぜひいろいろな銭湯をめぐって、その違いも楽しんでみてくださいね。


(編集部 天野)


POPULARITY 人気の記事

PAGE TOP