- さっそく嬉野へ向けて出発! 秘宝館のために、少々過激にお洒落をしてきたヨテコさんとモンキチさん。どんな旅になるのやら…
- 博多から車で約1時間半、無事に嬉野秘宝館へ到着です。
- ★ 秘宝館ってなあに?
- 人間の性をテーマにした展示施設。「秘宝館」が生まれたのは1971年、三重県の元祖国際秘宝館(閉館)だ。それまでにも性にまつわる品を展示する施設はあったが、秘宝館はマネキンなどを使い、新しいエンターテイメントとしてブームをおこす。最盛期は全国で二十館以上あった秘宝館。閉館が相次ぐ中、昭和を象徴する光景として文化遺産という観点で現在人気が再燃している。「魅惑に満ちた愛のひとときを 大人の遊艶地・あなたのラブファンタジー 嬉野武雄 観光秘宝館」の看板が目に飛び込んでくる。
- わぁ~到着しましたね!
- ようやくここへ来れたね!!
- ヨテコ 「遊“艶”地」って書いてある!!
- モンキチ ラブファンタジーって…
- はやく中に入りたいですっ!
- 秘宝館の入り口へ向かっていると、一人の女性が出迎えてくれた。
- こんにちは!
- いらっしゃい。 いま、年寄り病院から帰ってきたところ。薬もらってきたんよ
- モンキチ あ〜そうなんですね……。今日はよろしくお願いします。
- スミさん シワは写さんどってよ〜
- ヨテコ あ、はい!大丈夫です。
- スミさん あなたたちそこに座りなさい
- ヨテコ&モンキチ またがった方がいいのかなぁ
- スミさん 着物はまたがったらいかん! 下品になるから。
- ヨテコ じゃあお上品に腰掛けましょう
- スミさん 上品にせんとね、顔まで悪く見えると。
- スミさんに「座りなさい」とすすめられた石に座る二人。よく見たらなんだかとてもセクシーな形ですね。
- スミさんは、この嬉野秘宝館を30年以上守ってきた館長さんなのです。現在、館長の座は退いたものの、閉館をひかえた秘宝館を、見守っているのだとか。
- スミさんに館内を案内してもらうことになった一行。嬉野秘宝館を知り尽くしたスミさんによるスペシャルツアーのはじまりはじまり!
- おしゃべりしながらええんじゃろ?
- はい! よろしくお願いします!!
- 異色のトリオでいざ秘宝館へ。不安で一杯だが、一体何が待ち受けているのだろうか。
- ヨテコ わー いきなり大セックスワンダーランドって書いてありますよ
- スミさん ここはなんべんも本に載ったんよ。
- 総工事費5億! 展示費2億!総額7億!!
- すごーい!!!!!!
- ヨテコ もともとどんな経緯で秘宝館を作ろうと思ったんですか?
- あたしもね、できてしまってから、「ここ頼むけん」て突然言われたのよ。
- モンキチ え??
- スミさん 兄貴が知らない間に作ったんよ。
- 知らない間にこんな大きなものを?(笑)
- スミさん そうよぉ
- モンキチ すごいなぁ……
- スミさん はじめはいやだったねぇ。でも、お客さんが笑って楽しんでくれるようすを見て、だんだん愛情が湧いてきたね。全国からお客さんが来てくれたし、みんな楽しいって褒めてくれるのよ。
- ヨテコ へぇ〜そうだったんですね。
- スミさん みんな「上品で立派ですね」って褒めてくれたよ。うれしかったねぇ。
- ヨテコ へぇ〜上品、か〜……
- モンキチ この弁財天という女性は神様ですか?
- スミさん いや、神様じゃないと思うけどね〜
- ヨテコ パネルにご神体って書いてますね。
- モンキチ (パネルを読みながら)タッソー婦人? って誰ですか?
- スミさん 私もよくわからんのよ。そこのパネルを読んでください。(バッサリ)
- あははは
- まずお出迎えしてくれたのは嬉野弁財天。その表情はまるで生きているかのよう。弁財天の顔マネをするヨテコさんも麗しい。
- ★ 嬉野弁財天 日本で初めて蝋人形でできた御神体の嬉野弁財天。御神体とはつまり神が宿るとされている物体のことで礼拝の対象となる。人体の細部までよく再現するために植毛をほどこし、はだけた隙間から覗くアンダーヘアには人毛を使用するこだわりぶり。
- モンキチ 落書きも激しいね(笑)
- スミさん 知らない間に勝手に書いていくのよ。
- ヨテコ びっっっしりありますねぇ。
- スミさん 見てごらん、この中にまで。
- ち○こになりたいって。
- 「わたしは貝になりたい」みたいな(笑)
- まぁ わかるような気がしますよ。
- ヨテコ あははははわかるんですね(笑)
- モンキチ 肥大祈願、童貞卒業もある……
- ヨテコ 切実ですね……
- スミさん 中はまだ広いけん、どんどん進むよ〜
- そのまま洞穴のようなコーナーへ進むと、乱立する道祖神が目に入る。
- ★ 道祖神ってなあに? 日本の民間信仰のひとつで集落のはずれや道の辻に立つ石神。 秘宝館で展示されている道祖神は、男性器、女性器、男女和合などを模った形態が多い。それぞれによって意味は異なるが、縁結びや子授け安産など性にまつわるご利益があるとされ各地で信仰の対象となっている。
- おぉいきなりですね。
- スミさん 団体で来るお客さんは、みんなでこうやってして喜ぶんよ。はははははははは~って笑いながらね。
- モンキチ そうなんですね〜
- スミさん さぁ、あなたたちも。せ~のっ
- 一同 あはははははは~
- スミさん わははははははははははは~
- 大丈夫かな これ……
- スミさん ここができたときはほんとうに腹が立ってねぇ。「こんなの作りやがって!!」って兄貴に言ったよ。こんなのができてるって知らなかったから。そんで兄貴と喧嘩して。自分で勝手にしやがれ! って
- モンキチ どうしてそんなに腹が立ったんですか?
- スミさん そりゃぁ、私だってまだ若かったし、人の女房だし。
- ヨテコ 周囲からいやなことをいわれたりとかは?
- スミさん そうねぇ、いやなことはぜんぜんなかったよ。そのうち、お客さんが喜んでくれるのをみて、私もだんだん嬉しくなってね。
- スミさんは強いですねぇ。
- お客さんがわははは~って笑うでしょう?それを見て、私も影でニヤッとするのよ(笑)
はい、どんどん行きますよ~。
- スミさんのペースにだいぶ慣れてきた一行。その独特な雰囲気に圧倒されつつ、秘宝館の神髄アトラクションゾーンへと進む。
- 長崎おくんち祭をもじったと思われるアトラクション「エロチック・ファンタジー ながさきオチンチ祭」
- モンキチ うわぁ~広いですねぇ
- まさにエロティシズムを立体的パノラマチックに表現した魅惑の施設!
- これは相当お金をかけたんでしょうね。
- モンキチ すごい量の展示ですね。
- スミさん ねぇ。
- モンキチ このコレクションはどなたが集めたんですか?
- さぁねぇ。
そういう業者がいたんじゃないの?
もう忘れちゃったよ - ヨテコ どれも芸術性が高いですよね。
- モンキチ いやらしさがないしね。
- スミさん こんなに熱心に見てくれるとうれしいねぇ。
- スミさん なんべんも言うけど、うちは上品なところなんよ。他のところは下品でしょうが。
- ヨテコ エロというよりも純粋に作品として楽しめますね。
- モンキチ 量もたくさんあって、じっくり見たくなっちゃうねぇ。
- スミさん よく集まったもんよね。
- すごいです、ほんとに!!
- 誰もが知っているあの映画の名シーンをもじった人形や実際にのぞいて楽しむなど、仕掛けが随所に施されたゾーンへ。まさに性のエンターテイメント!
- ヨテコ スミさんは、この秘宝館の魅力ってどんなところだと思います?
- スミさん そうねぇ……帰りはみんなニコニコになって出ていくもんね。
- ヨテコ どうしてでしょうね。
- スミさん 苦労を忘れるんじゃないの? 日ごろの苦労をねぇ
- ヨテコ なるほど
- だから・・・・・・(少し沈黙)まぁどうでもいいじゃないですか
- 一同 あはははははは
- スミさん 真剣に考えては、こういう商売できないよ(笑)
- ヨテコ そうですよねぇ
- モンキチ ヨテコちゃん、真剣に考えちゃダメなんだって(笑)
- ヨテコ 当時はお客さんすごく多かったって聞きましたけど
- 多い多い! バス10台くらい並びよったよ。
- ヨテコ 1日どのくらい来てたんですか?
- スミさん 5~600人かしら。忙しいこと忙しいこと。
- モンキチ すごい。全盛期っていつぐらい前なんですか?
- スミさん 20年くらい前かな、今ではすっかり寂しいけど。
- モンキチ できたときは腹が立ってても、今では気に入ってるんですね?
- そうねぇ。なくなると思うと寂しいよ。
- ヨテコ 寂しいですねぇ……
- スミさん やっぱりお客さんが笑ってくれるのが嬉しかったよね。
- すっかり秘宝館とスミさんに魅せられたおふたり。楽しい展示はまだまだ続きます。
- すごいすごい!!!!
- モンキチ まさしく圧巻だねぇ。
- 巨大噴水の後は、出口付近のおみやげコーナーへ。
その名もアダルトグッズG★SPOT。 - ヨテコちゃんに似合いそうなのあるよ
- これは!私のための服じゃないですか(笑)
- しかも意外とお手頃価格!
- 何か買っちゃおうかな~
- ヨテコ こっちのショーケースはエクスタシー系かな?
- スミさん 昔はセックスの用品も売ってたらしいよ。
- モンキチ セックスの用品って?
- 混ぜたくるやつよ
- 一同 爆笑
- 今はラインナップが上品ですね。
- ほんとほんと。子どもが見ても大丈夫そうなものばかり。
- ここは18歳未満立ち入り禁止だよ!
- モンキチ あ、ヨテコちゃんつっこまれたね(笑)
- 秘宝館だけにツッコミ上手!
- ヨテコ あれ? 何か趣が違うものが紛れてますね。
- モンキチ これ民芸品かなぁ。
- あ、それ持って帰っていいよ〜
- あぁ、めんぶりゅうね
- メンブリュー??
- ヨテコ なんですか、そのトラブリューみたいな響きの言葉は。
- スミさん 面浮立(めんぶりゅう)って、こっちの郷土芸能みたいなものよ
- これあげるわ、あなたに
- そう言って
カメラマン上野氏に面浮立をプレゼントしてくれた販売スタッフのキョウコさん。 - いやいや悪いですよ。
- ヨテコ それ、きっとものすごく価値がありますよ!
- キョウコ いいのよ在庫だから。持って帰りなさい。
- それでは、あざっす!
- 思わぬタイミングでいただいた面浮立のお面。このお面が巻き起こす出来事を、このとき誰も知る由はない・・・
- 面浮立(めんぶりゅう)って?
- 佐賀県を代表する民俗芸能。面をかぶり、太鼓や笛、鐘の音色に合わせておどる勇壮に舞う。五穀豊穣を祈る農耕のお祭りで使われたとも、鬼追い祭りで使われたとも言われていますが、謎に包まれた点も多く残されています。
- 秘宝館を大満喫したおふたり。じっくり1時間以上鑑賞してようやく出口へ。
最後にスミさんと記念撮影。 - いやぁ~ 本当によかったねぇ
- すっごく感動しました。
- スミさん そう言ってもらえると嬉しいねぇ。
- モンキチ もう1回ゆっくり見にきたいです。
- ヨテコ スミさんのスペシャルガイドが聞けたし。
- モンキチ 特別だったよね。
- 私、秘宝館にのまれすぎちゃって。
スミさんが背後の道祖神の化身に見えてきちゃって…(笑) - 確かに、シルエット似てる(笑)
- スミさんがもはやご神体ですよ。
- それほどに喜んでもらえてよかったよ。ありがとね〜
- 嬉野秘宝館は、まさに性のエンターテイメントと呼ぶにふさわしいワンダーランドでした。古来より神聖なものとして扱われてきた性の神々しさと、クスッと笑ってしまうようなお色気満点の展示の数々。その両極端の対比の中に笑いと涙と教えがあり、感動を生むのでしょうか。この3月で閉館してしまうなんて悲しすぎる。昭和の文化遺産であるこの秘宝館、まだ見られる今のうちに足を運ぶことをオススメします。