イベントレポート

狩猟トークとジビエ試食会

こんにちは。遅ればせながら、11月に編集部1階スペースでひらかれた若手狩猟家「tracks」さんたちのイベントを、少しだけレポートします!
野生の動物たちは寒さに備えて栄養を蓄えるため、寒さが本番を迎えたこの季節は、お肉に脂がのってとっても美味しくなるそうです。そんな旬のジビエ料理(野生の鳥獣を狩猟で仕留めて調理したもの)を楽しめる集いが、ひらかれたのでした。
その名も「若手猟師たちによる狩猟トークとジビエ試食会!」。主催は、福岡で活動する若手ハンター集団「tracks」さんです。
この日は、トークとジビエの試食会の二本立てでございました。

前半はトークから。
登壇者は、tracks代表の江口政継さんと、新米ハンターの畠山千春さんです。
「猟師って一体どんなことをしているの?」という、知ってそうで知らないお話をはじめ、お二人が猟師になったきっかけや、猟師を生業とすることについて、また「いのち」との関わり方など、実際の体験を通したリアルなお話が、お二人の口から溢れるように流れ出てきます。

江口さん(右)と畠山さん(左)「狩人」のTシャツが目を引きます。普段は絵画造形教室を営んでいるという江口さん。猟師一年目は右も左も分からず、猪は1頭も穫れなかったのだそうです。「僕に穫って狩猟とは、山の恵みを頂く行為」という言葉がとても印象的でした。

 

東日本大震災をきっかけに福岡へ移住したという畠山さんは、現在糸島でシェアハウスを運営しながら、食べ物、お金、エネルギーをなるべく自分たちの手で自給するという生活を実践中だそうです。物々交換もはじめたそうで、最近の収穫はなんとiPhone5(千春さんが穫った猪と交換したとか!)。
以前、アナバナのインタビューにも答えてくださった畠山さん。当時からの問題意識は、脈々と今に生きています。
(インタビューの記事はこちら▶https://anaba-na.com/conversation/189.html

講師として屠殺のワークショップやエシカルアクセサリーづくりも。以前まなばなでワークショップもひらきました。

トーク終了後には、料理家でtracksメンバーの井口和泉さんによるジビエ料理が振る舞われました。
今夜の注目株は、なんといってもアナグマ!
アナグマって、独特の臭みから好まない方も多いのだそうですが、井口さんいわく「アナグマは美食家で、美味しい果物や甘い野菜しか食べないことで有名。そのせいか、脂身が果物の香りがする」のだとか。
確かに、この日いただいたアナグマのラグー(肉を細かく切って煮込んだソース)、香りが豊かでとっても美味しかった!

左から江口さん、井口さん、畠山さん。みなさん普段はそれぞれに違うお仕事をしながら、tracksのメンバーとして狩猟活動に取り組んでいます。

アナグマのラグーは、バゲットとともに。あっという間になくなりました。

アナグマのほか、猪のビール煮のグリエも。さすが野生。お肉がしっかりしていて、ほおばるだけで元気になりそう。

糸島野菜のバーニャカウダには、畠山さんが糸島で育てた有機野菜を使用。味が強くお肉との相性もばっちりでした。

ロビーでは、猟師さんたちが実際に着ているという服や、畠山さんが仕留めてなめしたうさぎの皮やも展示。

私たちが生きることは、「いのち」をいただくこと。そして「いのち」とつながること。普段の生活からは見えてこない食べ物との関わりから、自分なりの「いのち」との付き合い方について考えさせられます。
tracksのみなさんもまた、さまざまな切り口でイベントをひらくなど、活動をしながら「狩猟」とのつき合い方を模索しているようにも映ります。
若手ハンターたちの団体tracksは、このほかにもジビエ試食会や狩猟体験ツアー、屠殺ワークショップなど、様々なイベントも企画しているそう。気になる方はチェックしてみてください。

(堀尾真理)


■tracks
http://field-tracks.org/


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