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博多駅の地下通路に“屋台”が集結!? 新名所「Hakata9」でWIRED CAFÉオーナーが語った“屋台≒カフェ”説

ReTHINK FUKUOKA  PROJECT イベントレポート01

アナバナではReTHINK FUKUOKA PROJECTの取材と発信のお手伝いをさせていただいています。

 

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九州最大級のオフィスビル「JRJP博多ビル」や、「KITTE博多」「博多マルイ」等が続々オープンし、九州新幹線開業時以来の大型開発が進む、博多駅。九州・アジアの玄関口としてますますの存在感を見せる中、観光客やビジネスマンでひしめくJR博多駅アミュプラザの地下通路も、4月27日(水)にリニューアル。新しく“フードコートスペシャル” 「Hakata9」がオープンしました。九州にちなんだ9つの飲食スタンドが、約80mの通路に集結する様は、まるで博多の屋台のよう!? それもそのはず、ここを手がけたカフェ・カンパニー株式会社代表の楠本修二郎さんは、福岡市出身で、屋台文化を熟知した人。これまで全国にWIRED CAFE等を展開しながら、九州には1店舗もなく、今回出店100店目(!)にして、ついに地元・福岡に初進出。そのテーマは、ズバリ「博多の屋台」。

同日夜に行われたオープニングイベントでは、前出・楠本さんと、「ReTHINK FUKUOKA PROJECT」を手がけるTABI LABO代表の久志尚太郎さん、福岡発の雑誌「BOND」編集長・小柳俊郎さんの3名で、トークショーを開催。全国で店舗を経営し、地域や人と密に関わってきた楠本さんの地元・福岡に対する意見は、福岡の魅力を再考(ReTHINK)するにあたって、とても示唆に富んだものになりました。トークの内容を一部抜粋してお伝えします。


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価値観の違いをリスペクトできれば、人生はハッピー!

小柳 「Hakata9」に来てみて、驚きました。空間にゆとりや遊びがあって、従来のフードコートにはない斬新な設計ですね。もっと坪効率をよくしたり、平坦でわかりやすい空間にすることもできたはずですが、あえて凸凹とした空間にした狙いはなんですか?

楠本 僕らは、「Cafe」をCommunity access for everyoneの頭文字と捉えて、コミュニティを作るのが僕らの仕事だと考えています。コミュニティとは、いろんな価値観の人が混ぜ合わされる場所のこと。異質なものに出会った時、それを違和感と感じるより、違いをリスペクトできた方が、人生はハッピーになるでしょ? カフェは、偶発的な出会いを作り、多様性を楽しめる雰囲気を作り出せるということを、僕らはお客さんから学んできたんです。だから、その経験を活かした設計にしました。

小柳 高低差のつけ方が、大胆で面白いですね。

楠本 この場所はもともと、B1フロアとB2フロアをつなぐ坂道なんです。その条件を、いかにポジティブにとらえるかが、今回の課題でした。B1の方を丘と捉えて、丘から見下ろすと坂があり、坂の下には公園が広がり、ピクニックをしたり、ギターを弾いたり、子供達が走り回ったりして遊んでいる……そんなイメージを膨らませて、ストーリーを考えながら設計しましたね。


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カッコよくてスカしたものを作ったらアウト!

小柳 「こうなったら失敗」、「こうなるのだけは避けたい」と考えていたことはありますか?

楠本 「Hakata9」のコンセプトは、“博多の屋台”のスタイル。カフェはコミュニティを作る場所という考え方で言えば、福岡やアジアにおいては、カフェが登場するより前に、屋台がその役割を担っていたと思うんです。博多には屋台があり、台湾には夜市があり、シンガポールにはホーカーがある。そういう場所で、知らない人同士隣り合って飲んだり食べたりして、いつのまにか仲良くなることってあるでしょ? そんな屋台が持つ雑多な空気感、コミュニティが生まれる雰囲気を、「Hakata9」でも作りたいと思って。だから、いかにも東京風の、カッコよくてスカしたものを作ったらアウトだな、と思ってましたね。

久志 なるほど、面白いですね。幼少期を福岡で過ごして、その後は東京の第一線にいる楠本さんからは、いまの福岡の街ってどんな風に見えてるんですか?

楠本 福岡は、いろんな可能性に溢れた街だと思いますよ。「MONOCLE」誌の「世界で最も住みやすい街ランキング」で1位を取れるぐらいのポテンシャルは十分あるでしょう。ご飯が圧倒的においしく、山と海が近い。これは人間の幸せにとって、とっても大事なこと。それに人々が明るくて、ミーハーで、ラテン的な気質がありますよね。イノベーションって、ポジティブに物事を捉えることから生まれてきますから。

久志 ええ、同感です。個人的にも、福岡の街ほど来てワクワクを感じる場所ってないです。

楠本 そういうハッピーなエネルギーが、情報発信にも繋がって、街の魅力をさらに広げていると思います。


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違いを楽しむ“博多ルール”

小柳 福岡が地元の僕から見ると、せっかくいいコミュニティがたくさんあるのに、コミュニティ同士が繋がっていなかったり、仲が良くなかったりして、もったいないと思う事があって。

楠本 ええ、そこが変われば福岡はもっと大きくなるでしょう。これから、都市間競争の時代に入ると、都市の魅力を決めるのは、クリエイティブ力になるはず。その時に、クリエイティビティの源泉になるのが多様な価値観であり、違和感を面白がって取り入れる姿勢だと思います。「違いを楽しむ」、これを博多ルールにして、全国に広げていきましょうよ。

久志 博多ルール、いいですね。福岡で育った楠本さんには、屋台のように価値観が混ざり合うのを楽しめるDNAがあるんでしょうね。

楠本 そうかもしれない。「Hakata9」は僕らにとってもまったく新しいチャレンジで、100店舗目とはいえ、まるで1店舗目のようなピリッと良い緊張感を感じています。ようやく地元に出店し、ここがこれからの自分の出発点になるような気がするんですよ。ぜひ皆さんも、福岡の街をよりハッピーにするコミュニティ作りに、参加してほしいと思います。


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いかがでしたか? 人、風土、食べ物、歴史と、豊かな資源を持つ福岡の街に、楠本さんのような新しい風を吹き込む存在が掛け合わされれば、福岡はもっともっと面白くなる。それはやがて、国の枠を越えた、世界の都市のニュー・スタンダードになるのかも。 「ReTHINK FUKUOKA PROJECT」では、今後も福岡を盛り上げ、新しい“気づき”を与えるさまざまなイベントを開催予定。当サイトでも、順次レポートしていきます。乞うご期待!

 

 ReTHINK FUKUOKA PROJECTについて
コミュニケーションや働き方、ライフスタイルに大きな変化をもたらしている福岡。新しい産業やコミュニティ、文化が生まれるイノベーティブでエネルギッシュな街となっています。
そのチカラの根底には、この街に魅力を感じて、自らが発信源となっている企業や人がいます。
ReTHINK FUKUOKA PROJECTは、「ReTHINK FUKUOKA」をテーマに、まったく異なるジャンルで活躍する企業や人々が集い、有機的につながることで新しいこと・ものを生み出すプロジェクトです。


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