穴バーレポート ACTIVITY

水やりはたった一度だけ。甘くて濃い味のトマトを片手に永尾さんの熱いトークを味わう夜。トマトーバーレポート 前半[4月の穴バー]


夏野菜のイメージがありながら、実は今の時期こそが一番美味しく食べられるというトマト。
4月の穴バーはそんな旬まっさかりのトマトを主役に、佐賀県から「永尾産ち」の永尾真治さんをお招きしてトマトバーを開店しました。
トマト好きのみなさまでいっぱいになった会場は、永尾さんの熱いトークとともに、熱気に包まれました。当日の様子をレポートでお届けします!

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会場目印の看板。トマト好きさんが千代町に大集合です

 

美味しい理由は愛あるスパルタ教育

ゲストの永尾さんは、佐賀平野に広がる農地の一画でトマト3種とレンゲ米を育てていらっしゃいます。「永尾産ち」の名前で全国に旅立つトマトは、4ヶ月先まで予約が埋まるほどの人気ぶりです。販売も実に9割を対面で行うなど、一般的なイメージとは違う農業を営む永尾さんのお話は、知れば知るほどその理由を知りたくなってしまいます。

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こちらが永尾さん。「すごく緊張してます!」と言いながら、トマトや農業について熱く語ってくださいました

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会場のみなさんの表情は真剣です

永尾産ち流の栽培方法では、収穫まで一度しか水をやりません。
高原生まれのトマトは水の量を少なめに調整したり、根が張るまではたっぷり水をあげたりと、水やり方法にも様々な種類があるようです。その中でも水やりを一度だけに絞る「永尾産ち流」は、特にスパルタ式!

喉が渇いたトマトの苗は下へ下へと水を求めて根を張り、丈夫な株に育つそう。
深く大きく育った根はトマトの基礎体力をつくるため、できた実の味は濃厚で色味が濃く、量も多くとれると言います。
「水を自分でとりにいく”教育”です」と言う永尾さんは、まるで我が子を育てる親のよう!

「適温は28度」「ヘタの数でも甘さがわかる」と、トーク中は次々と興味深いトマト話が飛び出します。自分の子のようにトマトを育て、お客さまにより美味しく食べてもらえるようにと、日々の対面販売でトマトの話を直接伝える永尾さん。その姿が穴バーの場でも想像できたほど、永尾さんのトマト愛がたっぷり伝わってきました。
時にスパルタな永尾さんのトマトへの愛は、苗を植えたときからお客さまの手に渡るまで、長いことそそがれているのだなあ。

テーマパークを作りたい!
永尾さんが夢見る楽しい農業

テーブルには3種の中でも一番甘いミニトマトが盛られ、みなさんトマトを片手にトークを楽しまれていました。

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トマトで乾杯するお客さま。「甘い!フルーツみたい!」とみなさん驚かれていましたよ

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「実はトマトアレルギーです」という永尾さんの衝撃の大告白に、ざわめく会場のみなさま。だからこそお客さまの声が重要なのだそう。匂いをかいだり、つぶして手で濃度を調べたりと、人以上に敏感になってトマトと会話をするそうです

トマトが苦手ながらもたっぷりと愛情をそそぎ、「農業は最高の職業!」と笑う永尾さん。

近い未来には、果物狩りや農業体験ができるテーマパークをつくることを夢見ているのだそう。
そんな永尾さんが目指すのは、農業にもっと楽しいイメージを持ってもらうこと。
お会いするたび楽しそうに農業の未来を語り、真摯にトマトのことを伝えてくださる永尾さんのお姿は、なんだか応援したくなったり、仲間になりたくなってしまいます。
同じ思いを持つ生産者仲間と構想を練っているというテーマパークの完成は、たくさんの永尾さんのファンが集まる場になるかもしれません。実現を楽しみに待っています!

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「よしこちゃんの畑」のアスパラ農家 奥園淑子さん。永尾さんの生産者仲間として駆けつけてくださいました!農家でモデルという異色の肩書きを持つ奥園さんも、農業のイメージを変えたいと願う心強い同志です

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トマトとアスパラの並ぶテーブル。素材そのものもお料理としても、どちらも大好評でした


レポート後編では当日のお料理をご紹介します!

▷レポート後編はこちら

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「皿の上の九州」の取材記事では、永尾さんが就農した理由やハウスの中の様子もご紹介しています。こちらも合わせてぜひ読まれてくださいね。
▽記事はこちら
https://anaba-na.com/saranoue/nagao/


(編集部 天野)

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