鹿児島の離島へ、ゆる～りアートの旅に。

鹿児島県の西、東シナ海に浮かぶ3つの列島、甑（こしき）島。
島から海を眺めるようにそびえ立つ巨大な岩が、米を蒸す”せいろ”のかたちに似ていることから、そう名づけられたとかそうでないとか……。

それはさておき、この小さな離島では、毎年夏になると開催されているアートプロジェクトがあります。その名も「KOSHIKI ART PROJECT」。昨今よく耳にする”アートフェス”とは、ひと味もふた味もちがうプロジェクトです。

東シナ海に浮かぶ甑島。

メインとなるプロジェクトは「甑島で、つくる。」。
その名のとおり、全国から集まったアーティストが、夏の期間だけ甑島に滞在して作品をつくり、島全体をつかって作品を公開するというものです。廃校となった校舎や、集落の空き家、公民館などが、この時期になるとアートの展示場所として生まれ変わるのです。
また、これまで中心だったプロの若手作家だけでなく、10年目となる今回は、全国の芸大生、美大生からの公募による作品展示も予定しているそう。運営スタッフの試行錯誤によって年々変化しつづけ、可能性の幅が広がっているのも魅力のひとつです。

そう、このプロジェクトの魅力は、アートにとどまりません。
島の伝統芸能を伝える音楽祭や、採れたて海の幸が堪能できる旅館とのコラボツアー、大自然を体感できる体験メニューに、島の手仕事マルシェなどなど、アートに加えて、島の暮らしやその文化、食や自然の楽しさまでもを満喫できる、ローカルかつグローバルな魅力満載のイベントなのです！

手つかずの自然を舞台に展示される作品。なんという贅沢…。

参加アーティストは島に滞在し、島の暮らしや文化を体感しながら作品を作り上げていきます。

過去には、島の伝統祭事もプロジェクトに盛り込まれたことも。

情緒漂う島の集落を散歩するだけでも楽しいこと間違いなし。

気になる「KOSHIKI ART PROJECT」は、8月の17日から開催予定。
この夏は街の喧噪からはなれて、のんびり離島でアートを満喫するもまた一興ですよ。アナバナでも、会期中にお邪魔する予定。その様子は、改めてご紹介しますのでお楽しみに！

それにしても、せいろの形に似た岩を神さまとして拝んだ古代の人々の想像／創造力の豊かさよ。今の時代にも、甑島を通して受け継がれているのですね～。

（堀尾）