- 前回までのあらすじ…
- 2014年3月で閉館となった嬉野秘宝館。閉館を前に、嬉野旅を決行したヨテコさんとモンキチさん。30年以上秘宝館を守りつづけてきたスミさんの超マイペースな案内で、女2人のチン道中が幕を開けた……。
秘宝館の館長がオススメしてくれたお隣の「きゃべつ畑」にて昼食タイム。 嬉野であるにも関わらず、本場大阪の味が楽しめるお好み焼き屋さん。 ここで思わぬハプニングが待っていた・・・
キャベツ畑さんは秘宝館閉館後も営業を続けるそうです。敷地はどうなるかわからないとご主人。 オススメの焼きそばを注文。 焼き上がりまで、秘宝館の余韻を引きずり盛り上がる一行。
- ヨテコ それにしても秘宝館楽しかったですねぇ。
- モンキチ ほんとほんと
この大人のおもちゃセット、何が入ってるんだろう?
あけてみてよ
- 一同 わー!!(笑)
ローションが入っとるよ!
チョーあやしい(笑)
容器がしょうゆっぽい(笑)
- モンキチ ははは(笑)ぽいねぇ
そこの調味料のところに一緒に置いててもわからないんじゃないですか?
- モンキチ ヨテコちゃん! イタズラしたらダメよ〜
- 秘宝館で購入した「おもちゃの山」を出し合うふたり
- —– はしゃぐ一行に、突然悲劇がおとずれた…
あぁぁーー!!!
どうしたの?
め、めんぶりゅうが!
- 一同 あーーーー!!!
- なんと、秘宝館でいただいた面浮立が、あご元からぱっくりと割れてしまった!
これは、はしゃぎすぎた天罰か。 あら? どうしたの?
- ヨテコ 面浮立(めんぶりゅう)が割れてしまいました・・・(涙目)
あ〜アロンアロファあったかしら・・・ 食べてる間に接着しとこうか?
いいんですか! ありがとうございます!
あ、あとそれ、メンブリューじゃないと思うよ(アッサリ)
- 一同 えーーーーーー!!!
はいはい、食事ができたので召し上がってください。
ようすのおかしい一行を横目に、淡々と焼きそばセットを運んでくれたおかあさん。メンブリュー(ではないらしい)まで面倒を見てくださってありがとうございます。
親切にメンブリュー(ではないらしい)の接着してくれたご主人。その真剣なまなざしはまさに職人です。
- モンキチ ……とりあえず焼きそば、いただきましょうか。
そうですね。不吉ですね・・・
無事、接着されたメンブリュー(ではないらしい)のお面。きゃべつ畑さんのご主人、おかあさん、ありがとうございました。 不安を抱えつつ、次の目的地へ移動します。
嬉野温泉街へ移動した一行は、なにやら怪しくもそそられる外観のお店を発見した。その名も「お宝倉庫 夢市場」。膨大な品数に心ときめかせながらショッピングを楽しむことに。
わ~~ 物量がハンパない(笑)
- モンキチ 奥はどこまで続いてるんだろうね?
ようこそ〜いらっしゃい
- ヨテコ あ、こちらのご主人ですか? こんにちは。すごい量のモノたちですね。
そうよ〜ここのご主人よ。色々見て行ってよ。うちはなんでもあるからね〜。
何が売ってるんだろね……とりあえず、拝見します!
どうぞどうぞ。
「お宝倉庫 夢市場」のご主人山下さんに促されて、中をウロウロ。嬉野ワンダーランドです。
入り口すぐの食器コーナー。奥が見えないほどのびっしりと器がならびます。その膨大な品揃えに一行は驚くばかり。
- モンキチ ヨテコちゃん、あれすごいね(笑)
- ヨテコ なんですかあれ! お父さんこれも商品なんですか?
そうよ、もちろん
これ、誰かが家で録画したビデオですよね。
うん、そうやろうねぇ。
- モンキチ もう、なんでも売っていいんやね(笑)
中古ビデオコーナーには、あきらかに金曜ロードショーを録画したと思われるテープが商品として立派にならんでおりました。
- お父さん もっと奥にも色々ありますよ〜。
- ヨテコ あ! ミスター(長嶋さん)がいますよ。
- モンキチ 隣の人は誰やろうねぇ……
謎です。
- モンキチ あ、わたしにぴったりのモノを見つけた!
- ヨテコ わぁ、三味線のバチですね。
- モンキチ ヨテコちゃんが好きそうなグッズもあるよ。
- ヨテコ おぉ〜! サンリオコーナー!
読売ジャイアンツ長嶋茂雄元監督が写る謎の生(ナマ)写真
三味線アイテムを発見して嬉しそうなモンキチさん。
キーホルダーコーナーにはサンリオグッズがいっぱい。今日一真剣な表情のヨテコさん。
使いかけのソースも売ってるんですね。。。
そうよ。調味料も皿もなんでもあるから、ここで生活もできるよ~
- ヨテコ あ、ここ二階にも上がれるんですね?
そうそう、そこが階段ね。よ・つ・や か・い・だ・んで上ってね。
お父さん、冴えてますね!
鍋も花瓶も使いかけのしょうゆも撮影途中のカメラも。もう、なんでもあります。
謎のメモもあります。
- ヨテコ それにしても品数がすごいですね。
- モンキチ 一体どこから仕入れてるんですか?
セリもあるし、旅館のつぶれたとこから一式もらうこともあるよ。
へぇ~
嬉野の旅館も、最近はようけ潰れるんよ。(しんみり)
- モンキチ そりゃあさみしいねぇ
うん。さみしい。
- ヨテコ お父さんはずっとここで商売されてるんですか?
- 私はもとは板金屋よ。
よそにはなんもたのまんと、自分で全部作るんよ。 この建物もわしが建てたんよ。 - モンキチ す、すごいですね。
佐世保支店と長崎支店もあるのよ。
そうなんですか!お父さん、なかなかやり手だねぇ。
うへへへへへ(笑)
せっかくなので、一緒に記念写真を撮ってください!
- お待ちしておりました。
あなたのおそばに いざ! ゆかん! (突然セリフ調になる) 嬉しそうですね、おとうさん(笑)
夜の部もいこうか? なんつって(笑) (突然下ネタも入る)
- 一同 あははははは
また遊びに来てくださいね〜。
はい! またお父さんに会いにきます!
記念撮影をパチり! とっても陽気で気さくなご主人。楽しい時間をありがとうございました。
- 夢市場のご主人に別れを告げ、嬉野温泉街をぶらぶら散策するふたり。温泉街ならではのレトロな看板や素敵なお店に目移りするふたり。
- ヨテコ あ! わたしあれが食べたい!
- モンキチ ん? どれどれ?
『17歳のチーズまんじゅう』
- モンキチ ん? どっかで聞いたことあるねぇ。
こっちは『15の夜』だって!
よく見たら”イチゴの夜”って書いてある(笑)
- ヨテコ せっかくだから、おやつタイムにしましょう!
嬉野温泉街で出会える和菓子の店御菓子司 御歌屋さん
いらっしゃいませ。
- ヨテコ こんにちは〜このネーミングってもしかして?・・・
はい、うちの主人が尾崎豊好きなので。
やっぱり! わたしも尾崎大好きです!!
17歳の“地図”と“チーズ”をかけたのが、『17歳のチーズまんじゅう』ね。
- モンキチ なるほど(笑)
- ヨテコ せっかくだから『15の夜』と『17歳のチーズまんじゅう』を下さいっ。
ユニークなネーミングの和菓子がならぶショーケース。ご主人がいたらその熱狂っぷりについてをうかがってみたかった。
人気NO.1はやっぱり『17歳のチーズまんじゅう』です。
店内には「尾崎豊コーナー」と同じくファンだという「福山雅治コーナー」がありました。和菓子からアイドルまで、いろいろ楽しめます。 素敵な和菓子を購入し、近くの足湯でおやつタイムです。
- モンキチ せっかくやけん、足湯にも浸かろうかね。
- ヨテコ わーい。あったまる〜
シーボルトの足湯で、ようやくなごみの時間を過ごすしたふたり。とっても刺激的な嬉野の町ですが、温泉も極上ですよ。
- 最後に、秘宝館で忘れ形見のようにいただいたメンブリュー(もどき)が割れ、不吉な予感を覚えた一行は、旅の無事を祈念して、嬉野市のお隣武雄市の道祖神へ向かうことに。カーナビで目的地へ向かうも、見逃して周囲を行ったり来たり迷ってしまうほどひっそりとしたところに道祖神はあった。
- ◎ 道祖神とは?
- 日本の民間信仰のひとつ。道端や村の境域などに置かれる丸石や石像などを神体とし、旅の無事や暮らしの安全を見守る神とされる。こちらの道祖神は、その由来を猿田彦神の古事記に其の端を発しているとのこと。
-
- ヨテコ あ、あった!
- モンキチ なかなか気づきにくい場所にあるね。
- ヨテコ ひっそりとしてますね。
- モンキチ ジブリに出てきそうな雰囲気。
- ヨテコ うんうん。あ、看板の形がかわいい!
- モンキチ あの形は”アレ”やね。
- ヨテコ ふむふむ。シワのあたりまで細かくしっかり作りこんでますね。
- ぐるぐると迷った末にようやく武雄の道祖神を発見。ご神体の脇には苔生した石が転がる小川が流れる。神社に行ったときに感じる、気持ちがすぅっとするあの空気がありました。
- モンキチ なんだか神様がいるって感じの空気やね。
はい。雰囲気ビンビンです。
ご神体の横に「お願い道祖の上にろうそくを立てないで下さい」って書かれてる(笑)
- ヨテコ ははは(笑)やっぱりみんな”そこ”に立てたくなっちゃうのかなぁ
- モンキチ だけどすごくきれいに管理されてるから、地域の人たちがちゃんと信仰して守ってるんだろうねぇ。
- ヨテコ そうですね。私たちもまじめにお参りしましょう。
- モンキチ 入口にあった説明書きによると、『本来は悪霊・悪疫退散のものだったけど、時代とともに進化して男女の象徴を象ったものになった』って……。
- ヨテコ 『今では良縁出産家庭円満商売繁盛ひいては幼児の守護の神として』とも書いてますね。ありがたい! 祈らなければ!
- モンキチ ヨテコちゃん何を祈ると?
私は”良縁”でひとつ、よろしくお願いします。
- モンキチ あぁ……ご利益があるといいね。
- でも、わざわざこんな恰好で神に拝むより、普通に暮らしてる方が良い出会いがありそうってことはうすうす感じています。
そうやろうね……で、なんで片手にはお面(メンブリューもどき)なん(笑)
私は面(めん)よりMENSを望みます・・・
はい、おあとがよろしいようで。
- 嬉野女2人旅は、お面と道祖神に見守られ無事終了。終始驚きと発見に満ちた時間でした。嬉野秘宝館は残念ながら2014年3月に閉館してしまいましたが、その記憶はこれからも語り継がれることでしょう。嬉野には美人になる温泉や盆地の恵まれた環境に育まれるおいしいお茶など、まだまだ見所はありそうです。刺激と癒しを求めるにはちょうど良い、素敵な一日を過ごすことができたのでした。