やました農園

バンザーイ!実ったぞ! やましたの農園のいちごお披露目会

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「ミキさん、突然ですが今夜一緒にご飯しませんか?」と一本の電話。声の主は、山下マナミさんである。「いいですね!ぜひ!」と返事をしてから、なんと3時間後には我が家で乾杯!「これ、よかったらどうぞ…」と手渡されたのは、1年ぶりにお会いする“いちご様”だ。キラキラの赤い粒と目が合えば、うぁ〜!と歓声が上がる。やました農園の土作りを追いかけてもうすぐ1年。ふいに届いた二人からの予想外すぎるプレゼント。久しぶり!かわいいね!会いたかったよ!愛おしくて、おいしくて、うれしい“いちごお披露目会”がはじまった。

しゅっぱい?ジューシー?初生りのそのお味はいかに…?

 マナミさんから電話がかってきて食事の準備をしながら、この1年のことを振り返っていた。機械が合わなくて右往左往したり、突然の劇雨や猛暑、台風に悩まされたり…。どんなに深刻な状況でも、二人の気力と周囲の力強いサポートにより、困難を乗り切ってきたように思う。

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取材をはじめて1年。たまにこうやってご飯を食べるほどの仲に。

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せっかく作った夕飯は全く手をつけず、ひたすらいちごと食べ続ける2歳児。

 この1年、紆余曲折あったのを知っているだけに、突如届いた初生りいちごは、感慨深いものがあった。

「微生物を生かした土作りで、無農薬のいちごを作りたい!」という彼らの想い、そしてその想いに共鳴して機械を貸してくれた人、肥料となる材料を提供してくれた人、畑を手伝いに来てくれた人々…、真っ赤ないちごを前に様々な人たちの顔が浮かび上がる。誰よりも感慨深いのは、山下夫妻だと思う。「自分たちだけでは、本当に何もできなくて。この一年は、たくさんの人に助けられました。感謝の気持ちでいっぱいです!」とマナミさん。この日夕方に収穫したといういちごは、まず我が家の2歳児の口に入ることに。思い返せば、やました農園とのおつきあいは、この娘がお腹にいた頃から(正直ブランド やました農園編)。今年からスタートしたこの追っかけ取材でも子連れで畑に伺うことがあり、いつも楽しくて、ワハハと笑っている二人のことが娘は大好き。特にマナブさんのことは「ブーしゃん、ブーしゃん」と呼び、ブーしゃんに会えると聞けば顔を赤らめ、「うれしいね…」と2歳児にして乙女な発言をするほどの(見た目は男の子なのだが)ブーしゃんファンなのだ。そして、スーパーのいちごは目にもくれず、「いちごは、ブーしゃんがくれるからね〜♪(←図々しいにもほどがある)」と話し出す始末。とにかく、この日は愛する二人がやってきて、しかもとっておきのいちごが届いたということで娘はテンションアップ!貴重な20粒はみるみるうちになくなってしまったが、かろうじて母親(私)の分(2粒)は冷蔵庫に確保できたのだ(結局、私自身はこの日は食べることができなかった…)。

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この日のメインは、餃子。几帳面なマナミさんが包むと見た目も美しかった!

多品種のいちご栽培にトライ!

今年やました農園では、10年作り続けている「あまおう」をメインに、「さがほのか」、「紅ほっぺ」など数種類のいちごを育てているのだそう。品種によって、見た目や味はもちろん、生育にも随分違いがあって、農薬や化学肥料を使わないで栽培する場合、それぞれに違った課題があるのだとか。良いところと難しいところ、その特徴にあった対処法を見つけていけたら、「無農薬でいちごを育てる農家が増えてほしい」というやました農園の想いがぐっと現実的になるのでは、と期待を込めてトライしていると言う。

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いちごの品種をこうやって見比べるのははじめて。形や色も随分違う。

「さがほのかは、早くからなり始めて、遅くまで収穫できる品種。うちでも一番に実をつけたけど、まだ味がのってないなぁ株が元気いっぱいだから、これから頼りになりそう」、「紅ほっぺは酸味もあって、しっかりした味!香りが鼻にふわーっと抜ける」、「あまおうは、やっと何粒か赤い実をつけた程度。味はまだまだこれからかな」なんて品評会が始まりこの日の晩は、お開きに。

翌朝、冷蔵庫にこっそり隠しておいたいちごを取り出す。ラップを開けた瞬間、甘酸っぱい香りが漂った。ふたりの1年の仕事に感謝しながらほおばると、果汁が口いっぱいに滴る。さっぱりと雑味がなくて、自然そのものの力強い味。気づけば、満面の笑みになって、嬉しくて涙が溢れてきた。

「いちごは、大人も子どもも幸せにするからね」といつかマナブさんが言っていたのをふと思い出す。毎日四苦八苦しながら無農薬いちごの栽培という難しいチャレンジをしながらも、ふたりの仕事の原点は、「いちごでたくさんの人に喜んでもらいたい」という、とても単純で純粋で、真面目なものなのだ。

写真・取材・文/ミキナオコ

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