イベントレポート

『わすれない ふくしま』上映会へ

2020年・東京オリンピックが決定した、その翌日。
cafe space barva(カフェ スペース バルバ)”さんで行なわれた、ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』上映会に行ってきました。

福岡市中央区白金。
少し奥まった所に、一軒の古民家を改装した建物があります。

目印の白い暖簾をくぐり引き戸をガラガラ開けると、ほっと落ち着く小さな空間。

玄関でスリッパに履き替えていると、親しい誰かの家に遊びに来たような気分になります。 2013年5月にオープンして間もないこの場所。

“barva(バルバ)”はチェコ語で「彩り・色彩」。色々な色を持つ人々が集まり、混じり合い、新たな色を造り出していく……そんな場所になれば、との想いが込められているのだそうです。

この日は、真っ白なスクリーンが配された”小さな映画館”になっていました。
『わすれない ふくしま』に映される現実は、素朴で淡々とした、だけれど「ぎりぎり」で生きる人々の記録。
ずっとあの日からつきまとう不安の影が、生々しく実直に伝わってきました。

被災後に自殺した酪農家・菅野さんがたい肥小屋に書いていた遺書

大震災から2年以上が経過した今、「もう一度、今日までの被災地のことを知りたい」と足を運んだこの上映会。ひとつひとつの家族・暮らし・人生。山・水・生き物…美しかった無二の自然。
“二度と戻らないもの”の多さ、大きさに改めて打ちのめされました。

東京オリンピック決定を知った瞬間、純粋に喜びを感じたことも事実。しかし、まだまだ沢山の理解と助けが必要な場所・人達が居ること、解決策を見いだせないままになっていること、忘れたくありません。
国をあげての大イベントに取り組んでいく間にも、この映像を日本中の方に観てほしいと思います。

cafe space barvaさんを訪れるたび、思考や行動に良い意味で気づきや変化がもたらされます。
発信基地として、今、目が離せないアナバです。

コーヒーマイスターでもあるオーナーさんの珈琲も気になっています。絶品との噂なので、ゆったりと味わいに行きたいです。

(タハラ)

cafe space barva(カフェ スペース バルバ)
「今まで出会ってきた人たち、これから出会うであろう人たちにとって必要な空間となるカフェを作ろう」と、女性オーナーさんが創り出す心地よい空間です。「コーヒーの美味しさやおもしろさを味わって頂ける場所」でもあり、じっくりハンドドリップで仕上げる至福の一杯を楽しむことができます。手作りで日替わりのケーキ・キッシュ・サンドイッチも。 展示会や感度の高いイベントが積極的に行なわれています。

福岡市中央区白金1-11-25(薬院駅から徒歩5分)
営業時間 10:00〜19:00
定休日 水曜日
http://www.v-dank.com/pg14.html

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『わすれない ふくしま』四ノ宮浩監督
被災地・福島に生きる人々を淡々と映し出すドキュメンタリー映画。
かつて「日本一美しい村」と呼ばれていた福島県飯舘村。
そこから避難した一家族と、いまも警戒区域内で300頭の牛を飼い続ける畜産家の日常を追った記録。子供たちの口からこぼれる放射能への不安。大切な牛を殺処分させられた酪農家が自ら命を絶った事件などが収録される。

<「わすれない ふくしま」公式サイト >
http://wasurenai-fukushima.com/
※四ノ宮監督は震災直後から撮影を始め、作品完成後も福島を忘れないために現地に居続け、『わすれない ふくしま2』を撮影中。
※この映画を観た人々の中から自然発生的に発足した「福島の子供たちを疎開させようプロジェクト」でもサポーターを募集中である。


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