日々のてまひまの日々

吉田さんと工房まるが歩む日々〜後編〜

工房まるメンバー達の日々

木工・陶芸・絵画の3グループの創作活動により構成されている工房まる。メンバーさん達は、みなさん生き生きとした表情で本当に楽しそうに日常を過ごしていました。本当はメンバー全員の紹介をしたかったのですが、今回は各グループそれぞれの代表メンバーさんを独断で選出。工房まるでの創作モノ語りを伺ってきました。

木工グループ: 幸一郎さんのモノ語り

幸一郎さんの代表作。白と黒の配色バランスは絶妙。やすりかけに集中するあまり塗装が剥がれてしまったところが、かなりイイ味を醸し出している。

幸一郎さんが現在製作中の『ビリリー・ブローチ』。くるみ油の染み込んだ布を当てておくだけで、手が止まっている状態でも自然な飴色に。

手が不自由で動かせる範囲も小さい幸一郎さんは、手を上下に小さくスライドさせる動きだけでできる作業を担当している。以前はやすりかけをメインに、鏡や時計づくりに関わっていたが、「他にも力を活かせることがあるのでは?」と様々な作業を試みる中で誕生したのが『ビリリー・ブローチ』だ。幸一郎さんがビリビリと破った紙を型紙にして、同じ木工担当の田中さんが手先の器用さを生かして裁断。豊かな発想で動物に見立てて目を入れてくれる。それを幸一郎さんが磨いて、くるみ油で艶だし。すばらしい連係プレーによって可愛いブローチが完成する。

まる歴17年のベテランメンバー。ボーリングが大好きで最高スコアは184点。演歌が得意な歌う木工職人だ。野球観戦が趣味で、贔屓にしている球団は阪神とオリックスという関西派!

陶芸グループ : 藍人さんのモノ語り

センスのいいドット柄が目をひく夫婦茶わん。手なじみのいい曲線と口当たりのよさそうな分厚い縁は、ごはんをそのままかきこみたくなる。

ヒビや水漏れがあって商品として出せなかった陶器たちは『MARU+BOTANICAL』として再生。流行をうまく取り入れた企画力はさすが。

型に被せた陶土を、指1本で愛でるように丁寧に押しのばしていく藍人さん。焼き上げると、指の跡がポコポコっとついた、なんとも触り心地のいい無二のお茶わんができあがる。 そのコロンとしたフォルムは、工房まるの人気アーチストKousukeさんデザインのドット&ストライプ柄との相性抜群。大濠公園のカフェ「くもとみず」で実際に使用&販売されていて、納品する度に売れていく人気商品だ。「『陶器は使って良さが分かる』と僕の読んだ本に書いてありました。僕の作った器をたくさんの人にどんどん使ってもらいたい」。お茶わん人気が、藍人さんのやる気の源だ。

まる歴8年。熱烈なホークスファンの藍人さん。野球観戦に行くと、普段温厚なその姿からは想像できないような熱狂ぶりがみられるそう。フェイスブックにまるの作品を載せて、営業部長としても活躍中。

絵画グループ : 佳奈さんのモノ語り

博多大丸のオリジナルバック作品選考会で、大丸賞を受賞した『Smily2』。昭和っぽさとレトロおしゃれな雰囲気がコンセプト。

佳奈さん作の似顔絵名刺はピカイチ。特徴を良く掴んだ上で、2割増し美男美女に仕上げてくれる。顧客との会話が弾むことうけあいだ。

PCが身体の一部なんじゃないかと思うくらい、見事なペンタブレットさばきで画面上に自在に線を描き、次々とイラストを完成させていく佳奈さん。アートイベントで彼女が即興で描く似顔絵コーナーはいつも好評だ。「実は似顔絵は苦手で…。めちゃくちゃ緊張するんです」と言いつつも、その鋭い観察眼と表現力で、表情豊かな生き生きとした作品を描いてくれる。「好きで描いた絵が評価されるのは、自分自身を褒められているようですごく嬉しい」。イラストだけでなく団体のロゴマークを作成したり、帽子店とコラボして絵を描いたりと、幅広いアート活動を展開中。4月からは、まるギャラリーで個展を開催する予定だ。

まる歴5年。工房まるで過ごす時間が楽しすぎて「食事中のメンバーがごはんをこぼすだけでも面白い(笑)」と和気藹々とおしゃべりを楽しむ毎日。ハリーポッターの大ファンで、1週間で3回も映画館に足を運んだとか。

4月の日々のてまひまの日々は…?!
「日々のてまひま」の商品開発から見えてきた私たちの中にある 障害とは???を、お届けします。

(いはらともえ)


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