博多まちづくりミートアップ

福岡の新たな風物詩「千年夜市」。続く楽しみのつくり方〜ミートアップvol18レポート後編〜

誰からも“面白がられる”イベント

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千年夜市 コーヒー屋さんの高木さん

白石そして、高木さん。出店者としては、3ヶ月間毎週末参加されるのは大変じゃないですか?

高木正直、だいぶ身を削ってますよ(笑)出店されている飲食店の方はみんな寝ていないと思います。千年夜市に出店している間も、お店は営業しているので、アルバイトを追加で雇ったりしながら出店しているんです。仕込みもしながらなので、ほぼ眠れないですよね。でもみんな楽しいから出店しているんです。なんか変なアドレナリンが出るんですよ。たまに心折れそうになりますけどね(笑)

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白石売上の推移はどうですか?

高木年々訪れる人も増えているので売上はもちろん上がって来ていますよ。ただ、正直コーヒーは思っていたほどは売れないんです。でもぼくはそれでもいいと思ってます。というのも、出店者の方たちも休憩がてらに買いに来てくださるので、いいコミュニケーションツールになっているんですよね。そこがお酒にない魅力のひとつかな、と思いますね。訪れる方にとっても、お酒のイメージが強い夜のイベントにコーヒーがあるっていうのはひとつの安心感にもつながるみたいで。

厳しいお金事情

白石ちょっと突っ込んだ質問なんですけど…千年夜市の収入モデルを教えていただいてもいいでしょうか。

松岡いいですよ。出店料として、負担のない程度いただいています。それに加えて、飲食店からは売上の10%をいただいています。

白石実行委員のコアメンバーが6名いらっしゃるとのことですが、給料もそこから払っているということですよね?

松岡初年度からは、収益から経費をさっぴいた金額の半分をみんなで割っていたんですけど、微々たるもので。去年からやっと人間らしい給料が払えるようになりました。去年まで手伝ってくれていたけれど、諸事情で実行委員を抜けてしまった人たちにも「ありがとう」と、お金を渡しに行きました。

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白石多くの方に出店してもらうために、何か工夫していることはあるんでしょうか?

松岡マニアックな話なんですけど、飲食店の場合は、保健所に出向いてイベントの出店許可を申請しなければなりません。一般的にイベントの許可として知られているのは、臨時営業許可。2,500円を払って1週間のイベント出店が認められるような内容です。そして、8,000円を払って5年間の許可がおりるのが仮設営業許可ですね。夜市は毎週やるんでみなさんに仮設営業許可をとってくださいってお願いしているんです。許可をいただくに当たって、保健所の駐車場で実際にテントを立てて、ブースを再現しなければなりません。でもほとんどの人がテントなんて持っていないですよね。だからそういう飲食店の方にはテントを無償で貸し出しています。許可を取りに行く暇もない場合は、ぼくが代わりに許可を取りに行くこともあります。

白石そこまでしているんですね。

松岡テーマが「旅とローカルの交差点」なので、千年夜市で出会った人や味に会いに、店舗にも足を運んでほしいという目論見があるんです。

今後について

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白石清流公園という規模で、売上の最大値が見えてきた中で、今後の課題はなんでしょうか?

松岡イベントって本来、何かを知ってもらうために開催するものじゃないですか。千年夜市は、何もないんですよ。いつかは年中開催するのが目標なんですけど、そうなった場合、しっかりお給料を払ってスタッフとして雇うことができるのはせいぜい5〜6人なんですよ。さすがにその人数で運営していくのは厳しくて…。お金のためだけにやっているわけではないんですけど、千年夜市と謳っているので、千年続けないといけない使命があるんです。あと993年ありますからね(笑)

白石実は今回、包み隠さずお話をしていただく条件として、千年夜市をこれからも継続させていくためのアイデアをみなさんに出していただきたいというのがありまして。3グループに分かれてディスカッションをお願いしたいと思います。あとで、グループの代表者1名に発表していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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白石では1組目の方から発表していただけたらと思います。お願いします。

1組目代表出店者の業種ごとに収益や客層などをデータ化して、コンサルティングにつなげてみてはどうでしょうか。そして、テストマーケティングできるようなブースを設けて出店者を募る。そうすると全国から来てもらった出店者の方ともパイプができるので、そこにもコンサルが入る可能性があって、全国規模に広がっていけるんじゃないかなって。

白石全国に千年夜市の輪が広がっていくのは夢がありますね。2組目の方、いかがですか?

2組目代表千年夜市を九州全県にのれん分けしていくというアイデアが出ました。各旅行会社や、JR九州に、日本だけではなく世界からの観光客向けに「千年夜市ツアー」っていう形でパッケージして売り出してもらう。電車や新幹線を使いながら九州各地の夜市を巡ってもらえたら、面白いと思うんです。

白石ツアーにしちゃうっていうのは面白いですね!3組目の方、お願いします。

3組目代表清流公園だけではなく、中洲全体で千年夜市を盛り上げていこうということで、中洲で飲食店を営んでいる人たちに協力していただき、週末だけはお店のイチオシ商品を店頭で販売してもらうっていうのはどうでしょうか。中洲全体を千年夜市にしてしまおうということです。そして、実現した暁には、事例をパッケージ化して全国に販売していく。なんでもパッケージ化してしまうのが大事だと思うんです。

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白石なるほど、様々な意見が出ましたね。ゲストの方からも感想をお願いします。

牟田自分たちにはない発想や、様々な意見をたくさんいただけたので、今後に役立てていきたいと思いました。

高木7年の間にこれだけ大きく成長した千年夜市は改めてすごいなと思いました。これからも出店者の立場でできることをやっていきたいと思います。

白石最後に松岡さんお願いします。

松岡ディスカッションまでしていただき、貴重なご意見をありがとうございました。こういうのです!こういうのがやりたかったんです!いつか、千年夜市を考えるシンポジウムみたいなのをやりたいなって思っていて…。

白石やりましょうよ!

松岡本当ですか?じゃ、決まりということで(笑)ぼくたちのやっていることって、いってしまえばアジアのナイトマーケットの真似ごとなんです。ここからは、みなさんが「こうなったらいいな」と思っているのをどんどん取り入れていきたいと思っているんで、今後ともご指導、ご鞭撻をお願いします!

白石どうやら2回目の開催が今決定しましたね(笑)みなさん、またその時はぜひご参加いただけたらと思います。本日はありがとうございました!

(了)


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