アナバナ編集部でアルバイトをしている大津です。 8月30日に「野菜やハーブで絵の具をつくり絵を描こう!」というワークショップに参加しましたので、その様子をレポートします。その名の通り、野菜やハーブを使い、絵を描くワークショップ。14時からの昼下がり編と18時からの夕暮れ編があり、異なる分野の3人のショク人と一緒に楽しみました。お料理を担当するのは食人の料理研究家アッコさん、絵の具づくりとドリンクを担当するのは植人のハーブティーアーティストKANAMEさん、絵の描き方を教えてくれるのは色人の美術作家KANAKOさんです。

すり鉢ですり潰したハイビスカス、マローブルー、抹茶、タンポポの4種類の絵の具。そのほかにパプリカや土、ミントやタイムなどのハーブも使いました。自然の食べられる色でこんなに鮮やかな色が出せるのかと驚きました。
KANAMEさんとKANAKOさんはマンドレイクという植彩ユニットとしても活動をしていて、二人で一枚の絵を描く姿を含めて作品になるようです。
子どもたちも真剣な眼差しで興味深々です。生きた植物を使って描いた絵は生きた絵だ、とKANAMEさん。描いて1ヶ月半もすると、鮮やかな色はセピア調のような色に変化するそうです。生きているからこそ、呼吸するように色が変わり続けます。描いた瞬間からずっと変わってゆく色を楽しめるのも、ハーブや野菜の絵の具を使って絵を描く醍醐味ですね!
ミントやハーブなどをキャンバスの上に置き、紙をあてて、麺棒のような硬いもので上から圧力を与えると、その葉の色素がキャンバスに移り、素敵な葉っぱが浮かび上がります。マローブルーで描いた上から輪切りのレモンを当てると、色が変化します。
絵が苦手な人も大丈夫。本物の葉っぱの形と色を写し取ります。鮮やかに色を出すにはコツがあるそうです。まず、できるだけとれたてのものを使うこと。ワークショップで使われていたハーブは今朝採ってきたものだそうです。そして、ハーブをアルコール漬けにして少し温めます。
キャンバスにおくときは葉脈がある裏側をキャンバス側にして圧力をかけるとより色が出るそうです。このようによりよい方法を模索するのもその先に発見や気づきがあり面白いとKANAMEさんが話してくださいました。
ライブペイントが終わると、一人一枚の絵を描き上げるのが目標!ということで、みなさん描き始めました。大人の方は、ある程度形を決めて描かれているので一つの世界のような絵が多く見ているだけでも楽しくなります。子どもは躊躇なく、2枚も3枚も自由に描いていていました。
オレンジのペーストは、かぼちゃやヨーグルト、クリームチーズなどを使ったムース。白いペーストは、バナナやゆず果汁を使ったチーズケーキ。紫のソースはブルーベリーとハイビスカスのソース。オレンジ色は人参、紫の粉は紫芋、緑の粉は抹茶、と盛りだくさんの一皿。
絵を描くのに使った植物などと同じものが使われていて、絵の具を食べているような不思議な感覚です。
参加者の皆さんの絵が完成しました!カラフルで素敵なものばかりです。一枚描き終わったら、もう一枚と、何枚も描く方が続出して、テーブルに乗らない程たくさんの生きている絵がならびます。この棚に並んでいる間も絵の色は変わり続けていて、できあがった時より鮮やかな色に変化していることも。
お絵描きの絵の具と全く同じものでドリンクを楽しみました。マローブルーと炭酸は反応を起こして少しずつ色が変わっていくそうなので飲まずに見ておきたくなります!実際に飲んでみましたが、甘酸っぱくておいしかったです。
昼下がり編が終わり、夕暮れ編はまた違った雰囲気に。KANAMEさんとKANAKOさんによるライブペイントの後、参加者みなさんで大きな絵を仕上げます。
夕暮れ編では、参加者皆さんで二枚の絵を描きます。
大きなキャンバスに描くことはあまりないためか、最初は躊躇されていましたが、描き始めると、あっという間にサラサラと。水彩のような透明感のある感じが森や海の自然の感じにあっていると思いました。
描いた絵にブラックライトを当てると光る色があるようです。どの色が光るのか何度も試して発見されたそうで、青が光ることに気づいた時は、とても感動したそうです。色によって光り方が違うため、その違いがブラックライトを当てた時の絵に明るさの強弱となって現れ面白いものにしているように感じます。
ハイビスカスライスに甘辛く炒めた豚ミンチ、抹茶のパンプキン、ビーツのコロッケ、ソースは、パプリカの黄色(カレー味)とパプリカの赤、パセリのジェノヴァソースと揚げ野菜!
アッコさんは、あれもこれも食べられる欲張りな一皿をつくってくださいました。料理自体もそうですが、盛り付けにもこだわり、まるで絵画のようなプレートを見て、プロは違うなと思いました。
絵の具の定義には、一定期間色を保持できなければならないなどがあり、それを満たさないハーブや野菜を使った絵は絵画の枠に含まれないとのこと。しかし、今回のイベントのように、植物やハーブなどの自然にあるから生み出した絵の具で絵を描くことで、自然の神秘と儚さを伝えていきたいとKANAMEさん。
KANAKOさんは、普段は美術作家としても活動されていて、ワークショップとはひと味違った作品をつくられています。昆虫、中でも蝶が大好きだそうで、ワークショップ当日つけていたイヤリングやライブペイントで描かれた蝶は印象的でした。
最後にみんなでブラックライトを当てたものと当ててないもの2種類の記念撮影をしました。ブラックライトを当てて撮影した方は、後ろの大きなキャンバスは光っていませんが、小さな画用紙は光っています。これは紙質の違いで高い紙を使うと光りにくいそうです。
今回のイベントは、自由な雰囲気で絵を通してハーブや野菜を楽しめるイベントでした。ハーブには王道の楽しみ方があるかもしれないですが、こんな楽しみ方もいいなと思いました。何より、ハーブなどの植物を視覚で味覚で触覚で嗅覚でといろんな感覚で感じることができたのが、初めての体験でした。
今後も様々な活動をされるそうなので要チェックです。
□KANAMEさんとKANAKOさんのユニット「mandrake(マンドレイク)」のFacebookページ
https://www.facebook.com/mandrake.jp
□KANAMEさん主催「Flower Tea」のウェブサイト
□KANAKOさんのウェブサイト
□アッコさん「Happy Herbs」のFacebookページ