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あなたの夢、元手0円で叶うかも!? クラウドファンディングの仕掛け人・家入一真氏らと考える、インターネットだから実現できる新しい事業のカタチ

ReTHINK FUKUOKA  PROJECT レポートvol.10

アナバナではReTHINK FUKUOKA PROJECTの取材と発信をお手伝いしています。

 

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突然ですが、皆さん、夢はありますか?


「お金があればいつかはやってみたい」「宝くじでも当たれば…」なんて言っていると、あっという間に人生が終わってしまうものです。そんな「いつかやろう」を「今やろう」に変えてくれるのが「クラウドファンディング」。ネットを通じて自分の夢に共感してくれた人々から資金を集める新たなお金の流れです。大事業はもちろん、個人的な願望でも支持されれば実現できちゃうんです。

今回は国内のクラウドファンディングの第一人者・家入一真さんと、家入さんが運営するクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」で「泊まれる図書館」の設立・運営費用を集めた白石隆義さんをゲストに迎えて、夢を叶えるためのお金問題についてReTHINK します。
福岡に縁が深いお二人の対談に会場は立ち見も出るほどの満員御礼!家入さんの盟友でもあるTABI LABO代表の久志尚太郎さんと福岡テンジン大学副理事長・山路祐一郎さんを進行役に、皆さんをコトづくりの入り口へ誘います。

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それは「お金が無い!」から始まった!
クラウドファンディングサービスのカラクリとは…

久志 そもそも、なんで家入さんはクラウドファンディングを始めようと思ったんですか?

家入 お金が無かったからです。僕は、以前からインターネットが普及したからこそできるコトってなんだろうとずっと考えていて。ネットを通じて誰もが声を挙げられるようになった時、お金の集め方も今までと違うやり方でできるんじゃないかと。そう思ったのがきっかけですね。

久志 いきなり核心を突く話になってきた!やりたい事があれば文章にしてインターネットに発信すればいいんですね。

家入 そう、それを拡散して、共感できる人がお金を払う。お金を集めるには融資や投資というやり方がある。けど、どちらも事業計画書や契約、審査などで時間がかかる。クラウドファンディングはお金をもらう代わりに、出資される側はリターンを用意する。いわば売買契約なんですね。そうなると気軽にお金を集める事ができる。ただし、出資者を納得させるにはプロジェクトに対する熱意や面白いと思わせるストーリーが必要になってくる。そこは大変。

山路 自分が「これやりたい」と言う熱を、いろんな人と一緒に共有して燃え上がらせて、大きな炎にする。そして、大きな炎の周りでもっと盛り上がる。家入さんの「CAMPFIRE」はそんな意味があるんですね。

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読書マニアの願望が180万円を集めるまで…
売るものはアイデアと体験!

山路 次はクラウドファンディングをもう少し深ぼりしたテーマ「どうして作った→どうして行きたい?」です。まずは実際にプロジェクトを作った白石さんに今回の経緯をお聞きしたいです。

久志 泊まれる図書館って何ですか?

白石 僕はもともと本が好きで、夜通し本が読みたいと思ったんです。そこから「図書館に泊まれたら楽しいんじゃないか」という発想が芽生えて。僕がやっている古本屋のブログ記事に泊まれる図書館の記事をアップすると、5000イイね!が付いたんです。普段の10倍以上の数だし、これはいけるんじゃないかと。

山路 友達の友達、そのまた友達まで、知らない人まで広がったって事ですよね。そこからクラウドファンディングを利用するに至った経緯は?

白石 まず、温泉でゆっくりして、本を読んで美味しいものを食べて、みたいな「スローな時間」の過ごし方が「泊まれる図書館」と相性がイイんじゃないかと思ったんですね。そこで温泉を絡めようと考えて、クラウドファンディングで資金を集めようかと。

山路 家入さんは、実際に利用されているプロジェクトを見て、どう思われますか?

家入 本って僕も好きなんですが、今後は本屋さんも、寝泊まりできる図書館とか、本プラス何かを付加価値として用意しないと厳しいと思う。「CAMPFIRE」のクラウドファンディングも同じで、出資者には見返りとして体験を売っているんですよ。1000円を出資すると、参加券がもらえたり、映画のスタッフロールに名前が載ったり。そして、体験を売るって事は、出資した人を当事者にしちゃう事なんです。つまり、「イイね!」を押した人を共犯者にしちゃうって事。共感だけじゃなくて、それ以上の関係性に巻き込むんですよ。そうなると出資した人も「あれ、俺もやったんだよね」って言える。そうしてまたお客さんが増えるんです。

白石 僕もリターンについては結構時間をかけて考えました。近くにいて立ち寄れる人は実際に体験を、遠方の人は「あなたが選んだ本を置きます」って権利とか。リアルとリモートのリターンを用意して。

山路 なるほど。ネットなんだけれども、フェイストゥフェイスのコミュニケーションを大事にされているんでしょうか?

白石 そうですね。例えば天神に立って通行人に呼びかけても、こんな金額は集まらない。ネットなら情報を出すコストもほぼゼロに近いし、自分が頑張れば思いは伝えられるんです。

久志 僕は、思いつきとユルい情熱でコトが運ぶっていうのが、クラウドファンディングの利点だと思うんです。ビジネスモデルやコンセプトなんて細いことを言わなくても、「やってみたい」に乗ってくれて、一緒にやろうと仲間になってくれるような。こんなトーンで実現するまでにハードルを下げてくれたのがクラウドファンディングの最大の価値なんじゃないかと思います。

家入 良い事言いますね〜。アメリカでは「ポテトサラダを作りたい」なんてのがあったそうです。出資者へのリターンは「あなたの名前を叫びながらポテトサラダを作ります」だって(笑)何事もやってみなくちゃわからないよね。

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思い切って飛び込んでみたら
僕たちの未来は意外に明るい!?

山路 最後に、皆さんと考えたいテーマがあります。ズバリ「All I want for future is…」未来に求める事って。

家入・白石・久志 幸せ!

山路 いや、いきなり結論から言われても(笑)クラウドファウンディングみたいに、ビジョンを持った人に対して、お金や力を貸す。これからは一つのプロジェクトに対してそんな風な関わり方に変化していくんじゃないかと思うんですよ。そこで、まず白石さんにお聞きしたいのですが、図書館の場所に古湯温泉をなぜ選ばれたのか、そしてどんな関係を築いていったんですか?

白石 古湯温泉って、佐賀市北部にあるんですけど、佐賀の人でもあんまり知らない。でも、泉質もいいし、いい感じのわびさびもある。30年以上映画祭をやっていたり、文人が泊まっていたりと文化度も高い。何より自分だけが知っている隠れ家的な魅力が泊まれる図書館に合っていると感じました。古湯温泉のイベントにスタッフとして参加する機会があったので、とにかく触れてみようと乗り込みました。そうすると現地の皆さんが、観光が盛り上がるならと受け入れてくれたんです。

山路 僕はそんな風に人の輪に飛び込むのが苦手なのですが、人を巻き込んでいくためにどんな入り方がいいものでしょう?

家入 僕も知らない人が苦手なんだけど、「僕はあっちに行くけど、一緒に行かない?」ってスタンス。コミュニティの中ではよそ者なんだけれども、そこに属していないからこそ他のコミュニティをつなぐことができると言うか、橋渡しができるんだと思う。常に居場所の無さが結果的に新しいものを生み出す力になる。古湯温泉についても、白石さんがよそ者だからこそ、温泉と結びついたんですよ。それがカラクリワークスですよ!

白石 そ、そうですよ!

山路 今日のテーマってクラウドファンディングって言ってますが、実はタイトルが「さあ、あなたもコトづくりの輪の中へ」なんです。そこで、皆さんにとって、ムーブメントが起こっている中にどう飛び込んでいくか、どう参加していくかという話を聞きたいんです。

久志 「コトづくりの輪の中へ」で終わるのはもったいないよね!単純な思いつきとユルい感じでいいから、ぜひ立ち上げて欲しい。それも福岡からね。もう今日帰ったら、家入さんにメッセージを送って!「こんなコトやりたい」って。

家入 メッセージはウェルカム!今は、「CAMPFIRE」ローカルという地域に特化したクラウドファンディングをやっているんだけど、その中でも僕が見て幸せな土地って、住人が自分の町を愛しているんですよ。さっき、未来に求めるものを幸せって言ってたけど、幸せってすぐそばにある。自分の足元にあるものを大事にしないと。

山路 自分の足元にあるストーリーが、誰かの思いに重なって新しいストーリーを作る、それがコトづくりの輪の中へ入る事なんじゃないでしょうか。皆さんも一度、どうやったらムーブメントを起こせるのか、関われるのか考えて欲しいですね。

久志 やりたい事が出来た人は、家入さんと本日ついさっき「CAMPFIRE ローカル」福岡支部になったカラクリワークスの白石さんにメッセージを送ってください。それで、皆さんもお金を集めて、夢を実現させちゃおう!…では最後に家入さんから一言!

家入 その「最後に一言」の流れ、本当嫌だ〜。

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一見夢に向かってひた走る情熱家のようであり、実は地に足のついたリアリストでもある家入さんと白石さんを迎えてのトークショー。夢を叶えるためのお金や地方再生から、二転三転しながらたどり着いたのは、一番身近な幸せの話でした。休憩時間は「自分が立ち上げるならどんなプロジェクト?」というお題について考えたり、最後の質疑応答ではひっきりなしに手が上がったりと、参加した皆さんもお二人の言葉に胸の奥をムズムズと刺激されたよう。
叶えたい夢があれば、まずは手を挙げてみること。それが幸せの近道になるかもしれません。

ReTHINK FUKUOKA PROJECTについて
コミュニケーションや働き方、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている福岡。新しい産業やコミュニティ、文化が生まれるイノベーティブでエネルギッシュな街となっています。
そのチカラの根底には、この街に魅力を感じて、自らが発信源となっている企業や人がいます。
ReTHINK FUKUOKA PROJECTは、「ReTHINK FUKUOKA」をテーマに、まったく異なるジャンルで活躍する企業や人々が集い、有機的につながることで新しいこと・ものを生み出すプロジェクトです。


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